薬物で妻を昏睡状態にさせた夫、そしてレイプした51人の男性たちの裁判(2) 抗不安薬を使用して
今、フランスで注目されている裁判がある。50年来結婚しているカップルの夫が妻に大量な睡眠薬を与えて眠らせ、チャットサイトで募った男性72人あまりに9年間にわたってレイプさせ、その様子を録画していたという事件の裁判である。アヴィニョン市で9月に始まり12月20日まで続く予定だ。
どのように犯行を組織したのか
10月18日、ペリコー氏はどのような手段で妻ジゼルさんを眠らせ、チャットサイトで募った共犯の男性72人あまりと自分による総計200回以上(警察が確証しているのは92回)と考えられているレイプを9年間にわたって組織したかについて供述した。
共犯者のうち今回出廷している50人から「犯行を組織し指揮した唯一の責任者」と評されている同氏は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬であるTemesta25mg3錠を細かく砕き、朝のコーヒーや彼女が好きなピューレに入れたり、あるいは夕食後にテレビの前でくつろいでいる妻に持っていくアイスクリームに混ぜて食べさせ、「そして効き目が現れるまで少なくとも2時間待つと、彼女はその後5時間は深く眠り込みました」と供述した。
ちなみにこの薬は、フランスでは睡眠障害や不安に悩まされると言えば医師が処方してくれる、実に簡単に手に入るものである。筆者も一度使用したことがあるが、一錠であっという間に眠りに落ちる反面、翌日は身体がだるく朦朧として何もできない状態だった。
しかし、レイプの回数は9年間にわたって「少なくとも200回」というとんでもない回数である。その間、ジゼルさんは性病にかかったり、記憶が虚ろになったり、慢性的な疲労に悩まされ、婦人科をはじめ様々な医師にかかったが、レイプを疑われたことはなかったという。
「家では私が料理をしていたので」
裁判長が「9年間という長い間、誰にも気づかれずに薬を盛っていたのですか?」と質問すると、ペリコー氏は「家では私が料理をしていたので。その間、妻は台所の隣の部屋で過ごしていて、何度か変だなと思ったこともあったようですが、でも薬を盛るのは簡単でした」と答えた。「深く眠ってしまうと後はスムーズで、パジャマを脱がして、私と共犯者の性的嗜好を満足させるような服や下着を着せてレイプしました。終わった後は、服や下着は30分のプログラムで洗い、ガレージの中に隠し、彼女の身体はウェットティッシュで拭きました。この時が一番辛かったです。自分のことを恨み、自己嫌悪でいっぱいでした。」
裁判長が、出廷している共犯者50人は、ジゼルさんが眠っていたことを確かにあらかじめ知らされていたのかについて質問すると、
ペリコー氏は「はい、彼らと知り合ってからすぐに『妻は薬で眠っているから』と説明しました。そして妻に気づかれないようにと、彼らが私の家に来るときは絶対に香水をつけず、タバコを吸わず、爪をきれいにして来るように、また寝室に入る前には手を洗ってヒーターで温めてからと指示したのです」と答えた。
犯行動機はなんだったのか?
犯行動機について、同氏は「私はいつも『手に届かないもの』が好きだった。人間は皆、基本的に自由で、他者の所有物ではありえないが、私はそうした自明のことを無視して、愛している妻、しかし私の思い通りにならない彼女を好きな時に欲しいままにしたかった。馬鹿げたエゴイスムでした」と答えている。
レイプ場面を撮影し、保管していたことに対しては、「自分の楽しみのため。そして、もしや逮捕された場合は、共犯者の責任を明確にするためです」と供述し、冷静に犯行を組織していたようだ。
精神鑑定によると二重人格
ペリコー氏を鑑定した精神科医は「二面性を持った人格。それゆえに周囲の人々は彼の裏の面に気づかなかったのだろう」と言う。良き夫、良き父である反面、大嘘つきで人を裏で操る傾向があり、一家の柱として家族に頼られる人物である一方で、無責任で怒りっぽく、恐れられる存在でもあると。この二重人格の一つの理由は、9歳の時に看護師にレイプされたことと考えられている。また特殊な性的嗜好があり、スワッピングをジゼルさんに迫り断られたことも犯行理由のひとつらしい。
ポルノ依存、薬を盛ってまで妻を完全所有したがったペリコー氏だが、裁判中もすでに離婚しているジゼルさんを「私の妻」と呼び続けていることが、どうにも私には気になってしかたない。