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日テレ、自民党大会の字幕の誤りでおわび 誤解の恐れ低いもののネットで批判

楊井人文弁護士
日本テレビのストレートニュース(3月13日)

【GoHooトピックス3月14日】日本テレビは3月13日深夜放送の「Going! Sports&News」で、アナウンサーが、同日昼に放送したニュースで自民党大会について取り上げた際「安倍総理の発言に関する字幕スーパーが誤っていました」と述べ、陳謝した。同日午前11時30分開始の「ストレートニュース」で、午前10時ごろ始まった自民党大会を現地生中継を交えて速報した際、「安倍首相"選挙のためだったら何でもする"」と字幕をつけていた。

日本テレビが訂正放送した場面(3月16日未明)
日本テレビが訂正放送した場面(3月16日未明)

安倍首相は党大会の演説で「選挙のためだった何でもする。誰とも組む。こんな無責任な勢力に私たちは皆さん、負けるわけにはいかないんです」と述べていた。しかし、問題のニュースの字幕だけに着目すると、安倍首相が参院選に向け自らの姿勢として「選挙のためなら何でもする」と表明したかのように読めるため、インターネット上で一部、批判の声が巻き起こっていた。日本テレビはその後、同じニュースを伝える際、字幕を「"無責任な勢力に負けるわけにいかない"」などに修正していた。

ただ、ニュースのナレーションでは、安倍首相が「選挙のためだったら何でもする、こんな無責任な勢力に負けるわけにはいかない」と述べたことを正確に伝え、安倍首相の発言VTRも流しており、誤解を与える不適切な編集は見られなかった。そのため、このニュースを通常の注意力で視聴すれば、安倍首相の発言趣旨を誤解する可能性は極めて低かったと考えられる。自民党の広報担当者も、日本報道検証機構の取材に対し、報道局としては今回の事案について把握していなかったと答えた。

NNNストレートニュース(3月13日午前11時31分〜33分)

(アナウンサー)安倍総理大臣は今日開かれた自民党大会で、夏の参院選について「選挙のためだったら何でもする、こんな無責任な勢力に負けるわけにはいかない」と述べて、民主党などへの対抗心をあらわにしました。中継です。富田さん。

(富田記者)はい、民主党や共産党など野党の連携に対して対抗心を隠さない安倍総理。衆参ダブル選挙に踏み切る可能性もにらみながら態勢作りを急ぐ構えです。

(VTR)安倍首相「選挙のためだった何でもする。誰とも組む。こんな無責任な勢力に私たちは皆さん、負けるわけにはいかないんです。(拍手)今年の闘いは政治に、国民に責任をもつ。自民党、公明党連立政権対、こうした民主党、共産党、民共の勢力との闘いになります。」

(富田記者)衆参ダブル選挙について、自民党幹部の一人は、来月の補欠選挙の結果や経済状況をみきわめながら、五月中に最終的な判断をするという見方を示しています。国会はこれまで与党ペースで進んできましたが、ここへきて待機児童の問題で不満を訴えたブログが話題を集めるなど、政府与党に対して一気に逆風がふく可能性もはらんでいます。失政をおさえつつ、衆参ダブルの選択肢を残して会期末を迎えることができるのか、安倍総理と自民党にとって正念場が続きます。

Going! Sports&News(3月13日深夜放送、14日午前0時40分ごろ)

(アナウンサー)本日放送のストレートニュースでこのニュースを取り上げた際、安倍総理の発言に関する字幕スーパーが誤っていました。お詫びし、訂正いたします。(一礼)

弁護士

慶應義塾大学卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年より誤報検証サイトGoHoo運営(2019年解散)。2017年からファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)発起人、事務局長兼理事を約6年務めた。2018年『ファクトチェックとは何か』出版(共著、尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。2022年、衆議院憲法審査会に参考人として出席。2023年、Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット賞受賞。現在、ニュースレター「楊井人文のニュースの読み方」配信中。ベリーベスト法律事務所弁護士、日本公共利益研究所主任研究員。

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