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力士と一緒に「相撲健康体操」で暑さを押し出せ!約4年ぶりのイベント開催に活気

飯塚さきスポーツライター/相撲ライター
甲山親方(写真中央)が指導を担当(写真:すべて筆者撮影)

2019年以来4年ぶりとなる「相撲健康体操」が、東京・両国国技館で行われている。今年で13回目の開催となる相撲健康体操は、毎朝7時半から8時まで、力士たちと一緒に楽しく体を動かすイベントだ。久しぶりの開催に、会場へは墨田区内外から約180名が訪れ、活気があふれていた。

実はきつい!「相撲健康体操」とは

相撲健康体操とは、相撲の基本動作の型をもとに、老若男女問わず親しめるよう考案された体操で、蹲踞(そんきょ)の姿勢をとって深呼吸をする「気鎮めの型」から始まり、四股や股割り、仕切りなど、計12の型から成る。相撲健康体操初日となった昨日、力士たちを従えて指導してくれたのは、元幕内・大碇の甲山親方。「四股は、昔は『醜』と書かれました。醜いものを地中に踏み鎮めるということです。しっかりと、つま先から下ろしてくださいね。いち、に、さん!」。テレビ解説でもおなじみ、美声の関西弁が国技館前に心地よく響く。甲山親方の掛け声に続いて、「ヤァ!」「よいしょー!」と参加者も大きな声で応える。

参加者は大人から子どもまで約180人!海外から訪れた人も
参加者は大人から子どもまで約180人!海外から訪れた人も

筆者も意気揚々と参加した。スニーカーを放り投げ、裸足でコンクリートの感触を確かめる。声を出し、しっかりと呼吸しながら体を動かすと、あっという間に汗が噴き出してきた。四股はもちろんだが、11番目の「均整の型」が最もきつい。終始中腰のままの動きなので、太ももの限界が早々に訪れるのだ。ラジオ体操と同じく、最後までしっかりこなすと、かなりいい運動になる。

参加した子どもたちにはグッズのプレゼントも
参加した子どもたちにはグッズのプレゼントも

相撲ファンが増えるきっかけにも

途中、お相撲さんたちが胸までぺったりついた股割りを披露すると、会場は「おおー!」と拍手喝采。甲山親方の笑いを交えた楽しい進行も相まって、終始楽しい雰囲気で約30分間の体操が終了した。

体操の後は、力士から「力水」をもらう
体操の後は、力士から「力水」をもらう

指導を担当した甲山親方は、「初日からこんなに多くの人が詰めかけてくれて、楽しくできてよかったです」と笑顔。参加者は年々増えていっている印象だという。

「両国だけじゃなく、いろんなところから足を運んでくれているみたいなので、こういうところから相撲ファンが増えていってくれたらありがたいです。ファンの人と触れ合えるのは、僕らにとっても喜んでもらえてうれしいので、ここから活気づいていければと思います」

晴天を見上げて「ヤァ!」。裸足で地面を「よいしょ!」。朝から思い切り体を動かした後の汗は、この猛暑のなかでもどこか心地よかった。今年の開催は計12日間。誰でも無料で参加できるので、興味のある方はぜひタオルと飲み物を持って朝7時半に国技館へ足を運んでみてはいかがだろうか。日時などの詳細はこちら

配られた冊子。これを見ながら家でも体操しよう
配られた冊子。これを見ながら家でも体操しよう

スポーツライター/相撲ライター

1989(平成元)年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。フリーのスポーツライター・相撲ライターとして『相撲』(同社)、『Number Web』(文藝春秋)などで執筆中。2019年ラグビーワールドカップでは、アメリカ代表チーム通訳として1カ月間帯同した。著書に『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』、構成・インタビューを担当した横綱・照ノ富士の著書『奈落の底から見上げた明日』。

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