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ザッケローニ、手本にすべきは4年前の岡田サン 63人プラスアルファをどう起用するか

杉山茂樹スポーツライター

前回南アW杯。日本はその初戦で、カメルーンに1対0の勝利を飾った。本田圭佑の決勝ゴールで。

右サイドから松井のセンタリングが送られたとき、カメルーンのディフェンダーは、本田のポジションを把握していなかった。ボールの出所と、本田というマークすべき選手を、同時に視界に捉えることができていなかった。ボールウォッチャーになってしまったわけだが、もっといえば、本田の存在を認識していなかったと言うべきかもしれない。中央で構えているべきセンターフォワードが誰なのか、つかみ切れていなかったと思われる。

そもそもカメルーンが、日本の布陣を正確に理解しているようには見えなかった。本田をセンターフォワードに据えた0トップと言うべき4−3−3を。

日本人でさえ驚いたのだから、それは無理からぬ話だ。

「本田の0トップ」を見たのはその時が初めて。正確には、大会直前に行われたジンバブエとのスパーリングマッチ(45分×3本)で、45分だけ試されたという話だが、岡田監督は、味方をも欺く作戦でカメルーン戦に臨んだ。思い切りヨイショすれば、そうした言い方ができる。

チーム強化の本筋から外れた一か八かの作戦。それが奏功し、本田の決勝ゴールが生まれた。懐かしい話だが、これはザックジャパンも見習うべき作戦なのかもしれない。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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