年越し寒波の停電対策 停電で使えなくなって「意外だった」と言われたことのある6つのもの
年末年始の寒波で広い範囲での雪が予報されています。大雪の備えとして停電対策はできていますか?
意外なもの1 灯油があってもFF式ファンヒーターなどの暖房器具が使えなくなる
エアコンや電気ストーブ、オイルヒーターが停電で使えなくなる事は想像できます。しかし、灯油をつかった暖房器具でもコンセントがついていて、電気を使っているものが停電で使えなくなることは「盲点だった」という声は、被災体験談によくでてきます。
暖房がFF式ファンヒーターのみの場合は停電の備えを
特に寒冷地でよく使われているFF式ファンヒーターが停電で使えなくなる事は、寒冷地の主要な暖房器具でもあるので、対策が必要です。
ブラックアウトにより停電した2018年9月の北海道胆振東部地震では、「これが雪の季節だったら」という心配から、ホームセンターから電気をつかわないタイプのストーブの在庫がなくなる現象が起きました。
大雪では外出も配送も間に合わず、しかも今年の寒波は年末年始を襲います。被災してからでは入手できない可能性もありますので、備えがまだのご家庭では検討していただきたい防災用品です。
暖かさという点では灯油を使うものが人気です。ただし寒冷地の断熱性の高い家では換気に注意が必要です。FF式ファンヒーターの場合は、給排気筒から燃焼に必要な室外の空気を給気をします。そして、燃焼した後のガスを給排気筒から室外に排気します。そのため、暖房中の部屋の空気を汚さず、換気の手間がありませんでした。FF式ファンヒーターを使わない場合は、自動で排気しないので、換気に注意してご利用ください。
カセットボンベタイプも人気です。カセットボンベが割高になることや、暖かさでは灯油タイプほどではないデメリットはあるものの、灯油が手に入らなかった場合にも暖を取る事ができ、最近は、おしゃれなデザインのものが出てきているので、冬にキャンプをする人にも人気になっています。
意外なもの2 マンションによっては断水していなくても停電でトイレの水が流せない
停電した際、マンションなどの建物内でのポンプが停止することにより、断水が継続する現象については災害のたびに指摘されています。
これについてはすでに、Yahoo個人ニュース記事で特定非営利法人トイレ研究所の代表理事 加藤篤氏による大雪による停電で水洗トイレが使えなくなる 過去のブラックアウトに学ぶに記載されています。
マンションの給水方式が、「直結増圧式給水」「受水槽式給水」の場合、ポンプで水を各部屋に供給しているため、停電すると断水することが書かれています。ご自身のマンションタイプを調べておいてください。
意外なもの3 一部タンクレストイレが停電で流せなくなる
最新のタンクレストイレは、停電時の対策をとっているものが増えてきていますが、一部で停電により流せなくなるタイプがあります。その場合、後述のバケツ洗浄をするなど、メーカーの説明にしたがって対応をします。災害時は問い合わせが殺到しますので、ご自宅のトイレが停電時どうなるかメーカーサイトで確認しておくことをお薦めします。
災害用トイレを設置する場合
トイレについては、凍結による水道管破裂が起こっても流せなくなります。断水だけの場合は後述するようにお風呂にためた水によるバケツ洗浄も可能ですが、排水管の損傷の可能性があるなど、原因が不明の場合は、まず災害用トイレを使用します。便器にかぶせて使うタイプのものは、各家庭で備蓄します。
専用のものが準備できなかった場合は、吸水と防水のものを組み合わせて作成します。
災害用トイレ廃棄と匂い対策
廃棄については、各自治体の処理方法に従ってください。ゴミの回収まで汚物を家に貯める場合、匂い対策の袋が役立ちます。専門品が最も優秀ですが、準備できなかった場合は、ラップやパン袋で代用します。こちらの動画を参考に備蓄していただければと思います。
排水管に異常があるわけではなく、停電で水が流せない状態や、断水の時は、バケツ洗浄が可能です。ただし、トイレを流すためにはサイフォン現象を起こして、低いところから高い所に水を送り出さなければいけないので、一度に3L〜5L程度の水(トイレの種類や流し方によります)を使います。
バケツ洗浄用として、停電が起こる前にお風呂に水をためておきます。(注 2歳以下のこどもがいる場合はお風呂に水をためると溺水の危険があるのでためないように注意喚起されています。)
意外なもの4 停電でお風呂のお湯がでない
ガスや灯油の湯沸かし器であっても、停電でお湯がでない場合があります。ガスや気化した灯油に着火するために電気を使っているからです。屋外にある給湯器の多くは、屋外のコンセントから電源をとっているので電気が使われていることを意識しにくいですが、停電中は着火することができない事を知っておいてください。
寒い中、暖かいお風呂にも入れなくないのはつらいです。対策としては、別記事で書く、クルマやポータブル電源、発電機などからの給電も検討します。
意外なもの5 食事が作れない
電磁調理器やIH調理機が停電時使えなくなることは、意外でもなんでもないように思われるかもしれません。でも、学生など、生まれた時から電磁調理器しか見た事がないという方も増えていますので、電気が使われていることを意識しておらず、「意外だった」という声お聞きします。カセットコンロは準備していただきたいです。ただし、最近は単身者用マンションなどで、火をつかうこと禁じている物件もありカセットコンロが使えない場合もあります。
意外なもの6 クルマが出せない
過去の災害で、電動シャッターや立体駐車場にクルマがあったため、停電時に取り出せず、災害後にクルマで移動したり、クルマから給電しようと思ったけれどできなかったという声があります。
クルマからの給電は別記事で書きますが、クルマからの給電装置をもっていたにもかかわらず、取り出せなくなることに思い至らなかったケースもお聞きしています。災害時の電気対策として期待していたのに、取り出せないのはショックも大きいですよね。電動シャッターについては手動で対応できる場合もありますので、手順をメーカーサイトでご確認ください。
以上、これらのものが停電で使えなくなるのは、よく考えると当たり前なのですが、日常では意識していないので、後から「意外だった」と言われているものを集めてみました。また、すべての停電対策として、電源を個人で確保する方法については、別記事で書きます。
年末年始の大雪の備え、見直していただければ幸いです。