任天堂が10月に打ち出した「3つのサプライズ」、スイッチ2発表はまだ先というメッセージかも
任天堂は、いつNintendo Switch後継機(通称スイッチ2)を発表するのか。全世界がこぞって注目しているものの、ずっと肩透かしが続いています。大手ゲームメディアPolygonも「スイッチ2を発表しないのが滑稽になっている」と面白がっています。
一時は8月末との噂もあり、9月末の東京ゲームショウ合わせにするかも?との予想も外れました。古川社長がX(旧Twitter)にて「Switchの後継機種に関するアナウンスを今期中に行います」と告知してからほぼ半年です。一応は、PS5の発表から発売までの約1年半(2019年4月~2020年11月)には及んでいません。
古川社長のいう今期=2025年3月31日までであり、理論上はあと数か月は残っています。とはいえ、本来は2023年内に発売する予定だったが、いまだに発表もしていないのでチップを供給するNVIDIAも戸惑っているとの証言もありました。
特にこの1ヶ月、10月は非常に刺激に満ちていました。なぜなら、任天堂が立て続けに大きな発表をしながら、ことごとくスイッチ2には一言も触れていなかったからです。
高級目覚まし時計「アラーモ」いきなり発表・発売
まず、10月9日には「ニンテンドーサウンドクロック アラーモ」をいきなり発表、すぐに発売。約1万3000円もする、高級目覚まし時計だと驚かれました。
また、「任天堂の新ハードウェアを発表」には違いなく(URLに“hardware”あり)、「スイッチ2かと思ったら目覚まし時計だった」とネタにもされていました。
古からの任天堂ファンにとっては、スイッチ2よりも感慨深い製品だったかもしれません。故・岩田聡元社長が掲げていたQOL(Quality of Life=生活の質)事業の志を受け継いだかにも思えるからです。
2014年1月、岩田さんは決算説明会にて、これからの10年で挑戦することを「人々のQOLを楽しく向上させるプラットフォームビジネス」と定義し、その最初のステップとして「健康」というテーマを挙げました。
さらに10月、より具体的に「睡眠と疲労の見える化」を目指すとして、技術的に実現のメドが立ったとも述べています。
が、日経報道によれば、2018年12月に任天堂から大手部品メーカーに「QOL事業の開発を中止します」との通達が届いたとのこと。実際、それから数年は何の動きもありませんでした。
厳密な睡眠追跡は、Apple Watchのように健康関連センサーの塊+肌に密着させるウェアラブル機器でなければ難しいはず。公式サイトの「開発者に訊きました」にあるとおり、ベッドの上にいること、出ることなどを検知するに留まる「うごきセンサー」が現実的だったのでしょう。
任天堂はアラーモとQOL事業が関係あるとは一言も述べていませんが、どんな形であれ岩田さんの願いの1つが叶った印象はあります。
Nintendo Switch Onlineの「新サービス」テスト開始
その直後に、有料オンラインサービス「Nintendo Switch Online」(以下、NSO)の新しいサービスのテストプレイを実施すると発表。NSO+追加パック、つまりNINTENDO64やメガドライブなどレトロゲームが遊べる特典ありの加入者を対象に抽選を行ったため、ゲームキューブ用ソフトも追加?との憶測も盛り上がりました。
結局は憶測に終わり、全く別ものをテストしていたようです。それが分かったのは、厳正な抽選に当選しながら、テストが始まって直ちに機密保持契約を破り、Twitchで画面をストリーミングした人がいたからです。
もちろん「著作権者(任天堂)の要請」によりチャンネルごと消されていました。任天堂が非公式エミュレータの取り締まりを強化し、生成AIによる「不謹慎な」マリオ画像を消させていると噂される最中に、底抜けな人もいるものですね。
ゲーム音楽聴き放題アプリ「Nintendo Music」いきなり配信開始
3つ目のサプライズが、任天堂のゲーム音楽が聴き放題の「Nintendo Music」アプリを配信開始したことです。
まだまだライブラリは少なめですが、『スーパードンキーコング』や『ヨッシーアイランド』などサントラCDに高額なプレミアムが付いているものをチョイス。
さらに一部の楽曲では曲の長さを変更できたり、テレサやハナチャンなどキャラごとのプレイリストが用意されたり、スイッチで遊んだソフトから選べたり(ニンテンドーカウント紐づけのおかげ)SNSでバズり狙い?とも思えるあざとさです。
この3つから読み取れるのは、「当分はスイッチ2抜きでもやっていける」というメッセージかもしれません。先週の噂通りスイッチ2の本格量産が遅れているなら、理にかなっていますね。