火星を地球に作り変える「テラフォーミング」地球滅亡の日までに私たち人類は火星へ移住できるのか
約50億年後、地球は膨張した太陽に飲み込まれると考えられています。私たち人類は、それまでの間に火星への移住を本気で考える必要があるかもしれません。本記事では、火星を地球のような環境に作り変えてしまう「テラフォーミング計画」をご紹介します。
■火星を地球に作り変える「テラフォーミング計画」
テラフォーミングとは、太陽系の天体を改造して人類が居住できる環境に作り変えてしまう「惑星地球化計画」のことです。火星は地球に環境が似ていることから、テラフォーミングの最有力候補と考えられています。火星の1日は24時間36分。更に地軸の傾きも地球とほぼ同じなため、季節も存在しておりとても地球に似ている惑星なのです。
しかし、問題の一つは火星の気温です。火星は温室化効果を生み出す大気中の炭素成分の多くが宇宙空間に逃げ出してしまい、現在では寒冷な世界になっています。特に太陽系誕生直後には、太陽が現在よりも激しく活動していたため、非常に強い太陽風が惑星に到達していて、多量の大気が逃げ出していたと考えられています。そのため、火星の平均気温は-62度と人類が生きていくにはまだまだ過酷な環境なのです。
■テラフォーミングの鍵は火星地下に眠る氷
NASAによると、火星の地下には大量の氷が眠っていると見られています。もし全ての氷を解かすことができれば、火星の表面は太古の昔のように海で覆うことができるかもしれません。そしてこの水を活用できれば、宇宙飛行士の飲み水としてはもちろんのこと、ロケットの推進薬などの補給基地としても大きな役割を果たすことができます。
火星に存在する氷を溶かすためには、水蒸気と二酸化炭素を増やすことで火星を暖める必要があります。そこで、例えば火星の軌道上に巨大な反射板を設置し、太陽の熱を集めて火星に送ることや、黒い微生物や藻類などを広範囲に散布することで、太陽光の吸収率を上げるなどが検討されています。
そしてスペースXの創業者、イーロン・マスク氏の提案は、なんと核爆弾を火星に投下するという方法です。この爆発により眠っていた氷が水蒸気となり、大気中に大量に放出できるのです。テラフォーミングができるまでに火星が破壊されてしまう気もしますが、あなたは最も効率的なテラフォーミングはどのような方法だと思いますか?
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