【インタビュー後編】2018年4月来日。プードルズの日本への想い & More
2018年4月に初のジャパン・ツアーが決定したスウェーデンのハード・ロック・バンド、プードルズへのインタビュー全2回の後編をお届けする。
前編記事ではシンガーのヤコブ・サミュエルにプードルズ初のカヴァー・アルバム『プリズマ』について語ってもらったが、この後編記事では日本公演への展望、そしてファン向けのちょっとしたトリビアを訊いてみた。
俺たちはライヴで手抜きする方法を知らない。100%本気でしかプレイ出来ないんだ
●2018年4月に日本公演が行われますが、これまでプードルズのメンバーで日本を訪れたことがある人はいますか?
俺もクリスチャン(ルドクヴィスト/ドラムス)も日本に行くのは初めてなんだ。バンドに加入して1年になるジャメイン(レス/ベース)はアルゼンチン出身でワールドワイドな活動をしているけど、まだ行ったことがないはずだよ。日本に行ったことがあるのはヘンリック(ベルクヴィスト/ギター)だけなんだ。彼は昔フォーチュンというバンドにいて、グレン・ヒューズのオープニング・アクトとして来日したんだよ(1994年5月)。彼はとても素晴らしい経験だったと言っていたけど、残念なことに今回のツアーには参加できないんだ。彼はプードルズのロック・スターと同時に、大学の言語学のロック・スターでもあるからね(笑)。ジャパン・ツアーにはデンジャー・デンジャーのロブ・マルセロが同行することになる。ヘンリックは2019年になったらバンドに戻ってくるから、次回は一緒に連れていくよ!
●バンドのウェブサイトに“ヘンリックはメキシコの熱帯雨林に行く”とあったのはジョークではないのですね?
本当なんだよ(笑)。ヘンリックは忙しいんだ。実は2006年、初めて彼をプードルズに誘ったときも断られたんだよ。電話したらロンドンのヒースロー空港にいて、「今からメキシコに行くからバンドに入れないんだ。ゴメンね」と言われた。次に声をかけたのは2008年で、そのときにはスウェーデンに戻っていたから、加入してくれることになった。
●デンジャー・デンジャーのロブ・マルセロがツアーに参加することになったのは、どんないきさつがあったのですか?
ロブとはこれまで親しかったわけではないんだ。凄いギタリストだということは知っていたけどね。彼がスウェーデン出身で、故郷に戻ってきていて、しかもプードルズの音楽を好きだという、すべてがピッタリはまった。俺が彼と知り合ったのはイギリスの“ファイアフェスト”で、すぐに友達になったよ。「いつか何か一緒にやろう」ということになったんだ。もちろんプードルズのギタリストはヘンリックだし、いずれ何らかの形で曲を一緒に書けたら面白いと思っていた。まさかプードルズで一緒にやるとは思っていなかったよ。2018年3月16日からヨーロッパで本格的にツアーを始めるから、すごく楽しみにしているんだ。
●日本でのライヴで『プリズマ』からの曲を聴きたいのはもちろんですが、これが初来日ということもあり、プードルズ・クラシックスもたっぷり聴きたいです!
そうなんだよなぁ、実は俺たちも悩んでいるんだ!長いショーになると思うよ。今回が初めてだし、あの曲もこの曲も演りたい。それに日本のファンが聴きたい曲がたくさんあるだろうからね。日本のファンの意見を聞きたくて、Facebookでリクエストを受け付けていたんだ(既に終了)。それも参考にするし、何曲かサプライズもプレイしたい。ヨーロッパ・ツアーとはセットリストを大幅に見直すつもりだ。みんなの聴きたい曲がプレイされるか、楽しみにして欲しいね。
●プードルズのショーはどんなものなのか、日本のファンに教えて下さい。
とにかくバンド全員、ライヴでプレイするのが大好きなんだ。カラフルで表現力のある演奏で、正統派のロックの楽しさがすべてある。エネルギーに満ちたショーだよ。俺たちはライヴで手抜きする方法を知らない。100%、全力でプレイすることしか知らないんだ。俺たちのアルバムを聴いた人がライヴを見に来ると、「ライヴの方がずっと良い!」と言ってくれる。アコースティックのセクションも中盤にあるし、一緒に歌えるよ。フル・インパクトのエキサイティングなショーだ。
●日本でしたいことはありますか?
出来れば追加で何日か滞在して、日本のいろんな場所を見たいね。日本には長い歴史と文化があるし、すごく興味があるんだ。もちろんスケジュールが取れれば...だけど、東京、大阪に加えて、京都にも行ってみたい。
●ちょうど桜のシーズンで、日本に来るにはベストな季節かも知れませんね。
それはファンタスティックだ。日本に行くのがさらに楽しみになったよ!
映画に出て、演技するのも非常に興味があるよ
●ところでプードルズは「セヴン・シーズ」(2007)ミュージック・ビデオで俳優のピーター・ストーメアと共演しましたが、それはどんな経験でしたか?
楽しかったね!ピーターは最高の人だったし、「セヴン・シーズ」を気に入ってくれた。彼はすごく忙しい人で、アメリカから帰ってきたその日にミュージック・ビデオに出てくれて、その後一緒にテレビ番組に出演した後、彼はスウェーデン北部で撮影だといって去っていった。俺たちもショーがあったし、本当に一瞬の出会いだったよ。彼が出演した映画では『ファーゴ』、TVシリーズでは『プリズン・ブレイク』が大好きなんだ。実は俺はあまり暴力的な映画は好きではなくて、ピーターは暴力的な映画にたくさん出演しているから、見ていない作品もかなりあると思う。
●ピーターが出演している映画『スパン/SPUN』の監督はスウェーデン出身で元バソリーという経歴を持つヨナス・アカーランドですが、彼とは面識がありますか?
ヨナスとはたまに顔を合わせるよ。彼は毎年夏になるとストックホルムにいるんだ。共通の友人もいるし、ビールで乾杯したりする。一番最近会ったのは数年前、ホワイトスネイクのショーだったかな?キング・ダイアモンドだったかも知れない。俺は決してキング・ダイアモンドの大ファンというわけではないけど、ポンタス・エグベリは今では彼のバンドにいるし、応援しているよ。
●プードルズも『メタル・ウォリアー』(2011)という映画に出演したそうですが、どんな映画なのでしょうか?
『メタル・ウォリアー』はオーストラリアの映画で、俺たちの曲が使われていたんだ。もしかしたらミュージック・ビデオやライヴの一部が使われているかも知れないけど、演技とかはしていないよ。監督のスティーヴ・ラディッツという人がプードルズのライヴCD/DVD『No Quarter and In The Flesh』も手がけた関係で、声をかけられたんだ。とても才能があって、「アイ・ルール・ザ・ナイト」「カッツ・ライク・ア・ナイフ」ビデオも監督してくれた。今回も彼はバンドと一緒に日本に来て、滞在中の模様を撮影することになっているんだ。いずれ映画に出て、演技するのも面白そうだね。非常に興味があるよ。
●スウェーデンのハード・ロック・バンドではイージー・アクションが『血のロックンロール/Blood Tracks』(1985)に出演していましたが、あんな感じで如何でしょうか?
あはは、『血のロックンロール』はビデオでちょっと見たことがあるよ。居間でソファに落ち着いて見たわけじゃないけど、チープなロックンロール・ホラー・ムービーという感じで面白そうだと思った。キー・マーセロ(後にヨーロッパ)やジニー・J・ザン(後にショットガン・メサイア)とは友達なんだ。
●映画の中でキー・マーセロが首を斬られて殺害されますが...。
うわあ、その役はやりたくないな(苦笑)。
●そういえばプードルズの2015年、ドイツ“ヴァッケン・オープン・エア”フェスでのライヴ映像を見ていたら、あなたがデニムのベストにゲイリー・ムーアのパッチを縫い付けているのに気づきました。ゲイリーの音楽は好きだったのですか?
あのベストは十代の頃から着ているんだ。ゲイリー・ムーアは『コリドーズ・オブ・パワー』(1982)から『ワイルド・フロンティア』(1987)まで大ファンだった。もちろんシン・リジィ時代の彼も好きだし、「パリの散歩道」も素晴らしい。あのパッチは確か誰かからもらったものだった。
●おそらく1984年に発売された「シェイプス・オブ・シングス」UK盤7インチ・シングルのおまけパッチだと思います。
それはレアだね。大事にするよ!そうそう、あのベストの背中、アイアン・メイデンの下に、トーテムのパッチが縫ってあるんだよ。トーテムはキング・ダイアモンドとやっているギタリストのピート・ブラックと俺が一緒にやっていたバンドなんだ。オジー・オズボーンとキング・ダイアモンドとクラシック・ハード・ロックを合体させたような良いバンドだったけど、アルバムを作るには至らなかった、“幻のバンド”なんだ(苦笑)。あのライヴ映像を見るときには、ぜひ注意して見て欲しいね!
【THE POODLES Japan Tour 2018 〜 Melodic Power Metal Night Vol.23 〜 】
- 4月4日(水)渋谷クラブクアトロ 開場18:00/開演19:00
問い合わせ: M&Iカンパニー 03-5453-8899
- 4月5日(木)梅田クラブクアトロ 開場18:00/開演19:00
問い合わせ: 梅田クラブクアトロ 06-6311-8111
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