FAの大物打者に手が出ない球団には最適!? 出塁率.393は400打席以上の4位、ホームランは23本
今オフ、ジョク・ピーダーソンは、1400万ドル(解約金300万ドル)の相互オプションを破棄し、アリゾナ・ダイヤモンドバックスからFAになった。相互オプションの場合、選手と球団のどちらか一方が破棄すれば、もう一方の意向にかかわらず、行使にはならない。
2020年以降の5シーズンとも、規定打席には達していない。左投手は得意ではなく、起用されることも少ない。また、もともとは外野手だが、2024年は一度も守備につかなかった。DHと代打だけだ。年齢は、来年4月に33歳の誕生日を迎える。
ただ、ここ3シーズンの出塁率は.353→.348→.393と推移している。各シーズンの順位は、400打席以上の205人中35位、212人中61位、207人中4位だ。3シーズンとも、上位30%に位置している。
ホームランは、23本→15本→23本だ。2022年と2024年は、16.52打数/本と15.96打数/本。16打数前後に1本なので、1試合に4打数とすると、4試合に約1本のペースとなる。例えば、2024年に34本塁打の2人、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ/現FA)とカル・ローリー(シアトル・マリナーズ)は、これに近く、17.88打数/本と16.06打数/本だった。
2024年の出塁率.393は出来すぎにしても、.350前後の出塁率と20本以上のホームランなら、期待してもいいだろう。特に、左投手に強い右打者が控えにいれば――あるいは手に入れれば――ピーダーソンをDHに据えるのは、理に適う。具体的には、2024年にピーダーソンとチームメイトだった、ランダール・グリチックのような選手だ。グリチックも、相互オプションを破棄し、FA市場に出ている。こちらのオプションは、600万ドル(解約金50万ドル)だった。
ピーダーソンは、2年契約を望むだろうが、1年契約でも2年目のオプションがついていれば、受け入れてもおかしくない。2年契約なら、その年平均額が破棄したオプションの1400万ドルより少なくても、契約を交わすのではないだろうか。大物のFAを迎え入れるほどの資金はないものの、DHが空いている球団に、ピーダーソンはフィットするように思える。