ノート(218) 寮での集団生活も 仮釈放に向けた「釈前指導」の内容は?
~続・工場編(11)
受刑253/384日目
平穏な「御用始め」
この日は1月4日の水曜であり、「御用始め」だったことから、6日間にわたる年末年始の休暇を経て、久しぶりに舎房から工場に出役した。
作業は差入れ本の検査だったが、「御用納め」の12月28日に教育部門から百冊超の差入れ本が回ってきていたものの、手つかずのまま年始を迎えていたので、まずはこの整理から始めた。
年末年始の閉庁日の間も受刑者の家族らから郵送で大量の本が届いていたが、窓口の事務担当や検査の第一ゲートである教育部門の職員は「御用始め」から仕事をスタートする。それらの本が図書計算工場に回ってくるには、なお数日を要すると見込まれた。
しかも、この週の最初の配本日は2日後である1月6日の金曜だったが、これに間に合うようにと大急ぎで焦って作業をした結果、検査や配本にミスがあったら意味がない。
「ラサール石井」に似た工場担当の刑務官の指示を受け、図書工で協議した結果、年始は無理をせず、年末の差入れ本については翌週の配本日である1月12日に回そうということが決まった。
そのため、作業は年末年始の休暇に向けた1週間と比べるとかなり余裕があり、正月らしい平穏な「御用始め」となった。
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