ジム・ロジャーズ大転換の時代 米中激突期の資産の守り方 海外投資が必要な理由
ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。ジム・ロジャーズ著『大転換の時代 世界的投資家が予言』(プレジデント社)から米中貿易戦争が激化する中での資産の守り方について考えていきたいと思います。
ロジャーズ氏は香港の問題やコロナショックが起こった2020年に発したお互いに対するひどい言葉が、戦争の原因になり得ると懸念をしています。過去のイラク戦争などでも適当な理由を作って攻撃を開始しているからということです。
引き続き、米中対立を見守る必要があり、資産運用をする際にも考慮に入れて投資対象を選ぶ必要がありそうです。
現在、グローバル経済なので昔と比べると、特に先進国では預金封鎖のリスクはかなり低いとは言えます。そんなことをすれば、外国からの投資が呼び込めなくなるからです。
しかし、国や通貨を間違えると、資金を外に出せなくなったり、最悪の場合は手持ちのお金が全部消えるリスクもあるとロジャーズ氏は言います。
日本では個人が保有する金融資産は2020年9月末時点で1900兆円を超え、過去最高となりました。そのうち54%が現金・預金で1034兆円と世界的にも預金比率が高いです。しかし、ロジャーズ氏はこちらにも警告をしています。
ロジャーズ氏はアメリカの政治や先行きに関して悲観的ですが、まだ大量の米ドルを保有していると言います。世界の投資家はまだ米ドルを安全資産として見ており、基軸通貨としてのドルは当分続くと考えているからです。しかし、20年後を考えると米ドルより人民元を選ぶと言います。
香港に関しては、暴動という不確定要素がある限りは都市としての魅力をさらに失い、人の流出は避けられないと言います。また、中国本土への投資呼び込みは続き、再び上海の時代が到来し、香港はエキサイティングな都市ではなくなると断言します。
ロジャーズ氏はブロック経済が進む中でも、今こそ資産を海外に分散すべきだと言います。
海外投資と言っても、詐欺的な商品もあるために十分に注意をするべきです。手始めに米ドル建てのETFを使い、日本語で利用できる外資のオンライン証券などで練習を始めるなどが初心者にはよいかもしれません。
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