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有野課長の20年をぜんぶ収録!『ゲームセンターCX クロニクル』は初期メン8名をロングインタビュー

多根清史アニメライター/ゲームライター

大人気ゲームバラエティ番組『ゲームセンターCX』も放送開始から20周年、その全てを収録した『ゲームセンターCX クロニクル』がついに発売! 「ゲーム実況の祖」である有野課長の歩みをまとめて振り返られる一冊です。

もともとゲームクリエイターのインタビュー番組だった『ゲームセンター「CX」』が始まったのは。2003年末のこと。有野課長こと有野晋哉さんがゲームに挑戦する「有野の挑戦」スタート当時、まだPS2は現役ゲーム機でしたが、今ではレトロゲーム機(発売から20年が経過)として挑戦解禁されていたりします。

本書の見どころは、まず第1シーズン~第27シーズンまでの内容が完全収録。370以上もの挑戦がテキストでまとめられており、見どころが直ぐに分かるエンサイクロペディアっぷり。

さらに節目ごとに行われたイベントのヒストリーも、印象的なシーンを切り抜いてご紹介。武道館や幕張メッセ、さいたまスーパーアリーナといった大舞台の記録もさることながら、「ゲームセンターCX 夏祭り in 浅草花やしき」など会場に足を運ばないと見られなかったお宝映像がお勧めです。ギタリスト有見沢(有野課長)VSおぼろ侍のセッションもあり。

また「本邦初公開となる秘蔵のレア資料の独占公開」もカンバンに偽りなし。すべての始まりとなった『ゲームセンター「CX」企画書から『スペースチャンネル5』に挑戦したときの田原有彦、『Dance Dance Revolution with Mario』でのダンサー有野の衣装、片山ポリスやカーディガンズのカーディガン(複数)までも網羅。

はては、『暴れん坊天狗』で病み上がりの課長のため用意したナースコールや『イチダントアール』の助っ人ルーレットなど小道具もブツ撮りされており、家族の想い出アルバムでもこれほど詳しくない!

『CONTINUE』VOL.84では誌上反省会を掲載、制作ウラ話もあり

なんと言っても目玉は、『ゲームセンターCX』初期から支えてきたメンバー8名のロングインタビューです。有野課長や菅プロデューサー、カメラマン阿倍さんや構成作家の岐部さんはもちろんのこと、酒井健作さんの「構成」や藤本達也さんの「演出」といったお仕事の中味も明らかに。

またタニーこと谷澤さんが阿倍さんの「うるせいよ」を“整音”する苦労や、めったに画面に出ない“音効”の斎藤さんがさいたまスーパーアリーナでやらかしたこと(東島さんがやらかしたと勘違いされた)を語っています。

徹底して「完全版」をめざした本書も、みっちりと取材するうちに新たなこぼれ話が生まれてくることも。そんなわけで、8月27日発売の『CONTINUE』VOL.84では誌上反省会を実施! 裏表のW表紙に有野課長が登場し、ロングインタビューや制作ウラ話などが掲載されるそうです。

『ゲームセンターCX クロニクル』は2024年7月29日発売で定価は4950円(税込/以下同)、『CONTINUE』Vol.84は8月27日発売で1650円。それぞれ、こちらこちらをご参照ください。

アニメライター/ゲームライター

京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、TechnoEdgeで記事を執筆中。

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