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主な新興国/米国経済ニュース(20日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

半導体大手AMD、経営合理化で従業員700人をレイオフへ

米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>は16日、従業員全体(1万0149人)の7%に相当する約700人を12月末までにレイオフ(一時帰休)する方針を明らかにした。これは8日付でローリー・リード社長兼CEO(最高経営責任者)が辞任したあとを受けて新CEOに就任したリサ・スー前COO(最高執行責任者)の経営改善計画の一環となるもの。

このレイオフに伴い、一時的費用として5700万ドル(約60億円)を今四半期(2014年10-12月期)の決算に織り込むとしている。また、レイオフによって10-12月期は約900万ドル(約9億5000万円)、2015年上期(1-6月)は8500万ドル(約90億円)の経費節減になるとしている。

同社は1980年代の創設以降、PC用半導体分野では業界トップの米インテル<INTC>の後塵を浴び続け2位の座に甘んじていることや、2006年に54億ドル(約5700億円)で米コンピューターグラフィック用半導体大手ATIテクノロジーズを買収したものの、買収費用が経営を圧迫してしばしば赤字経営を余儀なくされていることから、トップ交代を機に業績回復を目指したい考えだ。

米市場調査会社マーキュリー・リサーチのアナリスト、ディーン・マクキャロン氏は、AMDの主力のPC向け半導体「x86」の市場シェアは前年の16.1%から現在は9.6%に落ち込み、同社の株価も8月中旬以降、20%以上も下落した、と指摘している。

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グーグル、2014年7-9月期は利益・売上高ともに予想下回り株価急落

米インターネット検索大手グーグル<GOOG>が16日に発表した2014年7-9月期(第3四半期)決算は、純利益が前年比5%減の28億1000万ドル(約3000億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同7%減の4.09ドルとなった。また、株式報酬費(従業員へのストックオプションの交付費用)を除いた調整後の1株当たり利益は同13%増の6.35ドルとなったものの、アナリスト予想の6.54ドルを下回った。

一方、売上高は携帯電話や動画の広告が堅調となり、同20%増の165億2000万ドル(約1兆7500億円)と、大幅増加となったが、アナリスト予想の165億7000万ドル(約1兆7600億円)を下回った。また、パートナーサイトに支払うトラフィック(通信量)獲得コスト(TAC)の33億5000万ドル(約3600億円)を除いた調整後ベースでは132億ドル(約1兆4000億円)となり、アナリスト予想と一致した。

この決算結果を受けて、同社の株価は16日、0.7%安の536.92ドルで引けたが、その後の時間外取引(米東部時間午後7時59分)で2.05%安の525.9ドルと、急落した。

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13-17日のロシアRTS指数、6週ぶり反発―ウクライナ情勢緩和で

前週(13-17日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の17日終値が前週比0.8%高の1072.94と、週間ベースで6週ぶりに反発した。週前半はルーブル安に加え、世界景気後退懸念で原油価格が低下し、海外市場も軟調となり、地合いは悪化したが、週末は、EU(欧州連合)の仲介によるウクライナ情勢をめぐるロシアとウクライナの協議(16-17日)で天然ガス供給に関し進展が見られたことから相場は急速に持ち直した。ただ、今年3月10日の直近安値(1062.47)以来7カ月ぶりの低水準が続いている。

市場では、9-15日の外国人投資家の売り越し額は6200万ドル(約66億円)となり、1週間前の6890万ドル(約74億円)に比べ、売り越し額は縮小した。

週明けの13日は、ロシア軍が11日の大統領命令でウクライナ国境から撤退したことから東西緊張が緩和し、欧米にいる対露経済制裁が早期に解除されるとの思惑で、RTS指数は1.15%高と反発した。IMF(国際通貨基金)は欧米とロシアは双方の経済制裁を2015年に解除するとの見通しを示している。また、16-17日にイタリアのミラノで開かれるロシアとウクライナの協議への期待も追い風となった。しかし、14日から16日まで株価は3日続落となった。これはウクライナ情勢が改善する一方で、ルーブル安とロシアの輸出の大きな柱である原油の価格が低下し強弱感が交錯する展開となったため。ロシアのウラル産原油はブレント原油先物価格に連動しているが、ブレント原油の価格が16日も0.29%安の1バレル=83.54ドルとなった。

週末の17日は原油価格が一転して上昇し、ロシア・ウクライナ協議で、和平問題では進展がなかったものの、冬期の暖房シーズンを控え、ロシア産天然ガスの供給問題で一歩前進したことが好感され、RTS指数は2.31%高と、大反発した。

今週(20-24日)のロシア市場は、引き続き、原油価格とルーブル安の動向や、21日に予定されているロシア・ウクライナ協議の次回会合の行方が焦点となる。アナリストは、ウクライナの最高議会が開かれる10月末ごろまでは、欧米の対露制裁やウクライナへの天然ガス供給問題に対する解決策、さらにはウクライナの天然ガス未払い債務の返済の行方は依然不透明な状況が続くと見ている。

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前週のインド株は4週続落―世界景気後退懸念で

前週(13-17日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の17日終値は、世界経済の回復が遅れるとの懸念で、海外相場が大きく落ち込む中、相場下落は行き過ぎとの警戒感から前日比0.42%高の2万6108.53と、3日ぶりに反発したが、週間ベースでは10日終値比189ポイント(0.72%)安と、4週続落となった。

週明けの13日は、原油価格が4年ぶりの安値にまで下落したことや欧米市場が堅調となり、また、中国の貿易統計が良かったことから金属や金融、ITなどの銘柄が買われ、SENSEXは0.33%高と、10日の1.28%安から反発した。しかし、14日は9月CPI(消費者物価指数)が6.46%上昇と、インフレの鎮静化の傾向が示されたことで株価は上昇したが、不動産大手DLFが3年間の株式売買が禁じられたため、DLFが落ち込んだことや、2州での州議会選挙を翌日に控えて買いが慎重となる中、SENSEXは0.13%安と、反落。

15日はナショナル証券取引所(NSE)があるマハラシュトラ州で地方議会選挙が行われたため、休場となった。16日は世界景気の後退懸念で米国や欧州、アジアの株式市場が軟調となったため、SENSEXも1.33%安の2万5999.34と、約2カ月ぶりで2万6000の大台を割り込んだ。しかし、週末の17日はこのところの下げがきつかったとして買い戻しが入り、SENSEXは0.4%高と、3日ぶりに反発した。

今週(20-24日)のインド市場の見通しについては、引き続き、19日の地方議会選挙や企業の四半期決算、21日に発表予定の中国7-9月期GDP(国内総生産)の結果などで不安定な相場が続く見通し。

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前週のブラジル株は4週ぶり反発―政権交代観測で

前週(13-17日)のブラジル株式市場は、17日のボベスパ指数が前日比2.63%高の5万5723.79となり、週間ベースでも10日終値から0.74%高と、4週ぶりに反発した。

週明けの13日は、最新の世論調査で、中道右派ブラジル社会ミンシュトウ(PMDB)の党首でエコノミストのアエシオ・ネベス上院議員の支持率が52.4%と、現職のジルマ・ルセフ大統領の支持率36.7%を大幅に上回ったことから、26日の大統領選の決選投票でネベス氏が当選し、新政権下で国営企業への政府の介入が減るとの観測が広がった。また、中国の9月貿易統計で輸入が増加したことで、鉱山大手ヴァーレが急騰し、ボベスパ指数は4.8%高と、急騰。

14日も続伸となったが、15日はこの日公表される世論調査ではルセフ大統領が決選投票で敗戦する可能性が低下するとの思惑で国営石油大手ペトロブラスやブラジル銀行などの国営企業が売られたため、ボベスパ指数は3.2%安と、大反落した。16日も中銀が発表した8月のIBC―Br指数(経済活動指数)が前月比0.27%上昇と、アナリスト予想の中央値0.3%上昇を下回ったため、内需関連株が下落し、ボベスパ指数は3.3%安と、続落。この2日間で6.4%下落と、2011年8月以来の大幅下落となった。週末の17日は、最新の世論調査でネベス氏とルセフ大統領の支持率の差が1週間前の12.8%ポイントから17.6%ポイントへ拡大し、ネベス氏の勝利の可能性が高まったことから3日ぶりに反発した。

今週(20-24日)の株式市場は、引き続き大統領選挙の決選投票に関連した3件の世論調査の結果に左右される見通し。また、主な経済指標や行事は、9月失業率(23日)や9月経常収支(24日)などの発表が予定されている。

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ムーディーズ、ロシアのソブリン債格付けを「Baa2」へ1段階引き下げ

米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先週末、ロシアのソブリン債の格付けを「Baa1」から「Baa2」へ引き下げ、ジャンク級の格付けまであと2段階に迫った。また、将来の格付け見通し(アウトルック)は、今年6月に格付けを引き下げ方向で見直す「レーティング・ウォッチ・ネガティブ」としており、今回もそのまま据え置いた。

ムーディーズは格下げの理由について、「ウクライナ危機やこれまでの対露経済制裁がロシア経済に長期的にわたって悪影響を与える可能性が高まった」としている。また、「ウクライナ紛争と対露制裁が長期化すればするほど、海外の投資家のロシアへの投資意欲が低下していく」とも指摘している。

その上で、ムーディーズは、「もしも、ロシア経済の見通しが一段と悪化し、特に、一段の成長鈍化や対露制裁がロシアの財政や対外債務の支払いを一段と困難にするようなことになれば、ロシアのソブリン債格付けの引き下げを検討することになる」と警告している。

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国営テレコムニカシ・インドネシア、来年4千億円投資へ

インドネシアの国営通信最大手テレコムニカシ・インドネシアのアリフ・ヤーヤ社長は先週、政府の5カ年ブロードバンド推進計画「インドネシア・ブロードバンド計画(RPI)」に呼応する形で、デジタル通信ネットワークの整備を促進するため、来年の設備投資額を今年の3倍に相当する45兆ルピア(約4000億円)に拡大する方針を明らかにした。ジャカルタ・ポスト(電子版)が16日に伝えた。

投資額の主な使途は、全体の30%が通信ケーブルや光ファイバー網、通信衛星に、また、50%が無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」に、残りの20%が通信と放送などデジタル技術のコンバージェンス(融合)に使われるとしている。

RPIでは、政府は2014-2019年の5年間でブロードバンドの普及率を人口の30%(都市部は70%)にする計画で、総投資額は278兆ルピア(約2.5兆円)で、国家予算で賄われるとしている。

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タイ太陽光発電グリーン・アース、ミャンマー電力省と発電所建設で契約締結

タイの太陽光発電会社グリーン・アース・パワー(GEP)とミャンマー電力省(MOEP)は先週、GEPがミャンマーのマグヴェ管区ミンブに大規模太陽光発電所(発電出力22万キロワット)を建設・運営し、電力相が発電した電力を買い取る合意契約書(MOA)に正式に調印した。地元紙ネーション(電子版)が18日に伝えた。

両者はこれまで1年半にわたってミンブ太陽光発電所計画について協議を続けており、昨年5月にはフィージビリティ(実現可能性)や環境影響評価の調査を経て了解覚書(MOU)を調印している。その後、建設用地の取得など準備作業を進める一方で、エンジニアリングや資材調達、建設を請け負う業者や建設資金を提供する金融機関との間で計画の詳細内容について協議を積み重ねていた。

太陽光発電所はミャンマーの首都ネピドーの西200キロに位置し、敷地面積は344ヘクタール。建設工事は来年1-3月期から開始され、その1年後に第1期工事が完成し、5万キロワットの発電を開始する計画だ。工事は4期にわたって2年半かけて行われ、総投資額は3億5000万ドル(約370億円)となる。雇用も建設期間中だけで700人の規模に達する。発電所の完成後は、GEPが30年契約でオフテイカー(サービスの引き取り手)となる電力省に売電することになっている。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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