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ノート(153) 最高検の取調べが再開 言ってもいないことを調書にすることはよくある?

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~確定編(4)

受刑17/384日目

「免業日」とは

 この1週間は、土日を経た月曜の5月9日と金曜の13日くらいしか腰を据えて刑務作業を行うことがなかった。というのも、第2水曜日の5月11日は免業日だったし、5月10日から12日までの3日間、最高検の中村孝検事による取調べが行われたからだ。

 刑務作業は、土日祝日、12月29日から1月3日までの年末年始、連続3日の夏季休暇に休みとなるし、月2回の「免業日」も休みだ。ただし、免業日には教育的指導が行われ、課題作文の提出などが求められている。

 日中はラジオ放送などがないが、早く書き上げれば、居室内で自習したり、読書や書き物などをして静かにすごすことができる。

 大阪拘置所では、第2、第4水曜日が免業日として指定されていた。5月11日に与えられた課題は、「『健康管理』をテーマに作文を完成させよ」というものだった。用紙はA4サイズ1枚で、表と裏に罫線が引かれており、ここに文字を埋め、夕食前に刑務官が回収にやってくるというやり方だった。

 「健康管理は自己管理の最たるものである」といったリード文で始め、その欠如が犯罪の誘引になるといった趣旨の作文を用紙の表と裏にビッシリと記載した。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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