河川敷に自生する雑草セイヨウカラシナの種子でマスタードを作ってみた 採取方法と作り方を詳しく紹介
セイヨウカラシナの探し方
河川敷などで春に黄色い花を咲かせるいわゆる菜の花には、アブラナ科の植物のセイヨウカラシナとセイヨウアブラナの2種類があるようです。
この2種類は、どこの河川敷でも一般的に見ることが出来る菜の花の代表種で、見た目がとても良く似ています。
今回は河川敷に生えているセイヨウカラシナの種を使って自家製の粒マスタードを作ってみました。
尚、芽吹きの頃のセイヨウカラシナやセイヨウアブラナはかき菜と同じような利用方法で自然に生える野菜として美味しく食べることが出来ます。
セイヨウカラシナ、セイヨウアブラナ共に春にいわゆる菜の花と呼ばれる黄色い花を咲かせます。
花はどちらも見分けがつかないほど良く似ていますので河原に咲く菜の花と一括りにして認識されることも多いです。
しかし、マスタードが作れるのは種に含まれる成分の違いからセイヨウカラシナの種のみで、セイヨウアブラナの種ではマスタードを作ることは出来ません。
セイヨウカラシナとセイヨウアブラナの見分け方は葉の付け根が茎にどのように付いているかを見れば簡単に識別出来ます。
葉の付け根が茎を取り巻くように付いているのはセイヨウアブラナです。
セイヨウカラシナの葉は茎から細い柄が出るような形で付いています。
熟したセイヨウカラシナの種を採取する
花が終わると下の写真のような種子の入ったサヤが実ります。
この種が熟したサヤを取り集めます。
サヤが付いた枝ごと切り取って持ち帰るという方法もあります。
どちらにしても使うのはサヤの中の熟した種子だけです。
種子を取り出すために、サヤを紙袋に入れて良く乾燥させます。
サヤを完全に乾燥させるとサヤにチョット触っただけでサヤが弾けて中の種子が出て来るようになります。
サヤが弾けた時に種子は威勢よく飛び散りますので、この作業は紙袋の中に手を突っ込んだ状態で行います。
上の写真のような状態で行うと、サヤが弾けて種子が飛び散っても袋の中に落ちますので、効率的に種子を集めることが出来ます。
上の写真のように紙袋の中には空のサヤと取り出した種子が溜まっています。
この後、サヤの滓を取り除いて種子だけにすることが今回のマスタード作りで最も手間が掛かり根気が必要な作業です。
細かい滓は適当な容器とかトレーとかに移してからピンセットなどを使って根気よく取り除きます。
滓を取り除き綺麗になった種子は瓶などに入れて保管しておき、使いたい時に必要量を使うようにします。
乾燥した種子はかなりの長期間保存が効きます。
セイヨウカラシナの種子でマスタードを作る
それではここからはセイヨウカラシナの種子を使ってのマスタードの作り方を紹介していきます。
尚、今回は河原で採取したセイヨウカラシナの種子を使っていますが、セイヨウカラシナの種子は香辛料として販売されてもいますので、この販売されているセイヨウカラシナの種子を使って作る事もできます。
まずは必要量のセイヨウカラシナの種子を蓋ができる容器に入れます。
セイヨウカラシナの種子を容器に入れたら、そこに酢を注ぎ込みます。
今回は酢の代わりにワインビネガーを使いますが、普通の酢でもOKです。
種子が酢やビネガーを吸うと最終的に容量が3割ほど増えますので、この事を想定して種子を容器に入れる量を調整しておきます。
ビネガーを注ぎ込む量は種子がひたひた程度に浸る量を入れます。
種子が浸る程度のビネガーを入れて、そのまま室温で暫く放置します。
すると種子がビネガーを全て吸い取って膨らむと共に、入れたビネガーがほぼ無くなっている状態になりますので、再度、種子が浸る程度に更にビネガーを少量追加してから、更に室温で放置します。
ビネガーを追加しては放置するを繰り返すと、種子は飽和状態までビネガーを吸って容量が3割ほど増えます。
下の写真の右側が最初のビネガーを入れた直後、左側は飽和状態までビネガーを吸った種子を三日間放置した物、容量がだいぶ増加しているのがわかると思います。
種子が飽和状態まで膨らんだら蓋をして室温で3日間ほど放置しておくと種子が柔らかくなりすり潰しやすくなります。
上の写真が室温で三日間寝かせたセイヨウカラシナの種子です。
見た目の変化はありませんが、ビネガーの作用で種子がだいぶ柔らかくなっているはずです。
これをお好みの粗さにすり潰します。
粗挽きの粒マスタードを作りたいなら、適当な器に取り出してからスプーンの背などを使ってすり潰します。
潰す時に塩、砂糖、はちみつ等を加える方法もあるようですが、今回のように何も追加しなくても大丈夫です。
つぶし方も粗くつぶす、細かくつぶす等、好みで良いと思います。
フードプロセッサーやすり鉢などを使うとより細かくすり潰すことも出来ます。
すり潰したた直後は若干のエグ味などがありますが、蓋付きの容器に入れて室温で3日ほど放置しておけば、味が馴染んで美味しい粒マスタードになります。
酢が大量に入っていますので常温でもそれなりに日持ちしますが、密栓した状態で冷蔵庫に入れて更に数ヶ月寝かせるとより美味しくなります。
潰し方や酢の量を変えてみるなど自家製ならではのレシピをいろいろ試してみるのも楽しいものです。
河川敷でセイヨウカラシナを見つけたら是非試してみては如何でしょうか。
最後までご覧頂きありがとうございます!!
この記事は動画でもご視聴頂けます。
動画では出来上がったマスタードを更にすり潰した物も作って食べ比べるかたちでの試食レポートも収録しています↓