ハロウィン彗星が崩壊、太陽の熱に耐え切れずに蒸発 今年のハロウィンには参加できず
皆さんは今年のハロウィンはいかが過ごされましたか?実は、地球にハロウィンに参加しようとしていましたが、太陽の熱に耐え切れずに崩壊してしまった彗星がいたことをご存知でしょうか?本記事では、「ハロウィン彗星」をご紹介します。
■ハロウィン彗星は太陽の熱に耐え切れずに崩壊!?
2024年9月27日、長周期彗星の一つである「C/2024 S1 (ATLAS)」、別名「ハロウィン彗星」がハワイのハレアカラ天文台で行われている、小惑星地球衝突最終警報システム (ATLAS-HKO) によって発見されました。
なぜハロウィン彗星と呼ばれているかというと、10月末にかけて夜空を見上げれば彗星の姿を確認できる可能性があったことが由来です。そして、彗星がハロウィンの夜空を彩ることが期待されていました。
しかし残念ながら、太陽に徐々に接近していた彗星は、10月28日に崩壊してしまったことが確認されました。原因としては、太陽の熱による蒸発であると考えられています。地球と太陽は約1億5000万km離れていますが、この彗星は太陽から約136万kmの距離を通過していたとのことです。ちなみに、この至近距離を通って生き残った彗星は今のところ現れていません。
ちなみに、10月に夜空で確認することができた「紫金山・アトラス彗星」は、太陽との最接近時の距離は約5800万kmであったため、蒸発することなく生き残ったと考えられています。
■汚れた雪玉である彗星は、遠い宇宙の果てからやって来た!?
彗星は夜空に美しく尾を描くイメージを持たれる方が多いと思います。その主成分は氷と水でできています。その他にガスやちりなども含まれており、汚れた雪玉と表現されることもあります。そして、太陽に接近した際にその氷が溶けることで、氷が蒸発し尾のように伸びているんですね。
それでは、彗星はどこからやって来たのでしょうか。それは、太陽系の果て「オールトの雲」からやって来たと考えられています。
私達の暮らす太陽系の最果ては、最も遠い冥王星であると考えられがちです。しかし、実はその3000倍も更に遠方、1.5光年までの領域で、太陽の重力の影響を受けてひしめいている微小な天体群「オールトの雲」が存在します。1兆個を超すこれらの天体は、太陽系に惑星が誕生した際に、遠方まで弾き飛ばされて取り残されたと考えられています。あまりの遠さから太陽の光がほとんど届かないため非常に暗く、これまで発見されたことはありません。
軌道が不安定な微小天体たちは、少しのバランスのずれで彗星となり、太陽系の惑星たちへ高速で接近してくるのです。 6600年前に恐竜を絶滅させたのは、メキシコのユカタン半島に衝突した彗星であったと推定されています。
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