教員が児童買春の疑いで逮捕された有名私立高校、じつは校長もセクハラ疑惑の渦中
千葉県の私立・市原中央高校の教員が11月16日、児童売春・ポルノ禁止法違反(買春)の疑いで千葉県警察茂原署に逮捕された。茂原署によれば、教員は容疑を認めているという。とんでもないことだが、じつは、同校の校長もセクハラ疑惑のまっただなかにいる。
|校長が問題になっている学校
茂原署に教員が逮捕された16日、市原中央高校の日髙学校長は生徒・保護者に宛ててメッセージを送っている。そこには「詳細については情報が入っていないところですが」としながらも、「決してあってはならぬこの事態を厳粛に受け止め、厳正に対処してまいりたいと考えます」と記されている。そして、「誠に申し訳ございません。深くお詫び申し上げます」と締めくくっている。
このメッセージを送った日髙校長だが、いまセクハラ疑惑がもたれている当人でもある。そのセクハラ疑惑を、「千葉難関高校長の女性徒とセクハラ疑惑で教師が決起」の見出しで報じたのは『週刊文春』(9月29日号)だった。
同記事によれば、セクハラ疑惑がもちあがったのは今年3月のことだったという。市原中央高校で行われた学校生活に関するアンケートに、2年生の女子生徒が「『セクハラ』と思われる言動を先生から受けたことがある」という質問に「ある」と答えた。
さらに彼女は別紙で、受けたハラスメントの内容を申告している。その申告内容を、『週刊文春』は以下のように引用している。
<令和3年10月~11月頃、校内見学会の配付資料作成にあたって、廊下で先生数人、生徒複数人で作業していた時にいきなり近づいてきて、背後から耳元で何か呟いた。私はいきなりの出来事に驚いて、「うわあ!」と声をあげてしまった>
呟きは、これだけではない。さらに『文春』は、女子生徒がセクハラを訴えた以下の文章も引用している。
<ほとんど人のいない放送室の中で校長先生が私に近寄ってきて、ニヤつきながら「背低めだね、ちょうどうちの奧さんと同じくらいの高さだよ~」と言った>
この〝呟き教員〟は、女子生徒の文章のなかにもあるように同校の日髙校長なのだ。これを問題視した同校の教員有志が、学校側に調査を求めた。それに市原中央高校を設置する学校法人・君津学園は、調査を開始する姿勢をみせるが、調査メンバーが学園関係者ばかり、つまり「身内の調査」でしかなかった。公平な調査になるのか疑問の声がでると、学園側は10月1日付で「身内」がかかわらない第三者委員会に調査を一任することを、生徒と保護者に連絡している。
|調査結果は、いつになる?
しかし、それから1ヶ月以上が経っても第三者委員会からの調査結果はあがってきていない。11月10日なって市原中央高校は、再び生徒・保護者に連絡している。そこには、「現段階では、第三者委員会による調査結果は出ておらず、本生徒及び保護者をはじめとした皆様に調査結果に関するご報告が可能な段階に至っておりません。学園としては、第三者委員会からの調査結果を受けて、皆様にご報告申し上げますので、今しばらくお待ちください」とある。
第三者委員会の調査結果の提出をいつくらいに予定しているのか、それさえ書かれていない。それを確認しようと筆者が市原中央高校に電話してみると、でてきた教頭は「部外者に何も話すことはありません」と取り付く島もない。
当人である日髙校長は、どうしているのか。学園関係者に訊いてみると次のように語ってくれた。
「『文春』の記事がでた翌日からも、そして現在も、何事もなかったような顔で学校に来ています。反省も何もない態度に、学校関係者はあきれています」
そして、児童買春容疑で同校の教員が逮捕されるという事態が起きた。冒頭で紹介したように、それに日髙校長は「決してあってはならぬこの事態を厳粛に受け止め、厳正に対処してまいりたいと考えます」と生徒・保護者にメッセージを送っている。
自らの疑惑には知らぬ顔をとおしながら、逮捕された教員に対しては「厳正に対処します」という。日髙校長のメッセージは、生徒や保護者の目には白々しく映ったのではないだろうか。
児童買春容疑の教員、セクハラ疑惑がもたれても釈明もしない校長、実態解明を急がない学校、すべての教員や学校の問題とまではいわないが、市原中央高校だけの問題と片付けられないのも現実のような気もする。学校が問われている。