魔球使い、再び現る。33歳のナックルボーラーがメジャーリーグに初昇格。大谷翔平にも近々投げる!?
6月22日、ボルティモア・オリオールズは、AAAからミッキー・ジャニスを昇格させた。
ジャニスは、33歳の右投手だ。これまでにメジャーリーグで投げたことは、一度もない。2010年のドラフトで、タンパベイ・レイズから44巡目・全体1331位指名を受け、大学からプロ入り。2012年から2015年までは独立リーグ(とオーストラリアのリーグ)で投げ、ニューヨーク・メッツを経て、昨年1月にオリオールズへ入団した。今シーズンはAAAでリリーフとして6試合、先発として1試合に登板し、計24.2イニングで防御率2.92を記録している。
その経歴と現在の年齢だけでも、注目に値する。しかも、ジャニスはナックルボーラーだ。2011年のオフにレイズから解雇され、速球とスライダーを主体とする「普通の投手」から「魔球使い」に転じた。
昨年末に「ナックルボーラーは今でもいる!? それとも、すでに絶滅!?」で書いたとおり、昨シーズンのメジャーリーグにナックルボーラーはいなかった。ナックルボールを投げた選手はいるが、いずれも野手だった。今シーズンも、同じ状況が続いている。スタットキャストがナックルボールと判定した投球は、内外野を守るユーティリティのダニー・メンディック(シカゴ・ホワイトソックス)による、4月19日の15球中12球しかない(他の3球はイーファス・ピッチ)。
ジャニスがメジャーデビューすれば、ナックルボーラーがメジャーリーグで投げるのは、2019年のスティーブン・ライトとライアン・フィアベンド以来となる。ここからオリオールズが試合を行う相手は、6月23日がヒューストン・アストロズ、24日~27日がトロント・ブルージェイズ、28日~30日は再びアストロズだ。続いて、7月2日~4日は、ロサンゼルス・エンジェルスと3試合を行う。大谷翔平に対し、ジャニスが投げる可能性もある。ライトとフィアベンドは、大谷とは対戦していない。
なお、現時点ではメジャーリーグ最後のナックルボーラーである――近々そうではなくなる予定の――2人も、キャリアを終えてはいない。36歳のライトは、3月下旬にピッツバーグ・パイレーツと契約し、AAAで登板している。35歳のフィアベンドは、かつてジャニスが在籍したこともある独立リーグの球団、レイク・エリー・クラッシャーズで投げている。