「ジブリパーク」を楽しむコツは「ジブリパーク以外」も楽しむ!
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/title-1665590504484.jpeg?exp=10800)
既存の公園を活かしてつくられるジブリパーク
ジブリパークが2022年11月1日、いよいよオープンします。『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』など、数々の国民的ヒットアニメ映画を生み出しているスタジオジブリによる公園施設だけに、ファンの期待、そして地元・愛知県の期待はいやが上にも高まるばかりです。
ジブリパークは愛知県長久手市の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)内。地元でもしばしば誤解されがちなのですが、“モリコロパークがジブリパークに生まれ変わる”わけではありません。既存の公園の豊かな自然を活かしつつ、敷地内に合わせて5エリアが新設されるのが「ジブリパーク」です。
名古屋駅からは地下鉄、リニモを乗り継ぎ、乗り継ぎを含めておよそ1時間弱で「愛・地球博記念公園」駅に到着します。
11月はその第1期として「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」の3エリアがオープン。2023年秋には「もののけの里」、2024年3月には「魔女の谷」が開園予定となっています。
![リニモ「愛・地球博記念公園」駅で降りると正面に見えるエレベーター塔。ジブリパーク開園に合わせて19世紀末の空想科学的世界観のイメージにリニューアルされた。愛・地球博記念公園は入園無料](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665591235579.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
圧倒的スケールの「ジブリの大倉庫」
去る10月12・13日には完成した施設がメディア向けに先行公開。まずはその展示内容を紹介します。
3エリア中、最も規模が大きいのが「ジブリの大倉庫」。ここはもともと温水プールだったところを丸ごと活かした空間で、ここだけで「三鷹の森ジブリ美術館」のおよそ3倍ものスケールを有します。
![装飾タイルが美しい「ジブリの大倉庫」の中央階段。あちこちにまっくろくろすけなどジブリのキャラクターが隠れている。上空には『天空の城ラピュタ』に登場する全長約7mの「空飛ぶ巨大な船」が浮かんでいる](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665591955447.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
まずテンションが上がるのが企画展示の「ジブリのなりきり名場面展」。『千と千尋の神隠し』『天空の城ラピュタ』などの登場人物になりきって名場面の中に入って写真を撮れるのです。
![「ジブリのなりきり名場面展」で筆者もなりきり。13作品14コーナーがあり、ジブリ映画に“出演”できる(!?) (C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665592708908.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
カラフルでかわいいネコバスに乗れる(小学生以下限定)「ネコバスルーム」、『千と千尋の神隠し』の湯婆婆の「にせの館長室」、これまでの展示制作物などを保管する「公開倉庫」、10数分程度の短編アニメーション10作品を順次上映する「映像展示室オリヲン座」など、ここだけで大博覧会と呼ぶにふさわしい圧倒的なスケール。ジブリの作品世界がギュギュッと詰め込まれていて、いくら時間があっても足りないくらい倉庫内すべてが見どころとなっています。
![「ネコバスルーム」は子どもたち向けの遊び場。小学生以下に限りネコバスに乗ることもできる。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665593008547.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![『千と千尋の神隠し』の湯婆婆は「ジブリの大倉庫」のにせの館長。人気キャラの頭(かしら)もいい味を出している。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665593193381.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![『天空の城ラピュタ』に登場するロボット兵。廃墟になった庭園で、つたと苔に覆われたまま動かなくなってしまっているシーンをリアルスケールで再現している。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665593896793.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![『借りぐらしのアリエッティ』の小人たちから見た世界を表現した「床下の家と小人の庭」。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665593690360.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![懐かしくもちょっと怪しげなムードも漂う昭和の商店街のような「南街」(みなみまち)。駄菓子屋、模型屋、本屋が軒を連ね、並んでいる商品は実際に購入できる](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665593444566.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![企画展示「食べるを描く。」増補改訂版。食べるシーンがとびきりおいしそうなのもジブリ映画。絵コンテでおいしく描く秘密を解き明かす。映画に登場する飛行船の厨房の再現なども。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665594652510.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![「ジブリの大倉庫ショップ冒険飛行団」。フィギュア、ぬいぐるみ、Tシャツ、ジブリ作品のDVDやレコードなど魅力的なグッズが所狭しと並ぶ。ジブリパーク限定グッズもあり。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665594827834.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
細部のつくり込みに引き込まれる「青春の丘」
「青春の丘」は、ジブリ作品の中でもまぶしく甘酸っぱい青春ストーリーのファンにはたまらないエリア。『耳をすませば』の重要な舞台である骨董品店兼バイオリン工房「地球屋」が公園を見下ろす丘の上に建てられ、それと並んで『猫の恩返し』に登場する「猫の事務所」が、“猫サイズ”で再現されています。どちらもディテールのつくり込みにこだわりまくっていて、作品をもう一度観てみたくなること必至。作品に対する思い入れや理解度がぐっと深まるに違いありません。
![『耳をすませば』で主人公・月島雫が訪れるアンティークショップ兼時計修理・バイオリン工房「地球屋」。3階建てで、1・2階のテラスからは愛・地球博記念公園を見渡せる。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665595159793.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![地球屋の店内。木馬やからくり時計、猫の人形などが並ぶ。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665595388352.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![『猫の恩返し』の「猫の事務所」。ミニチュアサイズの事務所の中で、作品のキャラクター、バロンとムタがくつろいでいる。これまた細部のこだわりがすごい。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665595499416.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
昭和の風景に心なごむ「どんどこ森」
「どんどこ森」は『となりのトトロ』で描かれたノスタルジックな昭和の世界へ迷い込めるエリア。2005年に愛・地球博のパビリオンとして建てられた「サツキとメイの家」に加えて、裏山の山頂にトトロをモチーフとした高さ約5mの「どんどこ堂」を新設。どんどこ堂は小学生以下の子どもが中に入って遊べる木製遊具になっています。
![「サツキとメイの家」は『となりのトトロ』の草壁一家の住まいを再現したもの。愛・地球博でも屈指の人気パビリオンで、万博閉幕後も残されて見学スポットとなっていた。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665595692156.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![「サツキとメイの家」の中は本物の家財道具などが設えられ、庭や台所にある井戸のポンプは実際に水が出る。ここだけでも昭和のミュージアムとして見どころが存分にある。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665596295599.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![「どんどこ森」のどんどこ堂。トトロが高さ約5mの木製遊具となり、小学生以下は中に入って遊ぶことができる。「青春の丘」「どんどこ森」にもエリア限定グッズがある。(C) Studio Ghibli](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665596454645.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
遊園地のような派手なアトラクションはなく、周りの公園の環境も含めてジブリの世界観にどっぷり浸れるのが大きな特徴。ジブリの熱心なファンにとっては心惹かれる場面ばかりですが、作品を観たことがなくてもジブリパークを体験することで個々の作品に興味が膨らむ、そんな効果も期待できそうです。
ジブリパーク以外も楽しみ方いっぱいの愛・地球博記念公園
チケットはエリアごとに日時指定の予約制。11月分までのチケットは既に完売し、10月12日現在で購入できるのは1月分以降になります(※チケット販売の詳細はこちら)。
【ジブリパーク 各エリアの料金】
ジブリの大倉庫 平日/大人2000円、4歳~小学生1000円
土日祝/大人2500円、4歳~小学生1250円
青春の丘 大人1000円、4歳~小学生500円
どんどこ森 大人1000円、4歳~小学生500円
特にオープン当初は購入希望が多く、3エリアのチケットを同日に取れないことも考えられます。そんな時もジブリパークの満足度を十分に高める方法が、“ジブリパーク以外”の公園施設を楽しむこと。冒頭にも述べた通り、ジブリパークは愛・地球博記念公園内のいわば“パークinパーク”。愛・地球博記念公園を楽しむことで、より充実した時間を過ごすことができるのです。
![四季を通して様々な花が咲き誇る。広大な芝生広場でのんびり過ごす利用者も多い。ジブリパークのチケットがなくても地球屋の外観などは見られるので、ジブリパークの雰囲気を感じることができる](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665597622635.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
子ども連れなら「愛知県児童総合センター」や、自然体感遊具のある「こどものひろば」で思い切り体を動かして遊ぶことができ、大観覧車では自然豊かな公園と周辺の眺望を楽しめます。「愛・地球博記念館」は2005年の愛知万博で訪れた人なら懐かしさを感じられること間違いなし。世界各国の文化を展示する民俗資料館的な面白さもあります。アクティブ派ならアイススケート場やサイクリングコースも。広大で自然豊かな園内では、グルメなどのイベントが開かれることもあり、ジブリパーク以外のお楽しみも豊富なのです。
![「愛知県児童総合センター」は空中回廊など子どもたちが元気に遊び回れる遊具、設備がいっぱい。ワークショップなどのプログラムもある。入館料300円、中学生以下無料](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665596807223.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![「こどもひろば」の自然体感遊具は森の中で遊ぶフィールドアスレチック。水遊びできる場所もあり夏は子どもたちの元気な声が響き渡る](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665596995755.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![東海地方最大級、高さ88mの「大観覧車」。愛・地球博記念公園や周辺エリアを一望できる。1人600円(3歳以下無料)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665597397120.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![「愛・地球博記念館」。民俗資料館のように展示品が充実。入館無料](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665621719437.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![「ジブリの大倉庫」の横には「アイススケート場」が。アイスショーも開催される本格的な施設で、トップスケーターを目指す上級者の滑りを見られることも。大人1470円、3歳以上中学生以下840円](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665621520544.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![ジブリパーク開園に合わせて、玄関口の公園北口に新設された物販・飲食施設「ロタンダ風ヶ丘」。物販スペースではジブリグッズも販売する](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/otaketoshiyuki/00319290/image-1665621600710.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
ジブリパークは確かに魅力いっぱい。しかし、せっかく広大で内容充実の公園内にあるのですから、周辺も合わせて一日たっぷり楽しむことをお勧めします。「ジブリパークを楽しむ」ためには「ジブリパーク以外も楽しむ」。そうすることで「また来たい!」という次回への期待もいっそう膨らむはずです。
(写真撮影/すべて筆者)