イスラエルと韓国 攻撃ドローン開発に向けて提携
イスラエルの軍事企業のイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)は韓国の軍事企業の韓国航空宇宙産業(KAI)と攻撃ドローンの開発で提携していく覚書を締結することを明らかにした。攻撃ドローンの開発に向けたフィージビリティ調査や偵察と攻撃可能な長距離ドローンの開発も検討していく。
攻撃ドローンの開発では最近ではトルコの軍事企業が目立っているが、イスラエルのIAIは「HAROP」や「Harpy NGW」など徘徊型ドローン兵器の開発に優れており技術力も高い。
攻撃ドローンは「Kamikaze Drone(神風ドローン)」、「Suicide Drone(自爆型ドローン)」、「Kamikaze Strike(神風ストライク)」とも呼ばれており、標的を認識すると標的にドローンが突っ込んでいき、標的を爆破し殺傷力もある。日本人にとってはこのような攻撃型ドローンが「神風」を名乗るのに嫌悪感を覚える人もいるだろうが「神風ドローン」は欧米や中東では一般名詞としてメディアでも軍事企業でも一般的によく使われている。
攻撃ドローンの大群が上空から地上に突っ込んできて攻撃をしてくることは大きな脅威であり、標的である敵陣に与える心理的影響と破壊力も甚大である。ドローンはコストも高くないので、大国でなくとも購入が可能であり、攻撃側は人間の軍人が傷つくリスクは低減されるので有益である。
イスラエルにとってのターゲットはイラン、シリア、ガザ地区など周辺諸国であり、すでにガザ地区への攻撃ドローンによる攻撃が行われている。韓国にとってのターゲットは明らかに北朝鮮であろう。ロシアの周辺国のウクライナが攻撃ドローンを実戦で使ったことはロシアにとっても脅威だった。またポーランドなどNATO諸国でロシアと対峙している国がトルコから攻撃ドローンを購入することによってロシアへの抑止力を高めている。韓国にとってもイスラエルの軍事企業との攻撃ドローン開発に向けた提携は北朝鮮への抑止にもなりうる。