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Androidスマホで「au PAYのSuica」始まる。メリットは?

山口健太ITジャーナリスト
au PAYがSuicaとの連携を開始(筆者撮影)

3月22日、Android版の「au PAY」アプリにおいてモバイルSuicaとの連携が始まりました。すでにAndroidスマホでモバイルSuicaを使っている人にとって、au PAYと連携させるメリットはあるのでしょうか。

今回の連携により、Android版のau PAYアプリからSuicaの「新規発行」や「チャージ」などの機能を利用できるようになりました。新しいSuicaを発行するだけでなく、これまで使っていたモバイルSuicaを連携させることも可能です。

実際に連携させてみると、au PAYアプリにSuica残高が表示されます。このSuicaの実体はおサイフケータイに登録されたモバイルSuicaと同じものであり、基本的な使い勝手自体に変化はなさそうです。

au PAY残高からSuicaチャージが可能に。ポイント還元も(アプリ画面より筆者作成)
au PAY残高からSuicaチャージが可能に。ポイント還元も(アプリ画面より筆者作成)

では連携のメリットはどこにあるかというと、ユーザーにとっては「au PAY残高」からSuicaにチャージできるようになります。ポイント還元もあり、200円ごとに1ポイントのPontaポイントが付与されます。

一般的にSuicaへのチャージはポイント付与の対象外としている決済手段は多く、たとえばクレジットカードの「au PAYカード」からSuicaへのチャージもポイント対象外です。そういう意味では貴重な選択肢が増えたといえるでしょう。

似たようなサービスとしては、2020年5月に始まった「楽天ペイのSuica」が先行しています。事業者側のメリットとしてはSuicaのデータを利用できるという点がありそうです。3月22日に更新されたSuicaの利用規約では、データを共同利用する企業としてKDDIの名前が加わっています。

スマホ決済であるau PAYにとって、Suicaのような交通系ICカードはライバルともいえる存在です。ただ実際には、電車の自動改札や駅周辺での買い物ならSuica、中小の事業者や店舗はau PAYなど、両者は棲み分ける傾向にあります。

それぞれに強みが異なるのであれば、競争するよりも連携したほうが得策と考えられます。au PAYはこうした連携から利益につなげていく代わりに、チャージに対してポイント還元をしていると考えられます。

iOSへの対応は未定

楽天ペイのSuicaと同様に、au PAYのSuicaも現時点ではAndroidのみの対応にとどまっています。KDDIによれば「iOSへの対応は未定」としています。

iOSの場合、Apple Payに設定した「au PAYプリペイドカード」を使うことで、au PAY残高からSuicaにチャージすることはできます。この場合、ポイント付与は対象外となっています。

ただ、au PAYプリペイドカードで「Revolut」や「MIXI M」にチャージし、そこからSuicaにチャージすることで、200円ごとに0.5ポイントのPontaポイントを間接的に得ることは可能です。これはau PAYのSuicaとはまったく別の仕組みです。

(RevolutをiOSのSuicaアプリに登録する際には挙動が怪しく、ややコツがいるようですが、原稿執筆時点では問題なくチャージ可能でした)

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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