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ここ2年に2度の「20試合連続安打」。1度目は27試合で途切れる。2度目は継続中

宇根夏樹ベースボール・ライター
トレイ・ターナー/左奥はギャビン・ラックス May 23, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 トレイ・ターナー(ロサンゼルス・ドジャース)は、昨年9月12日から今年4月16日にかけて、27試合連続安打を記録した。

 そして、5月9日から29日まで、21試合続けてヒットを打っている。継続中のこちらは、すでに途切れているものを含め、今シーズンのヒッティング・ストリークのなかで最も長く、ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)と並ぶ。同じく継続中のゴールドシュミットは、5月30日にヒットを打ち、ストリークを21試合とした。ターナーは、これを書いている時点ではまだ始まっていない5月30日の試合に打つと、22試合連続安打となる。

 ここ2シーズンに21試合以上のヒッティング・ストリークを記録した選手は、調べたところ、ターナーとゴールドシュミットの他には、2人しか見つからなかった。昨年6月13日~7月17日に26試合連続安打のデビッド・フレッチャー(ロサンゼルス・エンジェルス)と、昨年5月12日~6月5日に21試合連続安打のニック・カステヤノス(当時シンシナティ・レッズ/現フィラデルフィア・フィリーズ)だ。

 見落としがなければ、ターナーの27試合連続安打と21試合連続安打は、それぞれ、2021年以降の最長と3位タイということになる。

 ストリークが30試合に達するまでは、それほど大きなニュースにはならない。とはいえ、20試合以上30試合未満でも、立て続けに2度となると、かなり珍しい気がする。ターナーの2つのストリークの間には、18試合しか挟まっていない。そのうち、無安打は7試合だ。

 ターナーは、今シーズンがメジャーリーグ8年目。昨シーズンは首位打者(と2度目の盗塁王)を獲得し、通算打率も.302だが、昨シーズンが終わった時点で、20試合以上のヒッティング・ストリークは一度もなかった。自己最長の19試合連続安打を継続したままオフを迎え、今シーズンの開幕からストリークを伸ばした。

 メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)において、30試合以上のヒッティング・ストリークは、延べ57人が記録している。直近の57人目は、2018年9月10日~2019年4月10日に31試合連続安打のウィット・メリフィールド(カンザスシティ・ロイヤルズ)だ。今シーズン、ターナーは、ここまで全試合に出場している。ここからも欠場することなく、どの試合でもヒットを打つと、6月8日にストリークは30試合に達する。

 今オフ、ターナーはFAになる。それまでに延長契約を交わさなければ、FA市場で人気を博しそうだ。遊撃を守り、昨シーズンは30-30まであと2本塁打に迫ったように、まったくのスラップ・ヒッターというわけではない。

 なお、ドジャースの球団最長は、1969年8月1日~9月3日にウィリー・デービスが記録した、31試合連続安打だ。デービスは、メジャーデビューから数えて14シーズンをドジャースで過ごした。その後は、メジャーリーグの他チームだけでなく、日本プロ野球の中日ドラゴンズ(1977年)とクラウンライター・ライオンズ(1978年)でもプレーした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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