【東京都台東区】アキバからフィンランド流「幸福」をお届け!癒し系カフェ「KIELO COFFEE」
言わずと知れたオタク文化&最新ガジェットの聖地、秋葉原(アキバ)。所在地は千代田区の北東端ですが、上野・御徒町エリアからも比較的行きやすい位置にあり、台東区民にとっても馴染み深い街です。
そのアキバから程近い台東区台東の首都高沿いに立つのが、今回紹介するカフェ「KIELO COFFEE」。店名のKIELO(キエロ)とは、フィンランド語でスズランを意味します。
フィンランド風の穏やかな内装、アキバの近隣らしい独特なこだわり、爽やかなコーヒーとスイーツ、そしてお店の方々の笑顔が程よく混ざり合い、満足感といっしょに「自分にとっての癒しって何だろう?」と考えさせてくれるような、素敵なお店でした。
◆フィンランド流の「幸福」を日本に届ける穏やか&和やかな店内
「KIELO COFFEE」は2019年5月に開業。店舗代表の方が学生時代にフィンランドで体験した「幸福度の高い生活」を、私たち日本人に届けることを目指しています。
北欧におけるコーヒーブレイクの心地よさを取り入れつつ、それにより日本社会や世相に染み付いた「孤独」を解決することを追求しているそうです。
このお店を訪れたのは、蒸し蒸しと暑い日の午後3時。白と木目の北欧家具テイストな店内が、日射や暑さの厳しさを忘れさせてくれそうです。
店内にはカウンター4席と2人テーブル席が3つ、さらにレジ前にはテーブルなしのベンチ席もあり、コンパクトで可愛い印象。カウンター席には電源ポートも備えられています。
スローで穏やかなBGMと、外から聞こえる車音の慌ただしさが絶妙に混ざり合い、都会の喧騒と静寂が交差する不思議な雰囲気を作り出しているように感じました。
そこにお店の方々の柔らかな笑顔と、丁寧なご案内やサービスが華を添えます。荷物を入れるカゴを持ってきてくれたり、コーヒーの飲み方を教えてくれたり。初めてのお客様も安心です。
◆環境にも舌にも優しい、こだわりのコーヒー&スイーツ
「KIELO COFFEE」のメニューはコーヒー・ドリンクがバラエティ豊かで、一方スイーツの種類はシンプルにまとまっています。
ここで飲める浅煎りコーヒーは様々な国から豆を仕入れており、この様々なフレーバーや味わい深さも魅力。サステナビリティや環境性もしっかり考慮されているそうです。
コーヒー豆の店頭&オンライン販売もしており、スイーツのテイクアウトも可能です。
今回はホットのハンドドリップコーヒー(600円)とヴィーガンバナナブレッド(450円)を注文しました。
コーヒーが運ばれてきた時、取っ手がない白いカップに入ったコーヒーと、ビーカー入りコーヒーの2杯が同時に来てビックリ。今回オーダーした豆はエチオピア産で、グレープフルーツなど柑橘系に通じる優しい酸味が印象的でした。
それぞれのコーヒーの風味をパラメーターで解説するカードも付いているため、他の種類も頼んでコンプリートしたくなります。2種の器でコーヒーが供されるスタイルも含めて、こうした独自性や完成の鋭さは「アキバ」に通じる所があるかも?
白いカップのコーヒーを飲み終わったらビーカーから継ぎ足し、温度と味の変化を楽しむことができます。
ヴィーガンバナナブレッドはクルミ入りでかなり大ぶりでした。バナナの味や香りが目立ちすぎず、コーヒーの苦味や酸味に寄り添った味わいが魅力的。食べ進めると、バナナの風味とコーヒーが絶妙に絡み合い、ヴィーガン志向の有無に関わらず、心地よいひとときを過ごすことができます。
◆幸せと癒やしに最大限こだわった、心が安らぐお店
「KIELO COFFEE」はただコーヒーを楽しむだけでなく、時間を忘れてゆったりできる場所です。軽くコーヒーを口に含みつつ、何もせずにゆったりと過ごしていると、日々の忙しさから解放され、心が自然と落ち着きます。もちろん、読書やノマドワークにも最適な環境が整っているので、店内時間の過ごし方は様々。
そして、お店の方々のとても気さくで朗らかな人柄も、この幸せな空間を作るうえで大事な要素。コーヒーはもちろん、お店の方々と軽くお話がしたくて来店される人も多いのではないでしょうか。
コーヒーを味わった後の感動も、また特筆すべき点でしょう。口の中で香り高いコーヒーを満喫した後、鼻の空気がスッと通りやすくなったことに驚きました。これは例えるなら、銭湯やサウナで最近流行の「ととのう」と似たような感覚です。
このお店はフィンランド文化がベースになっていますが、フィンランドも日本と同様にサウナが有名。また、このお店に程近いアキバの街並みが、日本のサブカルチャーに「幸福」や「癒し」を見出す外国人観光客を世界中から引き寄せていることも思い起こされます。
「幸福」「癒し」にまつわる文化や感性は、遠く離れた国同士であっても、どこか深い所で繋がっているのかもしれないな…と、このお店を後にしてから考えさせられました。