大谷翔平を猛追するサルバドール・ペレスが本塁打王になれば、捕手何人目!? 5試合連続アーチで3本差に
オールスター・ゲームで先発バッテリーを組んだ時、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)のシーズン本塁打は、それぞれ、33本と21本だった。そこには、12本の差があった。ところが、今やその差は3本しかない。大谷のペースダウンも理由の一つだが、それ以上にペレスの勢いが凄まじい。8月25日に大谷との6本差とし、そこから29日まで、5試合続けてホームランを打っている。
それでも、大谷はペレスに3本差をつけている。ペレスのストリークも、いつかは止まるだろう。だが、オールスター・ゲームの時点では、ありそうに思えなかったことが起きるかもしれない。ここから、ペレスが大谷を追い越す、あるいは大谷と並び、本塁打王を獲得してもおかしくない。
ペレスは、ロイヤルズの正捕手だ。今シーズンの出場129試合中、スタメンマスクは99試合。DHとして先発出場した29試合のうち、3試合は途中からマスクをかぶった。他に、代打出場が1試合ある。38本塁打の内訳は、捕手として26本、DHとして12本だ。
これまでの本塁打王のなかに、出場試合の75%以上で捕手を務めた選手はいるのかを調べたところ、ジョニー・ベンチしか見つからなかった。シンシナティ・レッズ一筋にプレーしたベンチは、1970年と1972年にナ・リーグの本塁打王(と打点王)を獲得している。本数は、45本と40本。どちらのシーズンも、両リーグで最も多かった。
バック・ユーイングは、1883年にナ・リーグ最多の10本塁打を記録しているが、捕手出場は70%台前半にとどまる。
また、ペレスが目前としている、シーズン40本塁打以上の捕手は、ベンチの他に何人かいるものの、本塁打王にはなっていない。二刀流の大谷もそうだが、捕手のペレスが本塁打王を獲得しても、極めて稀な例となる。
ペレスに追い抜かれたブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)も、トップの大谷とはまだ5本差なので、ここからの巻き返しは可能な本数だ。ゲレーロJr.は22歳。本塁打王を獲得すれば、年少記録のトップ5にランクインする。こちらは、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)も同様だ。生まれたのはゲレーロJr.より数ヵ月早いが、年齢は同じ22歳。ここまで35本のホームランを打ち、ナ・リーグ2位のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)に6本差をつけている。
なお、シーズン40本塁打以上の捕手については、こちらで書いた。