Yahoo!ニュース

創業78年の博多ラーメン発祥のお店の一つ〈源流の味を求め全国から人々が集う〉今や行列の絶えない人気店

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡で「元祖」といえば、長浜ラーメンの「元祖長浜屋」が有名だけど、福岡・博多にはもう一つの「元祖」のつく有名なラーメン店がある。福岡県福岡市中央区の繁華街「大名」にある〈元祖赤のれん節ちゃんラーメン〉。同東区馬出の「博龍軒」、同博多区祇園の「うま馬(旧店名は三馬路)」と並び、博多ラーメンの源流のお店としても知られている有名店。1946年(昭和21年)の終戦まもない時期に創業した78年の歴史と伝統を誇る福岡・博多を代表する老舗の豚骨ラーメン店だ。

自身が通いはじめたのは今から30年ほど前の1990年代前半頃。当時は、福岡市の中心街「天神」の南側にある『博多大丸』の斜向かい、同中央区渡辺通の国体道路沿いに店舗を構えていて現在のような観光客が押し寄せるようなお店ではなく、ご近所の常連さんや天神近辺のビジネスマンが集う、どちらかといえば「町中華」のようなお店だったと記憶している。

地元の人々の憩いの場として機能していた

オールドファンの方はご承知だと思うけれど(自身も含め)その当時も美味しいラーメンを目指して「元祖赤のれん」に訪れる方も多くいたのは間違いないけれど、それと同じくらい「定食」や「一品料理」を注文する人も多かった印象が強く残っている。

現在のメニュー表(表):今も「定食」の種類が豊富
現在のメニュー表(表):今も「定食」の種類が豊富

店内に入ってすぐのテーブル席では、まだ明るい時間から一品料理を酒の肴に楽しんでいる人もいたり、近隣のスーツ姿のサラリーマンがカウンター席で黙々と定食を食べている姿など、雑多な人間模様が見受けられる人情味あふれる温かみのある雰囲気だった。

現在のメニュー表(裏):町中華のような「一品料理」類
現在のメニュー表(裏):町中華のような「一品料理」類

今は観光客を中心に行列の絶えない人気店に

福岡市中央区の中心街・天神に隣接する繁華街「大名」に移転した2013年以降の現在の〈元祖赤のれん節ちゃんラーメン〉は、お昼のピーク時には国内外からの観光客が多く訪れる人気のお店に。50席ほどある店内は営業開始と同時にほぼ毎日のように満席になり、行列もできるお店になっている。昔のようにお昼から腰を据えて飲む方は少なくなっていて、お店の回転もかなり早くなっていると思う。

醤油感強めな昔ながらの豚骨スープと平打ち麺

この日訪れたのは14時少し前。行列がないことを期待しつつ店先へ着くと残念ながら並びが5人ほどあり店内にも待客がいる様子。迷った末に最後尾にき、それから猛暑の中、10分少々。最奥のカウンター席へ案内された。メニュー表の中から「チャーシューメン(並)」を選択。あと、メニュー表になかったけど『「きくらげ」のトッピングは可能ですか?』と尋ねてみるとOKとの返事で追加注文した。

待つこと少々、配膳された「きくらげチャーシューメン」は、世間一般的なイメージの白濁したタイプの豚骨スープとは一線を画す醤油感強めな昔ながら赤のれんらしい博多豚骨ラーメン。

見た目は茶褐色のスープと極細の平打ちストレート麺が特徴的で、豚骨の出汁感強めな濃厚スープながらもキレのある醤油の元ダレが強く感じられる一杯。油膜が張るほど脂をしっかりと感じられるので全体としては、コッテリとした昔懐かしい伝統的な豚骨スープに仕上がっている。

合わせる麺も昔ながらで平らな極細ストレート麺は、やわらかな食感で小麦の風味を感じられる。醤油強めなスープにもよく絡み相性も抜群にいい。具材のもちろん「チャーシューメン」なので小さめで程よい厚みの柔らかなチャーシューがたっぷり。トッピングしたきくらげと平打ち麺のコントラストがいい感じ。あとは、ネギとメンマというシンプルで素朴な組み合わせになっている。

歴史ある「元祖赤のれん」の味を継承しながらも決して古さを感じさせない一杯に。今でもその人気を誇るのも頷ける美味しさに仕上がっている。

福岡市中央区天神エリアへお立ち寄りの際は「博多ラーメン」の源流の一つと言われる味を、ぜひご堪能ください。また、通しでの営業なので、行列に並ぶのが苦手な方は、夕方以降のアイドルタイムの時間帯を狙って訪れてみてはいかがでしょうか。

元祖赤のれん節ちゃんラーメン天神本店

住所  :福岡県福岡市中央区大名2丁目6-4
[地図
営業時間:11時00分〜21時00分 ※要確認
定休日 :火曜日(変更あり)※要確認
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

RAMEN ANTENNAの最近の記事