【都城市】「商品で勝負します!」福祉という枠を捨てた男たちの戦いがそこにはあった
にんにくマン!
このキャラクターを生み出された方は、社会福祉法人 都城あおぞらさんの「就労継続支援事業所 太陽」でお仕事されている方で、Instagramでは、にんにくマンが飛びまわる動画などチャーミングな姿を見ることができます。「賃金向上委員会」で利用者様(太陽さんで働かれている方)達がアイディアを出してポップを作成。その中で誕生したのがこのにんにくマン!私がにんにくマンと出会ったのは、都城の道の駅NiQLL(ニクル)で、ちょうど地元産の物をと買いに来た時のことでした。物凄く目が合います。
太陽さんのにんにくは以前からちょくちょく購入していたのですが、タイミング的に生にんにくは初めてだったので、傷ませないよう小さいほうを購入。
帰ってから皮をむいて保存の処理をしていると、蓮の花のように美しいにんにくが。こんなに色がきれいなのですね!ちなみに太陽さんのにんにくは国産の「嘉定にんにく」という種類。苗から国産の物をこだわって使用しているので、本当の「国産」です。品種、苗など全てにおいて利用者さんが決めています。
袋を開けた瞬間から、市販品では感じたことない一気に来るツンとした辛味の香りに驚きました!そして見てください、この透き通る粒の輝き!剥きながら愛おしさすら感じます。これが都城産の採れたて生にんにくの魅力なのですね。
数個は醤油に漬け込んでにんにく醤油にしました。出来上がりが楽しみです。他にもホイル焼き、浅漬けなどにばんばん使っています。ちなみに太陽さんには、おすすめの調理法を紹介したInstagramがありますので、是非参考にしてみてください。この発信に関わる一切を利用者様が行っています。現在の太陽さんのにんにく販売店はこちらとなっておりますので、是非お手に取ってみて下さい。生にんにくについてはシーズンが終わりになります。
- テラスタさん
- ながやま都北店さん、若葉店さん、三股店さん、鷹尾店さん
- ニシムタさん
- イオン都城店さん
- イオン都城駅前店さん
- NiQLL(ニクル)さん
- ふくろうの会さん
- 宮丸商店さん
就労継続支援事業所 太陽さん(B型)とは
先ほどの販売先一覧。実はこの販売先も利用者様が自ら営業をかけ開拓されていると聞き物凄く驚きました。今回は有難いことに、太陽さんでお話を伺うことができましたので、にんにくマンの裏側、ご紹介したいと思います!
この方が就労継続支援事業所 太陽さんの管理者、サービス管理責任者であられる菊池智徳さん。精神保健福祉士もお持ちで、お話を伺いながら福祉に対する思いを感じる外柔内剛という言葉がぴったりの方でした。B型事業所とは一般企業での就労が難しい障害のある方へ、必要な訓練や就労の機会などを提供するサービスになります。厚労省の調べでは令和3年度の平均月額工賃は16,507円。時給換算だと233円という金額で、最低賃金に遠く及ばないのが現状です。
こちらはしょうたろうさんと、菊池さん。しょうたろうさんは、なんとフォークリフトの免許を取得されています。太陽さんでは園芸用の軽石を始めとした重量のある製品が多いため、フォークリフトは不可欠です。自ら「免許が取りたいです」と立ち上がり努力され、今では毎月の自社試験もクリアしながら仕事に励まれています。意識高い生き様がかっこいいです。
ちなみに背景の建物は藁や軽石などが置かれた大きな倉庫のような場所で、私という来客があったからではなく、いつもの通り終業したまま、整然としています。
「片づけなさいとは言わずに代わりに『見せる』んです。うちより儲かっている会社さんの中を見せていただく。すると自然と比較をしたり、『ちゃんとしないと』と意識してくれるんです。お金を稼ぐには場を整理しないといけないんだって。するとそれを見た他の利用者さんが真似をする。いわゆる『集団心理』を生かしてるんです。」
太陽さんではすべて利用者様が決めて行動されます。と言ってもそのレベルが凄い。例えばフォークリフトも「取りなさい」という言葉かけはもちろん無く、周囲が取得してできる仕事が増えていくのを見て「自分も!」と一念発起する。そしてその費用も自分の工賃で工面する為に、仕事へのモチベーションにもなり効率が上がる。というプラスの連鎖で、現在利用者様の80%がフォークリフトの免許を取得されているのだそうです!ちなみに資格取得は様々に派生中。
こちらは園芸用の藁。この藁も営業担当の3名が営業をかけて契約をし、納品されています。その営業マンは症名のある方々ですが、それぞれの凸凹をそれぞれの強みで埋めることで、物凄い営業パワーを発揮され「契約を取りすぎる」事態が発生!慌てて菊池さんがストップをかけたのだと大笑いしながら話して下さいました。営業先も、もちろんその3名で決めています。
「利用者さんが上を見て出した答えには、変化を恐れません。建物が必要だってなった時には、じゃあどうする?で即実行、そして建てました。留める方法じゃなくて拡げる方法を考えてくれるので。」その「どうする?」には実現するために何が必要かを徹底的に考える話し合いが詰まっています。
目指すのは世界だった!
「障害のある方が作ったという触れ込みで売りたくない。それも利用者さんが話し合って決めました。それで売り上げが落ちても、工賃が上がらなくても、自分達が作った『商品』で勝負したい。一般企業様と戦うことになるので、かなりハードな道なんですけど、それでもいいと今の販売方針になっています。」
飾りをつけないと売れないような商品は作らないという、当事者の方の思いが形になり、宮崎県の中で工賃1位(約140事業所中)を18年継続しているのだとか!更に全国で工賃40位台(約14,000事業所中)にランキング。「だったら分かりやすく日本一を取ろうと。でもそうなるとB型じゃ収まらないよねって話になって、じゃあどうする?ですよ。そこから世界に飛び出そうって話になって、今少しずつ動き出しているんです。」
お話を伺いながら、どこまでも未来志向で私も物凄くワクワクしました。だって「じゃあどうする?」が飛び出したら、どこまでも展開していくんですよ?例えば、都城の飲食店さんとのコラボなんかも全然OK!お声をいただければ直ぐ検討(どうする?会議)するのでと笑いながら仰る菊池さん。管理者さんがこのスタンスだから、利用者様が安心して思いをぶつけることが出来るのでしょうね。「男性の利用者さんばかりなんですけど、女性の方も歓迎ですよ!ご興味があれば是非お声がけください。合う仕事を一緒に探しましょう!」
どこまでも攻めの姿勢で展開を続ける「都城あおぞら(太陽)」さん。今まで商品でしか繋がってこなかった作り手さんの先に、こんなにかっこいいストーリーがあっただなんて、想像すらしていませんでした。次はどんなストーリーが始まるのか、とても楽しみですね。これからより一層スタミナが必要になる夏を迎えますので、あのにんにくマンに見つめられたら、是非皆様もお手に取ってみてください。地産地消、地元の商品をどんどん食べましょう!
※取材時に都城あおぞらさんより上記写真商品をご提供いただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。
●DATE●
・場所
社会福祉法人 都城あおぞら (就労継続支援事業所 太陽)
宮崎県都城市志比田町5641番地6
・定休日
日曜日・祝日(月2回程度水曜日も休みになります)
・電話番号
0986-24-7023(TEL) 0986-24-7034(FAX)
・太陽さん公式Instagram
・太陽さんのにんにく・料理Instagram
※にんにくは各販売店ならびに太陽さんでも購入が可能です。