懐かしい記憶の中に残る昔ながらの博多ラーメンを追想〈結果として異彩を放つクサ旨豚骨ラーメンへと昇華〉
福岡県福岡市東区の馬出。歴史はまだ浅いものの今や福岡だけでなく九州各県、全国からもラーメンフリークが集う博多ラーメン店。福岡市営地下鉄の「天神」や「博多」の中心地からも「中洲川端」を経由することで最寄駅の「馬出九大病院前」に接続できる。そこから歩いて3分ほどの距離に、レトロな佇まいの「馬出中央商店街」があり、その一角に、2019年の創業でまだ5年ほどの若いお店ながら、福岡・博多のラーメンシーンを席巻し続けている〈博多ラーメン駒や創業店〉がある。
昔懐かしい臭くて旨いシャバ系のスープ
開業以来〈駒や〉の創業者がめざしてきたのは昔懐かしい幼い頃の記憶にある一杯。「臭くて旨い」熟成感漂う昔ながらの「博多の豚骨ラーメン」。その当時の町内周辺(馬出・千代・箱崎・吉塚など)には、博多の豚骨ラーメンの起源とされるお店の一つ「博龍軒」をはじめ「箱崎だるま(現在の博多だるま)」などの老舗のお店が数多く存在していた環境下。さらに博多ラーメンの起源の一つ「元祖赤のれん」の発祥地でもある。そんな歴史ある地域で育まれた記憶の中にある味を再現する過程で、現在の〈駒や〉のラーメンの礎となる、臭くて旨いシャバ系のスープが完成した。
日曜日限定で朝ラーメンと焼飯を提供
自身も含めて朝ラーメン好きが一定数存在する福岡。その施策の一つとして〈博多ラーメン駒や創業店〉では、日曜日に限り朝8時からの営業開始を続けている。(※数年前までは定休日以外の平日・土日のすべてで朝から夜までの通し営業をされていた時期もあった)
この日、訪れたのは日曜日限定の開店時間「8時」少し前。すでに暖簾が掛かっていて、それがフライングオープンしているという合図。外に設置された券売機も稼働していて、まずは「味玉ラーメン」と「唐辛子練込麺」を久々に食べたかったので「麺変更券」をセットで発券。あとは、日曜日の朝8時〜10時半(頃まで)限定で前回の訪問時にハマってしまった「半焼飯」を追加で発券した。
開店時間前の早朝ながら店内に入るとすでに満席寸前で変わらずの人気ぶり。空いていた唯一のカウンター席に座り食券を店長へ渡す。ここでは敢えて麺の硬さなどは伝えずすべて店長にお任せの「駒やスタイル」。あらためて店内を見渡すと、いつもの顔ぶれの中に、遠距離を早朝から車を走らせて来られた方や、東京からの遠征組の方々もいらして、そんな光景が〈駒や創業店〉の日常になりつつある。(さらにこの日の帰り際には「海外からの旅行者:お若い男性4人組」も片言の日本語で全員が「チャーシューめん」を注文されていた)
待つこと少々で配膳された一杯は、いつものワイルドな茶褐色の泡立つ豚骨スープで濃厚そうに見えるながら実際はシャバシャバとした味わい。だけど〈駒や〉のこだわりの中から生まれた熟成スープの「臭さ」と「旨み」は最強で、食後の後味もしっかりと残る「クサ旨」に仕上がっている唯一無二の一杯。
そしてオレンジ色に輝く細ストレートの麺は、創業64年の福岡の老舗製麺所「宝フーズ謹製」のヒット商品「唐辛子練込麺」。名前の通り唐辛子が練り込まれた逸品は、配合の妙で程よい辛さと刺激がたまらない美味しさを誇る。スープとの相性も抜群で食べ続けても飽きることがない逸品。最初から食べるのもいいし、替玉時の味変として麺を「唐辛子練込麺」に変更も可能なので、ぜひお試しいただきいひと品。
大葉入りの焼飯が日曜朝の人気メニュー
味玉ラーメンが配膳されてから少し間を置いて配膳されたのが〈駒や創業店〉の名物になりつつある、日曜の朝8時〜10時半限定の「半焼飯(通常量の「焼飯」もある)」。
炒める際の最後の仕上げにラーメンの「カエシ(醤油ダレ)」を使っていて、その香ばしい香りが食欲をそそるとともに大葉の爽やかな香りと味わいがその美味しさを一段引き上げてくれる。もちろん共通の「カエシ」なのでラーメンとの相性も抜群。
一度「半焼飯」を「ラーメン」とともに食べてみて、お腹に余裕があれば「替玉」を。もしくは次回来店時は通常量の「焼飯」にしてみるなどの選択肢もあるので、お立ち寄りの際は、いろいろな組み合わせを〈駒や創業店〉でお試しください。
博多ラーメン駒や 創業店
住所 :福岡県福岡市東区馬出2丁目5-7
[地図]
営業時間:11時00分~22時00分(火曜日〜土曜日)
:08時00分~15時00分(日曜日)
定休日 :月曜日
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり
要確認 :駒や 創業店(※インスタグラム)