新幹線のリクライニングを「全部倒す」のは論外 旅の専門家の考え方
宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
帰省や行楽のシーズンとなりました。この時期に気になるのは、新幹線や特急列車のリクライニングシートは、どのくらい倒してよいのかという問題。混雑率も高い時期で、行き帰りでトラブルには巻き込まれたくないものです。
リクライニングの倒し方には3段階
現在のリクライニングシートは、スムーズに無段階に倒せることが大半ですが、倒し方としては3種類をイメージしておくと、わかりやすいです。
まずは「倒さない」パターン。乗車時そのままの角度です。倒す場合は、下の3パターンに分類できます。
・3分の1倒す …写真では真ん中。わずかに倒します。
・3分の2倒す …写真では左側。
・全て倒す …写真にはありませんが、この車両の座席はさらに倒れました。
「3分の1倒す」が、人間工学上の標準設計
写真の手前の席(右端)は、新幹線のN700系という車両で、リクライニングを約3分の1倒した状態です。
回転が可能なリクライニングシートは、設計の都合上、倒さない位置ではやや急角度になっています。そのため、約3分の1程度倒す形が人間工学上の標準的な設計と考えられ、腰の仙骨が立つ楽な姿勢となります。
「3分の1倒す」といっても、車両の設計により変わってくるため、正確には隣の背もたれとの間から、斜め後ろの人が見えない状態と覚えておくと便利です。
「3分の2倒す」は許容範囲
写真の手前の席(右側)は、新幹線のN700系という車両で、リクライニングを約3分の2倒した様子です。
どの車両にも当てはまるように言いかえるなら、背もたれのすき間から斜め後ろの人の様子がはっきり見える状態となります。
上の写真では、真ん中が3分の1倒し、右が3分の2倒しのイメージです。
リクライニングを3分の2倒すと、後部座席から見てやや倒されている感はありますが、配慮なく極端に倒されているとまでは感じない程度です。3分の2倒す場合は、後ろの人に断っても良いかも知れません。
なお車両によって倒れる最大角度が異なるため、3分の2倒しは、隣の座席が倒されていない場合、すき間から斜め後ろの人の様子が見えるようになる倒し方です。
筆者のおすすめは、3分の1か3分の2倒すパターン
筆者の場合は、正しい姿勢を取り疲れづらくなるように、3分の1程度(一般には、倒されていない背もたれとのすき間から斜め後ろの人が見えない角度)倒すことが多いです。
旅に出ると、さほど歩き回らなくても疲れてしまうことがある、という方は移動中の姿勢に原因があることがあります。姿勢が安定し、後部座席の人も快適な「3分の1倒し」はぜひおすすめしたい角度です。
一方、リクライニング感を楽しみたい場合は、隣の倒していない背もたれとのすき間から、斜め後ろの人の様子がはっきり見えるようになる「3分の2倒し」がおすすめです。ただし、後ろの人は多少狭い感覚を覚えることがありますので、一声かけてもよいでしょう。
※新幹線以外の特急列車では、席間が狭い場合があります。その場合「3分の2倒し」でも、やや倒し過ぎと感じさせる場合があります。
後ろに人がいるのに全部倒すのは論外
写真は、特急サンダーバード号で数少ない1名座席を指定席で確保できたときのものです。前の方が、リクライニングを全て倒しており、圧迫感は想像以上。旅の楽しみは半減してしまいました。
リクライニングを全部倒すのは論外で、あくまで筆者の考え方ですが、後ろの席に人がいないときのための機能と考えています。例えばリクライニングの最大角度が深い新幹線のグリーン車では、後ろに人がいない場合、まるでベッドのような感覚を楽しむことができます。
倒す機能があるから全て倒してよいと考えるのは、やや行き過ぎのように感じ、お互いの旅の楽しさを、損なってしまうリスクがあると、筆者は考えています。
国内旅行500泊の専門家が教える「荷物を少なく・軽く」する方法(とらべるじゃーな!)
【完全版】ブラタモリ 過去放送のロケ地一覧(とらべるじゃーな!)