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最近のCMで注目の、ちょっと「気になる」女優さんとは!?

碓井広義メディア文化評論家
筆者撮影

CMには、いつもたくさんの女優さんが登場しています。そんな中で、最近ちょっと「気になる」2人に注目してみました。

●気になる「写真」 風吹ジュンさん

このところ風吹ジュンさんの「写真」をよく見かけます。昨年のドラマ「やすらぎの郷」(テレビ朝日系)では、石坂浩二さんが演じた主人公・菊村栄の「亡き妻」でしたが、写真立ての中でやさしく微笑んでいました。

また現在放送中のNHK朝ドラ「半分、青い。」でも、ヒロインの「亡くなった祖母」という役柄です。温もりのあるナレーションが好評ですが、夫の中村雅俊さんが手を合わせる仏壇の遺影もチャーミングです。

1973年、風吹さんは初代ユニチカマスコットガールとして衝撃的なデビューを果たしました。そのポスター写真を撮影したのは、巨匠デイヴィッド・ハミルトンです。昔も今も、同時代の男性たちにとって“憧れの女性”なんですね。

PIN印はミツカンの新ブランド。その第1弾「八方だし」のCMで、娘(本仮屋ユイカさん)や孫のために料理の腕をふるっているのが風吹さんです。「美少女」から「オトナの美女」へ。さらに「愛らしい熟年女性」へと進化を続ける、一人の女優さんがそこにいます。

●気になる「リケジョ」 市川実日子さん

女優・市川実日子さんには、なぜかリケジョ(理系女子)がよく似合います。映画「シン・ゴジラ」ではゴジラの生態を探る、環境省課長補佐・尾頭ヒロミを演じていました。冷静沈着で無表情。しかも、その情報処理能力と解析力は抜群です。

またドラマ「アンナチュラル」では、ヒロインである法医学者・三澄ミコト(石原さとみ)を支える、臨床検査技師の東海林夕子でした。東海林はプライベート優先で合コンの常連ですが、仕事は完璧でミコトの信頼も厚いリケジョです。

そんな市川さんが、大塚製薬 「エクエルジュレ」のCMで、奥貫薫さんや荻野友里さんと雑談しながら散歩をしています。

聞けば、市川さんの彼氏が「(つき合う女性が)あんまり綺麗な人だとギクシャクしちゃうんだよな~」と言ったらしいのです。すかさず「あたし、キレイじゃないから」とジャブを返すと、彼氏は慌てて「いや、すっごいキレイだよ」とフォローしたんだ、と笑う市川さん。なーんだ、のろけ話か。    

30~40代の「オトナの女性」には、仕事も恋もマイペースで歩んで欲しい。このCMからは、そんなメッセージが伝わってきます。だって、市川さんもそうですが、これからも彼女たちの「ヒロインは、つづく。」のですから。

メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。1981年テレビマンユニオンに参加。以後20年間、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶大助教授などを経て、2020年まで上智大学文学部新聞学科教授(メディア文化論)。著書『脚本力』(幻冬舎)、『少しぐらいの嘘は大目に―向田邦子の言葉』(新潮社)ほか。毎日新聞、日刊ゲンダイ等で放送時評やコラム、週刊新潮で書評の連載中。文化庁「芸術祭賞」審査委員(22年度)、「芸術選奨」選考審査員(18年度~20年度)。

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