主な新興国/米国経済ニュース(26日)
米ネットフリックス、2017年までにロシア市場への進出目指す―幹部
米オンラインDVDレンタル・映像ストリーミング大手ネットフリックス<NFLX>のヨリス・エバース副社長(欧州広報担当)は23日、ロシアのオンラインニュースメディア「ガゼッタ(Gazeta.Ru)」に対し、西側による対露経済制裁が継続しているにもかかわらず、2017年までにロシア市場への進出を目指す方針を明らかにした。スプートニク(旧ノーボスチ通信)が伝えた。
同副社長は、「ロシア市場は世界最大級の市場で、当社にとって特別な市場だ。まだ、ロシアには進出していないが、これは西側の対露制裁や政治とは関係なく、当社の事業戦略によるものだ。しかし、2年以内にロシアで事業を展開しているだろう」と述べている。
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米メーシーズ、売り上げ拡大目指し今年の設備投資を120億円増額へ
米百貨店大手メーシーズ<M>は24日、2011年以降4年連続の売り上げ低迷から脱却するため、今年の設備投資を1億ドル(約120億円)増額して、バーゲン品販売など消費者のニーズに合った新コンセプトの店舗開発や既存店舗の統廃合、オンライン販売や傘下の百貨店ブルーミンデールを含めた海外店舗網の拡大に取り組む方針を明らかにした。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチなどが伝えた。
メーシーズのジェフリー・ジェネッテCEO(最高経営責任者)は、この成長戦略ための設備投資の拡大の効果は2-3年後に現れるとしている。メーシーズでは今年、成長戦略プロジェクトに12億ドル(約1430億円)の投資を計画しているが、これらの資金の一部は今年から全米で実施する2000人以上のレイオフ(一時帰休)で賄われる予定。レイオフによって年間1億4000万ドル(約170億円)の資金が浮く計算だ。
同社が24日に発表した2014年通期(1-12月期)決算では、売上高は既存店ベースで前年比0.7%増と、4年ぶりの低い伸びとなり、2011年以降毎年、低成長が続いている。今年の業績見通しも売上高は同2%増で、アナリスト予想と一致したものの、純利益は1株当たり4.7-4.8ドルと、アナリスト予想の4.84ドルを下回っている。
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米ムーディーズ、ロシアの大手7行と15都市・共和国を格下げ
米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは24日、ロシア経済が2015年からリセッション(景気失速)に陥るとして、長期と短期のソブリン債の格付けをジャンク級の「Ba1/NP」へ引き下げたのに伴い、ロシア連邦貯蓄銀行(ズベルバンク)を始め、国営金融大手VTB(対外貿易銀行)など大手7行の債務と預金、発行体の格付けを引き下げたことを明らかにした。
他に格下げとなった大手行は、国営天然ガス大手ガスプロム傘下のガスプロムバンク、ロシア農業銀行、ロシア住宅信用担保機構(AHML)、ロシア開発対外経済銀行(VEB)、アルファ銀行で、特に、無担保優先債と劣後債の格付け、預金格付け、発行体格付けを引き下げたとしている。
また、ムーディーズはロシアのソブリン債の格下げを理由に、首都モスクワやサンクトペテルブルクなど主要4都市とバシコルトスタンやタタールスタンなど11地域の自治共和国、さらにサンクトペテルブルクのヴォドカナル・ファイナンスなど3つの政府機関の格付けも1段階引き下げた。ちなみにモスクワとサンクトペテルブルクの発行体格付けと無担保優先債格付けをいずれもソブリン債と同様に「Baa3」からジャンク級の「Ba1」へ引き下げられている。
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タイ小売り大手セントラル、今年は1400億円投じアジア周辺国にも進出へ
タイ小売り大手セントラル・グループは23日、今年だけで370億バーツ(約1400億円)を投じ、タイ国内と東南アジア周辺国にて新しいショッピンセンターを建設するほか、M&A(企業の買収・合併)も活発に進める方針を明らかにした。ベトナム紙タンニェン(電子版)などが24日に伝えた。
これは同社のトス・ジラティワットCEO(最高経営責任者)が23日に開いた記者会見で明らかにしたもので、事業拡大によって、今年の売り上げ規模を前年比15%増の2870億バーツ(約1兆0500億円)に引き上げたいとしている。ちなみに、2014年の売上高の伸びは6.6%増だったが、これを2倍以上に加速させることになる。
同グループは海外進出を強化したい考えで、進出先としては購買力が強い中間所得層が急増しているベトナムやインドネシア、マレーシア、ラオスなどの東南アジア周辺国を考えている。ジラティワットCEOは「今年は、400億バーツ(約1500億円)まで投資を拡大する可能性がある。この8割は6カ所のショッピングセンターの建設やM&Aに使われ、残り2割は既存店舗のリフォームなどに使われる」としている。
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インドネシアのリッポー、電子コマースサイト「マタハリモール」を立ち上げ
インドネシアの華人財閥リッポー・グループは25日、ジャカルタで会見し、中国のインターネット大手アリババのオンラインショッピングサイトに匹敵する電子コマースサイト「マタハリモール(MatahariMall.com)」を新規に立ち上げたことを明らかにした。ジャカルタ・グローブ(電子版)が伝えた。
ただ、同サイトが実際に一般消費者向けにオープンするのは3月からとなるが、リッポー・グループでは今後2-3年間でマタハリモールをインドネシア最大のオンラインショッピングサイトにしたい考えだ。リッポー・グループのジョン・リアディ取締役は会見で、「1年半から2年後にはマタハリモールの売り上げを10億ドル(約1200億円)に引き上げたい」と述べている。また、「今後5年以内にはリッポー・グループの小売り部門の売上高を250億ドル(約3兆円)の達成を目指し、この売り上げの2割をマタハリモールで上げたい」としている。
マタハリモールはインドネシア百貨店チェーン大手マタハリ・デパートメントストアとハイパーマーケット(郊外型の大型スーパー)チェーン大手ハイパーマートがパートナー企業として参加する。(了)