世界を魅了する北海道の雪 温暖化で44%減少も
札幌では10日午前9時、積雪が95センチに達し、この冬一番の積雪となりました。この日が年最深積雪となれば、過去4番目に遅い記録です。
この冬の記録的な暖冬で、本州では平年の半分まで雪が少なくなりましたが、北海道は平年並みに留まっている所があります。
北海道が今後も、世界を魅了するスノーリゾートであり続けるのか、探ります。
札幌の積雪ピークは40年ぶりの遅さ
気象用語では最大の積雪を最深積雪といい、一年で最も積雪が多くなるのは2月です。札幌では平均すると2月18日頃です。
しかし、今年は2月半ばにいったん少なくなったものの、その後は再び、増加し、現在は札幌市中心部で1メートル近い積雪があります。
今が積雪のピークとなれば、1961年以降では4番目に遅く、1984年3月17日以来40年ぶりの遅さです。
上質な雪質が生まれる理由
この冬、北海道の降雪量(12月~2月)は平年の93%にとどまり、東北の67%、北陸の58%と比べると違いが大きくなりました。記録的暖冬でも雪が極端に少なくならなかったのは北海道を通過した低気圧の影響です。
北海道には十分な寒さがあるため、冬型の気圧配置が弱くても、低気圧による降水すべてが雪となります。世界のスキーヤーを魅了する上質な雪質が生まれる理由はここにあります。
今世紀末には44%減少も
しかし、止まる所を知らない温暖化は北海道の将来を大きく変える可能性があります。
今世紀末、世界の平均気温が4度上昇すると、北海道の年最深積雪は20世紀末と比べ約44%減少すると予測されています。短期的には雪の多い年があっても、現状のままの温暖化対策を続ける限り、雪は減り続けるのです。
一方で、北海道の内陸部では雪が増える可能性が指摘されています。氷点下10度、氷点下20度まで下がる地域では将来にわたり、雪になる寒さに変わりはないからです。
【参考資料】
札幌管区気象台ホームページ:「日本の気候変動2020」に基づく北海道の気候変動
気象庁ホームページ:2023年〜2024年の冬(12月〜2月)の天候、2024年3月1日掲載