暴風雪は、雪山遭難レベル 出歩かない、クルマでも外出しないが一番の対策
暴風雪は雪山遭難レベル
暴風雪で気象庁から「外出を控えるように」というキーワードがでても、「不要不急の外出禁止」に慣れすぎて、危険度を認知できなくなっているかもしれません。暴風雪は雪山遭難レベルです。
暴風雪は風と雪の威力が違う
暴風雪は、何かにつかまらないよ立っていられないような強い風が吹き、猛吹雪になることです。雪だけでなく風の威力が違います。
暴風雪災害の被害
2013年3月に北海道中標津町や湧別町等で発生した暴風雪による被害は、死者9名、負傷者8名、避難者741名、 車の立ち往生929台と甚大なものでした。
暴風雪という言葉は初めて聞く方もいるかもしれません。札幌管区気象台「暴風雪のそなえ」の図にあるように、北海道では、暴風雪災害が繰り返し発生しているため、以前から注意を呼びかけています。
「数年に一度の猛吹雪」「外出は控えてください」というキーワードに注意
札幌管区気象台「暴風雪の被害をなくすために」や「暴風雪のそなえ」では、気象庁から「数年に一度の猛吹雪」「外出は控えてください」というキーワードを使った気象情報がでたら、厳重に警戒することを繰り返し呼びかけています。
すでに、気象庁の「外出は控えてください」という重要キーワードが出ている地域があります。
コロナ禍で「不要不急の外出を控える(時には禁止)」という言葉を日々聞いてきたので、慣れてしまって、印象に残りにくいかもしれませんが、外出など到底できない状態であることを確認していただければと思います。
暴風雪のときに外で起こる危険なこと
気象庁札幌管区気象台「暴風雪のそなえ 小学生むけリーフレット」に書かれている暴風雪のときに外で起こる危険なことを読んでみてください。
- 強い風で普通に歩けない
- 思わぬ物が飛んできてけがをする
- 体温が急に下がり気を失う
- 真っ白で何も見えなくなり、自分のいる場所が分からなくなる
2番目以外は、雪山遭難と同じ状況です。3番目は雪山遭難で典型的な低体温症ですし、4はホワイトアウトです。暴風雪で外に出るということは、雪山登山のスペシャリスト並みの装備を持っていたとしても、遭難の危険がある状況になるのですから、スキルや装備のない人がむやみに出歩くのがどれほど無謀になるか想像していただければと思います。
防風と視界不良による歩行困難
これらは、大人むけの暴風雪による人への影響リーフレットではより詳しく説明されています。
方向感覚を失うことやクルマの場合の視界不良の危険についても書かれています。一瞬で数メートル先が見えなくなるので大変危険です。
低体温症の危険と雪山での防寒の知恵
雪山登山の装備はこの低体温症対策を厳重に行うことにつきます。マンガや映画、ドラマの影響で、雪山で「寝る」から命を失うと思っている人が多いですが、低体温症の結果として昏睡状態になり死に至るため、対策としては「寝ないこと」ではなく、「低体温にならない服装をすること」が重要になります。
具体的には、インナーが保水すると気化熱で体温を下げるので、綿のように保水する素材を雪山では着ません。また、雪で寒いからとダウンを上着に着ている人もいますが、ダウンの表面が撥水素材のみで防水素材ではなければ、暴風雪の圧力に耐えられずダウンが濡れてしまうかもしれません。ダウンは濡れると羽がしぼみ、断熱層である空気を蓄えられなくなるので、雪山では、ダウンの上に、防水透湿素材を着用します。ひとことでいうと、耐水圧も高く、暴風雨(または暴風雪)でも濡れない、そして、内側も蒸れないから、気化熱で体温を下げない素材です。
このようにことごとく「濡れない」ようにし、「断熱材となる空気層」を作り、体温低下を防ぐのが雪山の衣類の最低限の知恵です。このような知恵もなく、暴風雪で外を歩くなんて無謀だと思うのです。
暴風による飛来物
その他、暴風によって「つらら」でも窓ガラスが割れた現象も記載されています。
吹きだまりによる一酸化炭素中毒の危険 マフラーだけでなく暖房の給排気口にも注意
また、風が強いため、吹きだまりが起きます。
寒冷地に多いFF式ファンヒーターは、給排気口が外部にあるため、吹きだまりに塞がれると一酸化炭素中毒の危険があり、注意が必要です。一酸化炭素中毒の危険はクルマ のマフラーだけではありません。
停電や停電の長期化
その他、停電に関する問題は、
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で記載していますで参考にしていただければと思います。
以上、とても外にでられる状態ではない暴風雪についてご理解いただければと思います。また、引用させていただいた内容がひとつにまとまっている気象庁 札幌管区気象台 暴風雪のそなえ ミニノートはダウンロードしてチェックできる仕様になっていますので、暴風雪対策に役立ちます。ご活用ください。