まさかのハワイでオーロラ観測 前回の記録は100年以上前
ハワイでオーロラ。あり得ないことのたとえで出てきそうな組み合わせのようですが、週末、実際に起きてしまいました。
現地時間11日(土)未明、カウアイ島やハワイ島などで空が赤紫色に輝き、オーロラが観測されました。
悔しくも筆者はこの日、ハワイにいました。世界各地でオーロラが観測されていたこと、ハワイもずいぶん昔にオーロラが起きたことがあること、そんなことを聞いていたのですが、まさか起こるわけはないだろう、そう高を括って熟睡をしておりました。
今回の件で、常識を捨てようと心に刻み込んだ所分です。
貴重なオーロラ写真
私の見逃したオーロラとはどのようなものだったのでしょうか。
下が幸運な目撃者が撮影してくれた写真です。漆黒のはずの空が赤紫色に光っているのが分かります。
ハワイ大学の天文学者ロイ・ギャル氏によれば、1859年に巨大な太陽嵐が発生した際、ハワイでもオーロラが『空に炎』として記録されたことがあるそうです。こうした南方まで見られる強力な嵐が起こるのは一生に一度の出来事だと言います。
ハワイ島は沖縄よりもずっと南の、北緯およそ20度に位置しています。
なぜ赤い?
日本では東北地方や能登半島などでオーロラが目撃されましたが、その映像のどれを見てもオーロラは赤みをかかった色をしています。
以前、北海道で赤いオーロラが発生した時、住民が火事と勘違いして消防車が駆け付けたという嘘のような本当の話がありました。
オーロラと言えば、緑色の光のカーテンが舞う映像をよく目にしますが、なぜ赤いのでしょうか。
それは低緯度で見られるオーロラの光は、高緯度地方の空高い所で起きているオーロラの一部だからです。空高い所には酸素原子が多く、それが大気の上層で太陽風とぶつかり赤い色を発生させ、それを遠く離れた低緯度の人たちが見ているというわけです。
太陽活動が極大期に向かう今、近いうちにまたオーロラが世界各地で見られる機会もあるかもしれません。次こそは先入観を捨てて、空を見上げてみたいと思います。