北朝鮮戦での2つの成果と平壌開催中止の衝撃(ワールドカップ・アジア2次予選 日本1-0北朝鮮)
3月21日に東京・国立競技場で行われた、FIFIAワールドカップ・アジア2次予選の日本代表vs北朝鮮代表。試合は開始早々2分、田中碧が決めたゴールが決勝点となり、1-0で勝利した日本が早くもグループで独走状態に入った。本稿では激闘の模様を写真とともに振り返ることにしたい。
前半の序盤で先制したものの、その後は追加点を奪うことができず、後半は相手のロングボールと圧力に苦しむ展開。スペクタクルもカタルシスも感じられない、ある意味「ワールドカップ予選らしい」試合だった。
依然として課題は少なくない。それでも、2つの成果は間違いなくあった。まず、着実に勝ち点3を積み重ねたこと。そして、アジアカップでの悪い流れを断ち切ることができたこと。特に後者は重要で、これからの長い予選での戦いに向けて、良い意味でのリセットができた。
それだけに、26日に平壌開催されるはずだったセカンドレグが、突如として中止となったのは残念でならない。「厳しいアウェイ戦がなくなってよかった」という意見もあるが、チームは5日後に向けて綿密に準備していたわけで、ここからのプラン変更は容易ではない。
北朝鮮代表もまた、この決定を歓迎しているとは思えない。今後、FIFAやAFCからペナルティが課せられる可能性もある。が、本当はホームで戦いたかったであろう、彼らが罰せられてしまうのであれば、これは同情するほかない。
もともと現地での取材は考えていなかったし、平壌からのTV放映も絶望的と聞いていた。それでも純粋にフットボールのことだけを考えるなら、ホーム&アウェイの原則は守られるべきだし、5日前でのキャンセルなど常識的に考えれば論外だ。
この日、堂々と戦った両代表にとって、実に後味の悪い決定となってしまった。
<この稿、了。写真はすべて筆者撮影>