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ノルウェー農業に最も影響力がある「100人」に、野生オオカミや気候変動

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
57頭中42頭の処分が検討されているオオカミ(写真:アフロ)

19日、ノルウェーのナショーネン紙や農業連盟らが、今年のノルウェーの農業事業において最も影響力を及ぼした100人を発表した。

1位はヨン・ゲオルグ・ダーレ農業・食料大臣。

政治家や政府機関の代表らが名を連ねる100人の中には、人間以外もランクインしていた。

「気候変動」は今年初めての登場で、4位に。気候変動とパリ合意が地球と農業に影響を与えるほか、肉食中心の生活についての議論などが影響した。

筆者の記事でも何度も紹介してきた、オオカミ射殺が激しく議論されているノルウェー。

「オオカミ」は、昨年は7位だったが、今年は11位と少し順位を下げた。

首相や大臣たちよりも影響力があるオオカミ。右の12位は財務大臣 Photo: Asaki Abumi
首相や大臣たちよりも影響力があるオオカミ。右の12位は財務大臣 Photo: Asaki Abumi

オオカミ射殺において大きな決定権を持つヘルゲセン気候・環境大臣(保守党)は、16位から13位へと上昇。

オオカミ射殺に最も積極的な左派野党「中央党」のヴェードゥム党首は、20位から17位に上昇。

オオカミは、19位のアーナ・ソールバルグ首相を上回る影響力をもつようだ。

他に、人間ではないものとして、30位には農業関係者が集い議論するFacebookページもあった。

農業関係者に愛読されているナショーネン紙のインタビューでは、1位のダーレ農業大臣は、自身の順位を知る前に「私は、オオカミより順位は上か、下か?」と記者に聞いていた。

ノルウェーでは、ヒツジを襲うオオカミをどれだけ減らすかの議論と、世界自然保護基金ノルウェーと政府の裁判が続いている。

Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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