「採用ブランディング」と「採用媒体選定」のポイント
飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表コンサルタントの三ツ井創太郎です。
前回のコラムでは、飲食業界人材不足の本当に理由についてお話をさせて頂きました。
今回のコラムでは、人材不足時代にやるべき2つのことのうちの1つ目、採用力の強化についてお話をさせて頂きます。
なお、今回の内容はYouTubeチャンネルでも解説していますので、よろしければ下記よりご覧ください。
(筆者作成)
人材不足時代にやるべき2つのこと ①採用力の強化
前回のブログでお話した飲食業界を取り巻く「超人材不足」という状況に加え、今後人口減少が加速していく日本において、飲食業として生き残るためにやるべきことは2つです。
1つは「採用力」を強化すること、もう1つは「定着力」を強化することです。まずは「採用力」から解説していきましょう。
採用ブランディングを高める
採用力を高めていくためには、競合の求人との差別化要素を高めていくことが重要です。差別化要素を高めるためにやるべきことの1つめは、採用ブランディングです。採用ブランディングとは、「ここで働きたい」と思ってもらえる人を増やす活動です。具体的には次の手順で行います。
ステップ1:採用ターゲットを明確にする
自社で採用したいターゲットが20代のアルバイトなのか、それとも家族を持っている40代の男性中途社員なのかによってPRするべき内容は変わります。
ステップ2:採用ターゲットに対して、自社の強みをPRする方法を決める
例えば20代のアルバイトスタッフ採用であれば、instagramを活用した採用ブランディングなども有効です。最近では採用に特化したホームページ、採用に特化した動画やパンフレット等(これらを総称して「採用ツール」という)を活用して、自社の魅力を伝える企業も増えてきました。競合他社に負けないためには、自社の魅力=強みの棚卸しを行ったうえで、その強みを伝えていく活動=採用ブランディングが重要です。
採用媒体を最適化する
2つめは、採用媒体(選定・費用)の最適化です。
具体的には、自社の業種特性などを踏まえたうえで、採用媒体を選定し、掲載開始後も採用媒体ごとの採用単価等を分析し、採用コストの最適化を図ることです。
なお、マイナビが行っている「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」において、人事担当者にヒアリングを行った「実際に効果が出た媒体(サービス)」の割合は、1位が転職サイトで39.9%、2位が人材紹介の34.1%、3位が求人検索エンジンの33.2%でした。ちなみに求人検索エンジンとは、求人情報だけを集めた検索エンジンであり、有名なものとしてindeedなどがあります。
一方で、2021年と比べて効果が高まっているものとして「アルムナイ採用」や「SNS採用」があります。
「アルムナイ採用」に関して、あまり聞きなれない方が多いと思いますが、これは過去に退職したスタッフに声をかけて再び採用する手法です。アルムナイとは英語で「卒業生」「同窓生」といった意味です。実際に当社の支援先では、コロナ禍やそれ以前に退職してしまったアルバイトや社員の方に声をかけ、戻ってきてくれた事例も数多くあります。
「一度は飲食業界を離れて違う職種に就いたけれど、やはり長年働いた飲食業界がいい」と思っている方や、「結婚で退職したが、子育てがひと段落したので、また働きたい」という人も少なくありません。こうしたいわゆる「カムバックスタッフ」が会社に戻ってきやすいよう、カムバック採用に特化した採用ホームページを設ける飲食企業も徐々に増えてきています。
また、SNS採用に関しても以前より増加してきています。支援先では、instagramの広告機能を活用し、自店舗エリア周辺の採用ターゲット層に対して直接、求人広告を表示させる手法で、多くのアルバイトスタッフの採用に成功した事例もあります。
今までの採用手法だけにとらわれず、新たな採用手法にチャンレジしていくこともぜひ検討してみて下さい。
最後までお読み頂きありがとうございました。
(筆者作成)
<筆者プロフィール>
飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント
代表取締役 三ツ井創太郎