S&P500に積立投資をしても儲からない時代が来る ジム・ロジャーズ世界的投資家が予言
ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。ジム・ロジャーズ著『大転換の時代 世界的投資家が予言』(プレジデント社)から2021年の資産運用について考えていきたいと思います。
S&P500への投資はいつはじめても、長期保有をすればプラスになるとも言われてきました。特にリーマン・ショック以降は4倍以上になっており、米国で30代でアーリーリタイアするファイヤームーブメントという概念まで生まれました。しかし、これはあくまでも過去のことであって未来に関しては全く分かりません。
つまり、この時期に株価指数に投資をしていてもこの間に売ってしまっていたら資産は増えなかったということです。この時期の若者は株式投資ではアーリーリタイアは難しかったはずです。しかし、商品に投資をしていれば実現可能だったのです。
現在、70代のロジャーズ氏は非常に長い間マーケットを見ており、大局的な視点で市場を捉えています。相場の勢いや方向性を判断するモメンタム売買ではなく、中長期の投資を得意とするために老後資金など長期の運用の参考になります。
一般の人が投資をするならインデックスにすべきだとロジャーズ氏は言います。商品も先物ではなく、インデックスファンドや上場投資信託(ETF)で投資をすればよいと言います。
資産運用をしている人の多くも世界の株式と債券に分散投資をするなどで商品を加えている人は少ないかもしれません。しかし、商品という違う値動きをする資産クラスを加えることによりポートフォリオにより多様性が生まれます。株が下落しても債券や商品など値動きが違う物を組み合わせることでリスクを減らす効果があります。
モーニングスター社のホームページでセクター等が割高かどうかを調べることができますが、アップルやテスラなどの株式はかなり割高な水準になっています。
上昇相場に乗り遅れないようにと焦る気持ちは誰にでも起きます。しかし、ロジャーズ氏は人生で限られた回数しかトレードできないという覚悟で慎重に調べて粘り強く投資対象が上がるまで待つべきだと言います。
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