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ナックルボーラーは今でもいる!? それとも、すでに絶滅!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
スティーブン・ライト(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ファングラフスのデータによると、2020年にメジャーリーグでナックルボールを投げた選手は2人いた。全投球に占める割合は、エリック・クラッツが44.7%、トッド・フレイジャーは38.5%だ。もっとも、彼らは投手ではない。捕手と三塁手だ。

 もしかすると、20世紀初頭にナックルボーラーが登場して以来、彼らが皆無のシーズンは初めてかもしれない。21世紀に入ってからも、昨シーズンまでは途絶えたことがなかった。ティム・ウェイクフィールドR.A.ディッキースティーブン・ライト……。2001~19年のどのシーズンも、ナックルボーラーが、少なくとも1人はいた。

 現時点における、メジャーリーグで最後に投げたナックルボーラーは、2019年のライアン・フィアベンドとライトだ。当時、トロント・ブルージェイズにいたフィアベンドは、5月に2登板。ボストン・レッドソックスにいたライトは、6月から7月にかけて6試合に登板した。

 2人とも、現在はどの球団にも在籍していない。ただ、どちらも引退したわけではないようだ。フィアベンドは今年1月に台湾の統一ライオンズと契約し、11試合に投げた。6月に退団したのは、新型コロナウイルスのパンデミックにより、家族のいるアメリカへ戻りたいと考えたのが理由だ。昨年10月にレッドソックスから解雇されたライトは、その直後にトミー・ジョン手術を受けた。

 また、メジャーデビューはしていないものの、ボルティモア・オリオールズには、ミッキー・ジャニスという、33歳のナックルボーラーが在籍している。

 なお、近年、ナックルボーラーに転向し、メジャーリーグ復帰をめざした選手(実現はしていない)については、こちらに書いた。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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