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【動画】Facebookの開発者イベントF8

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
基調講演に立つMark Zuckerberg氏。

サンフランシスコで行われたFacebookの開発者イベントF8。3年ぶりの開催ながら、前回のイベントに比べて、Facebookの会社自体が成熟していると感じることができました。基調講演はもちろん、創業者でCEOのMark Zuckerberg氏。

レポートのビデオは記事の最後で。

今回のテーマは、People FirstとStable Mobile Platformの2つ。前者は、ログイン認証などFacebookをインフラとして利用するユーザーにより安心してもらえるようにする新機能を用意していました。

匿名ログイン機能を披露。
匿名ログイン機能を披露。

匿名ログインは、認証するアプリにFacebook上の情報や権限を与える必要がなくなるしくみ。

確かに、Facebookログインは便利なんだけど、このアプリが自分のプロフィールで何をするかわからないので、と使うのを思いとどまった経験が私にもありました。こうした問題に対処するのが匿名ログイン機能です。

「Facebookでログイン」ボタンでワンタッチのログインを実現しつつ、そのサードパーティーアプリに対して、プロフィール情報や自分のニュースフィードへの投稿権限を与えることなく利用できるため、外部アプリに情報を渡したり、悪さされたくない場合にも便利です。

デバイスを持たないFacebookは、垂直統合の他社といかに戦うのか。
デバイスを持たないFacebookは、垂直統合の他社といかに戦うのか。

またZuckerberg氏は、最も信頼できるモバイルプラットホームになるという方針をアピールしましたが、そこで引き合いに出したのが、Apple、Google、Microsoftなどの、プラットホーム、ハードウェア、ソフトウエアを持っている企業による垂直統合による弊害。Facebookはクロスプラットホームで開発者に対してより効率的な環境を提供するとアピールしました。

Build、Grow、Monetizeの3点に分けて担当によるプレゼンテーションをが展開され、開発だけでなく成長と収益化まで、Facebookが面倒を見るというメッセージを伝えています。特に、Manetize(収益化)については、Facebook独自のアドネットワークを公開し、簡単なコードでスタイルに合った広告出稿を可能にしています。ユーザーに嫌がられない広告の実現なるか、注目です。

会場の雰囲気とZuckerberg氏のスピーチを簡単にまとめたビデオをご覧下さい。

Facebookは10周年を迎え、企業のカルチャーとして、ハッカー文化の次に、人々に愛される文化を創るというFacebook。成熟を迎える巨大プラットホームに、今後も期待していきたいところです。

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ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

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