ノート(179) 「認知行動療法」に基づく再犯防止教育の実情
~工場編(7)
受刑71/384日目
検事の再訪
この2日間は、午前中に1時間ほど差入れ本の整理作業を行ったあと、昼食を挟んで夕方までの間、事務棟の取調べ室で最高検の中村孝検事による取調べを受けた。
静岡では1か月ぶりであり、公判前整理手続が進められていた元上司2人の裁判に向けた「証人テスト」が目的だった。具体的には、副部長の手帳や執務記録を確認し、その記載内容から当時のできごとを1日ずつ丁寧に思い出していくというものだった。
中村検事からは、朝鮮総連中央本部の土地建物を巡る詐欺事件に関し、控訴審を担当している東京高検の検事が僕に会うために静岡にやってくるという話もあった。週明けの火曜に予定されているとのことで、1ヶ月後の8月9日に東京高裁で僕の証人尋問が予定されていたことから、その根回しのためだという。
中村検事には、上申書のドラフトに記した出廷拒否の理由を挙げて説明し、その事件の裁判には協力するつもりがないと述べた。その上で、東京高検の担当検事にもそう伝えておいてもらいたいと依頼した。
この記事は有料です。
元特捜部主任検事の被疑者ノートのバックナンバーをお申し込みください。
元特捜部主任検事の被疑者ノートのバックナンバー 2021年5月
税込1,100円(記事3本)
2021年5月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。