北朝鮮戦での2つの成果と平壌開催中止の衝撃(ワールドカップ・アジア2次予選 日本1-0北朝鮮)
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/title-1711098463153.jpeg?exp=10800)
3月21日に東京・国立競技場で行われた、FIFIAワールドカップ・アジア2次予選の日本代表vs北朝鮮代表。試合は開始早々2分、田中碧が決めたゴールが決勝点となり、1-0で勝利した日本が早くもグループで独走状態に入った。本稿では激闘の模様を写真とともに振り返ることにしたい。
![3000人分用意されたアウェイ側のチケットは完売。先月の女子の五輪予選に続き、北朝鮮の応援団は気合十分だ。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711098595984.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![先のアジアカップで準々決勝敗退の原因を作ってしまった板倉滉(右)。この日はキャプテンマークを託された。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711098629708.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![日本代表の森保一監督。アジアカップでの苦杯を経て初めて迎えるアジアでの公式戦に、密かな緊張感が見て取れる。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711098807792.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![この日のスタメン。前列左から、菅原、前田、守田、南野、堂安。後列左から上田、鈴木、伊藤、町田、田中、飯倉。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711098853678.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![日本は序盤から積極的だった。上田綺世がドリブルで左サイドから切り込み、パスを受けた田中碧が右サイドに展開。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711098931961.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![逆サイドで受けた堂安律は連続してクロスを供給。南野拓実のシュートが相手に当たると、こぼれ球を再び折り返す。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711098975484.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![最後は田中で右足で決め、わずか2分で日本が先制。この時点では「前半だけで3点いけるかも!」と思ったのだが。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099005920.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![アジアカップは選外だった田中。この日は点を決めただけでなく、ピッチ上でリーダーシップを取る様子も見られた。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099036002.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![貪欲に追加点を狙う日本だったが、北朝鮮は速やかな守備の立て直しに成功。GKカン・ジュヒョクも好守を見せる。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099080152.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![先制点をアシストした堂安は、自身も再三好機を迎えるものの、放った3本のシュートはいずれもネットに届かない。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099162441.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![前半を失点1で抑えることができた北朝鮮。後半は相手が苦手とするロングボールを多用して活路を見出そうとする。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099211487.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![相手を圧倒していた前半から一転、後半の日本は押し込まれる時間帯が続く。そんな中、GK鈴木彩艶は冷静に対応。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099243229.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![日本ベンチも動く。58分には守田英正に代えて遠藤航を投入。強靭なデュエルで中盤での相手の圧力を軽減した。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099291891.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![74分には交代枠3枚を使って3バックに変更。右のワイドには、伊東純也の14番を引き継いだ橋岡大樹が起用された。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099357032.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![そのまま1−0で試合終了。FC岐阜所属で代表デビューとなったムン・インジュは、試合後に遠藤と言葉を交わす。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099400521.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![試合後、笑顔でポージングする田中。この時点では当人も、平壌でのアウェイ戦に思いを馳せていたことだろう。](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/utsunomiyatetsuichi/01708269/image-1711099433281.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
前半の序盤で先制したものの、その後は追加点を奪うことができず、後半は相手のロングボールと圧力に苦しむ展開。スペクタクルもカタルシスも感じられない、ある意味「ワールドカップ予選らしい」試合だった。
依然として課題は少なくない。それでも、2つの成果は間違いなくあった。まず、着実に勝ち点3を積み重ねたこと。そして、アジアカップでの悪い流れを断ち切ることができたこと。特に後者は重要で、これからの長い予選での戦いに向けて、良い意味でのリセットができた。
それだけに、26日に平壌開催されるはずだったセカンドレグが、突如として中止となったのは残念でならない。「厳しいアウェイ戦がなくなってよかった」という意見もあるが、チームは5日後に向けて綿密に準備していたわけで、ここからのプラン変更は容易ではない。
北朝鮮代表もまた、この決定を歓迎しているとは思えない。今後、FIFAやAFCからペナルティが課せられる可能性もある。が、本当はホームで戦いたかったであろう、彼らが罰せられてしまうのであれば、これは同情するほかない。
もともと現地での取材は考えていなかったし、平壌からのTV放映も絶望的と聞いていた。それでも純粋にフットボールのことだけを考えるなら、ホーム&アウェイの原則は守られるべきだし、5日前でのキャンセルなど常識的に考えれば論外だ。
この日、堂々と戦った両代表にとって、実に後味の悪い決定となってしまった。
<この稿、了。写真はすべて筆者撮影>