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うどん好きが多い福岡の県民性からみる太麺との意外な親和性〈太麺の醤油ラーメンの可能性を切り拓く個性〉

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡県福岡市南区の井尻。今年(2024年1月)の初めに西鉄天神大牟田線の「井尻駅」のすぐ目の前に開業した〈福岡太麺 NO RAMEN〉。ご主人の出身は、福岡の有名なつけ麺店「麺や兼虎」。福岡市中央区渡辺通の「天神本店」をはじめ、天神のファッションビルPARCO地下1階の「福岡PARCO店」、博多駅構内の博多デイトス2階・博多めん街道内にある「博多デイトス店」と現在3店舗体制で運営されている行列の絶えることのない大人気店。

西鉄井尻駅のホームからも目と鼻の先
西鉄井尻駅のホームからも目と鼻の先

「麺や兼虎」の濃厚でどろどろのスープ、モチモチ食感の太麺、大きくカットされて食べ応えのあるチャーシューなど、そのお店で培ったノウハウを活かし、福岡ではあまり見かけない太麺の「醤油ラーメン」「辛いラーメン」を開発。まもなく開業から10ヵ月を迎える中、突き抜けた個性と存在感で、新たな「価値」のあるラーメンを提供するお店として認知されつつあり、その人気がさらに加速しはじめている。

特製醤油ラーメン
特製醤油ラーメン

 福岡のラーメンといえば、豚骨のスープに細めのストレート麺という「豚骨ラーメン」のイメージが根強くある中で、乾物由来のベース出汁に醤油のカエシで完成させるスープに極太の麺合わせる「醤油ラーメン」となると、本来なら真逆の価値観のように思われがち。しかし福岡という土地柄をよくよく考えてみれば「うどん文化」が根づいた地域(福岡県はラーメン店よりもうどん店の数のほうが実は多いという統計もある)であり、ラーメンとは別軸ながら和出汁と醤油中心のシンプルなスープに、太くてやわらかなうどん麺という組み合わせは、そもそもこの地域に馴染んでいる(実はラーメン好きよりうどん好きが多いとされる土地柄である)。そんな麺文化が下敷きにあることからも「醤油のスープ」や「太麺」は、意外とハードルが低く相性もいいと思われる。

辛いラーメン
辛いラーメン

期間限定麺「和風ニボシペペロンチーノ」

 今回〈福岡太麺 NO RAMEN〉では、今月(2024年11月1日〜30日)1カ月間限定で「和風ニボシペペロンチーノ」が新投入された。これは、ご主人も在籍されていた2021年の1月当時「麺や兼虎博多デイトス店」で発売された「ニボペペ」をインスパイアした「まぜそば風」の一杯。

麺や兼虎の「ニボペペ」(2021年1月撮影)
麺や兼虎の「ニボペペ」(2021年1月撮影)

 この日、発売まもない「和風ニボシペペロンチーノ(略称:ニボペペ)」を目当てに〈福岡太麺 NO RAMEN〉訪れてみた。営業開始は他店よりも少し早い10時オープン。オープン前から行列ができることもある人気店なので、1回転目の人たちが食べ終わる(と予想して)少し遅めの10時半に訪問。予想通り行例はないものの店内はやはり満席でさらに待ち客が数名店内にいる状況。お店の外で待つことにした途端、後ろにも行列ができはじめた。

ラーメンを麺リフトする女の子のウォールアートがお店の目印
ラーメンを麺リフトする女の子のウォールアートがお店の目印

 ほんの数分経った後、先客が数名退店したので、さほど待たされることなく店内へ案内され、まずは券売機前へ。2段目に「限定ラーメン①」と「限定ラーメン②」のボタンがあり、それが今回のお目当ての「和風ニボシペペロンチーノ」。①がノーマルトッピングで、②は「フトメン」と焼印された味玉と肩ロースを追加トッピングした逸品。悩んだ末、今回は「限定ラーメン①」を発券し、唯一空いていたカウンター中央の席に腰を下ろした。

 待つことしばし(太麺なので茹で上がるまでにそれなりの時間を要する)。配膳された一杯は、見た目から迫力満点の濃厚と分かる煮干しダレと極太麺の共演。玉ねぎ、岩海苔、天かす、極太メンマ、さらに肩ロースのチャーシューの存在感。ボリュームのある一杯で、まずは極太麺を濃厚な煮干しダレで楽しむ。

 タレの濃厚さはあるものの麺がモチモチでしっかりとしているので程よい味わいになりちょうどいい。そして全体を混ぜ混ぜし、まぜそば風にすると食べる速度が加速。あっという間に平らげ完食。大変美味しくいただきました。

 平日・週末ともに限定数量の提供になるようなので開店直後がおすすめです。また大盛りにも対応しているそうなのでお腹を空かせてお立ち寄りください。

二本柱の醤油ラーメンと辛いラーメン

 最後に。券売機最上段の「特製醤油ラーメン」と「特製辛いラーメン」。麺の選択肢は、この二本柱のレギュラー「醤油ラーメン」と「辛いラーメン」がおすすめで、現在は「あぶらそば」も人気メニューとなっています。

 店内は、5人ほどが座れるカウンター席が基本。店内右奥には4人ほど座れる小上がり席が一つありますので、ご家族連れやグループでも対応可能なお店です。近くにお越しの際はぜひ極太麺の醤油ラーメンをお楽しみください。

福岡太麺 NO RAMEN

住所  :福岡県福岡市南区井尻5丁目8-1
[地図
営業時間:平日昼営業|10時00分〜14時00分
    :平日夜営業|17時00分〜20時00分 
    :土・日・祝|10時00分〜14時00分
定休日 :月曜日・木曜日
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

要確認 :福岡太麺NO RAMEN(※インスタグラム)

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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