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JAXAが開発した驚愕のロボット コマが倒れずに回り続ける力を利用、月や火星の探査への利用に期待

小型姿勢制御モジュール 出典:JAXA

この超絶なバランスを保っているロボットは、JAXAが開発した「超小型姿勢制御モジュール」です。本記事では、月や火星の探査への応用も期待されている、その驚異的な性能について解説していきます。

■コマと同じ力を利用して角で立ち続ける!

小型姿勢制御モジュール 出典:JAXA
小型姿勢制御モジュール 出典:JAXA

このロボットが人間の力を頼らずに角で立てているのは、コマが回転しているときに倒れずに回り続けられることと同じ力を利用しています。立方体の中でコマが回転することで、倒れる方向とは逆方向の力を出すことができるのです。それでは、このようなロボットは宇宙でどのような場面で使われているのでしょうか。

宇宙で人工衛星が太陽電池を使って発電する時や、地球と通信をする際に、人工衛星は自由自在に方向をコントロールする必要があります。そのために、JAXAは「超小型三軸姿勢制御モジュール」を開発しました。このモジュールの中には、前述のコマの機能を持った「リアクションホイール」や、自分の傾きや回転速度を計測できる「ジャイロセンサー」、そしてセンサーの計測値からコマの必要な回転速度を計算するための小型コンピューターが搭載されています。

■宇宙搭載用に向け、3cm角まで小型化に成功

小型姿勢制御モジュール 出典:JAXA
小型姿勢制御モジュール 出典:JAXA

当初の大きさは10cm角でしたが、さらに小型化を進め、サイズは3cm角、重さ50グラムまで小さくすることに成功しています。このわずか3cm の立方体サイズの中に、コマやセンサーが全て詰め込まれています。さらに、電磁ブレーキを使うことで非常に高いトルクを出すこともでき、急に起ち上がったりするなどの動作も可能です。

これくらいのサイズに収めるとなると、機器やケーブルを詰め込むスペースが全くなくなるので、作り方を一から見直したそうです。複雑に絡み合う機器やケーブル配置をパズルのように工夫し、まるで折り紙を折るようなデザインとすることで、この世界最小サイズを実現したそうです。開発者の苦労が伝わってきますね。

このモジュールは人工衛星への利用をはじめ、月や火星のような重力天体の表面上を転がって移動する探査ロボットにも利用することが検討されているとのことです。そして、最近世界で開発が激化している、ドローンの空中姿勢制御にも使用可能です。超小型姿勢制御モジュールが、宇宙探査の新時代を切り開く姿が楽しみですね。

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