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イ・ボミの結婚報道に触れ思うこと。ズレた発表のタイミング

金明昱スポーツライター
12月に俳優イ・ワン氏と結婚することが決まったイ・ボミ(筆者撮影)

 プロゴルファーのイ・ボミと韓国の俳優、イ・ワン氏との交際報道が表に出たのは去年の11月末のこと。

 その後の12月のオフシーズン、都内でインタビューを受けてくれたイ・ボミは、こんなことを話していた。

「正直、オッパ(韓国語で『年上のお兄さん』の意味)がいたから、今シーズンを耐えられた部分もあります。今年は結果が出なくて、ゴルフをやめたいと思ったときもあったのですが、ダメなときほど『それでもよくがんばっている』と精神面で支えてくれていました。結果を残せないと、イライラするときもありますよね。そのたびに『ほかの選手たちは優勝できるか、できないかの中でがんばっているのに、欲深すぎるんじゃないのか』って。今の自分のプレーにベストを尽くすだけでも、がんばっていることになるんじゃないかと諭されます。確かにそういう一面はあるなと……」

参照:【イ・ボミ独占告白】初めて味わった挫折、復活に向けて支えてくれた交際相手のこと…

 交際報道が公になると、何も包み隠すことなく、むしろパートナーがいたからこそ、精神的に支えられて、辛い時期を乗り越えられたと正直に話してくれた。

 のろけて話すその表情がとても印象的だった。

 そしてイ・ボミが12月に結婚するというニュースが先月、韓国メディアの情報から飛び込んできた。

 韓国では「すっぱ抜いた!」とばかりに、センセーショナルに報じられていたが、イ・ボミの年齢のことも考えるとある意味、結婚は時間の問題だった。

 今年に入って、その話題について何度か聞いてみたこともあったが「まだ結婚のことは話したりしてないんですよー(笑)」とうまく交わされてばかり。もちろんその時も、イ・ボミはうれしそうに話していたのだが……。

 そこで分かったのは、結婚はほぼ決まっているけれども、発表のタイミングをどこでするのか――。ただ、それだけだったと思う。

 それに今年2月、韓国でイ・ボミの母・ファジャさんに会ったときは「(ボミの結婚は)早くて今年の12月かな?」と、とてもうれしそうに話していた。

 イ・ボミ本人や母からも、交際が順調であること、両家ともに良好な関係で、家族ぐるみでゴルフに行くことも話してくれていた。

 日本ツアーデビューを果たした2011年からこれまで長らくイ・ボミを追ってきた立場からしても、最後はめでたくゴールインしてもらえれば、これほどめでたいことはない。

結婚後も日本ツアーに出る意向

 そして今週開催される日本女子オープンに姿を現したイ・ボミは、当然メディアから質問攻めにあった。

 シーズン中にこうした話題で注目され、「みんなに祝福されてうれしい」と笑顔を見せるが、一方で、多少の戸惑いもあるに違いなかった。

「シーズンが終わってからの発表にしたかった」と話しているのは、彼女の本音だと思う。

 それはイ・ボミがプロゴルファーである以上、いい結果でシーズンを終えてから、次に進みたいという思いがあるからにほかならない。

 2018年は優勝がなく、賞金ランキングも83位と自身ワーストと辛い時期を過ごしてきた。

 だが、今年は調子が徐々に上向き、トップ10入りが4回。獲得賞金も2000万円を超えて賞金ランキングは44位。シード獲得は見えてきたが、まだ予断は許さない状況で正念場を迎えている。

 シード獲得を目指すということは、結婚後も日本ツアーに出場するということ。まだまだ体が動く以上は、日本でゴルフを続けていく覚悟はある。

 そのためにもイ・ボミの心境としては、納得のいく結果でシーズンを締めくくりたいところだ。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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