主な新興国/米国経済ニュース(24日)
米プロクター・アンド・ギャンブル、ヒーリー北米事業統括責任者が退社へ
米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル<PG>の北米事業統括責任者であるメラニー・ヒーリー氏が来年、退社することになった模様だ。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が22日に伝えた。
これは22日付の従業員向け社内連絡メモで明らかになったもので、生産品目の絞り込みなど利益改善を目指した経営合理化の一環と見られる。ヒーリー氏は現在のアラン・G・ラフリーCEO(最高経営責任者)の後継者の有力候補の一人と見られていただけに、ヒーリー氏の退社で後継者争いは有力候補が5人から4人へ一段と狭められた格好だ。4人は、ヘアケア製品部門のデイビッド・テイラーと化粧品部門のデボラ・ヘンレッタ、洗剤・トイレ・台所製品部門のジョバンニ・チゼラー二、乳幼児用紙製品部門のマーティン・リアントの各グループ社長。
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米ボーイング、2014年7-9月期利益・売上高予想上回るも株価急落
米航空・宇宙大手ボーイング<BA>が22日に発表した2014年7-9月期(第3四半期)決算は、民間用旅客機の生産が好調となり、純利益が前年比18%増の13億6200万ドル(約1460億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同23%増の1.86ドルとなった。また、調整後の1株当たり利益は2.14ドルとなり、アナリスト予想の1.97ドルを上回った。
売上高は同7%増の237億8400万ドル(約2兆5500億円)となり、アナリスト予想の229億8100万ドル(約2兆4600億円)を上回った。ジェームズ・マックナーニCEO(最高経営責任者)は受注残も過去最高の4900億ドル(約52.4兆円)に達したとしている。
また、2014年通期の業績見通しについては、調整後の1株当たり利益を従来予想の7.9-8.1ドルから8.1-8.3ドルへ上方修正した。売上高の見通しは875億‐905億ドル(約9.4兆‐9.7兆円)と、従来予想通りのままとしている。
しかし、ボーイング787型機の増産で部品購入などの資金が必要になっているのに対し、7-9月期の営業キャッシュフローが前年比61%減の16億8900万ドル(約1800億円)と、現金が乏しくなっていることや、通期の営業キャッシュフローの見通しにも大きな改善が見られなかったことから失望売りが広がり、同社の株価は22日、4.46%安の121.45ドルで引けた。その後の時間外取引では米東部時間午後7時59分時点で、0.21%高の121.71ドルと、やや値を持ち直している。
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ロシア石油大手ロスネフチ、財務省に5兆円超の資金融通を要請
ロシアのアントン・シルアノフ財務相は22日、記者団に対し、ウクライナ危機に絡んだ欧米の対露経済制裁で外部資金の調達が困難となっているロシア最大の国営石油大手ロスネフチが財務省に対し、年金制度を支えるための国民福祉基金(NWF)から2兆ルーブル(約5.2兆円)超の資金を融通するよう要請していることを明らかにした。モスクワ・タイムズ(電子版)が伝えた。
ロスネフチでは、対露制裁で西側の先端技術の導入や資金の調達が困難になったため、550億ドル(約5.9兆円)の債務返済だけでなく、油田開発や石油精製所の近代化に必要な石油生産関連設備の輸入も困難になる可能性があるとしている。
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ロシア、インフレ率は8.3%上昇に加速―2014年全体で8%超えか
ロシアのアレクセイ・ウリュカエフ経済発展相は22日、記者団に対し、同国の今年のCPI(消費者物価指数)で見たインフレ率は8%を超える可能性が高いとの認識を示した。ロシアのプライム通信(電子版)などが伝えた。
これより先、経済発展省では9月に今年のインフレ率を7.2%上昇から7.5%上昇へ下方修正(悪化方向)したばかりだった。また、中銀もクセニア・ユダエバ第1副総裁「がロシア連邦統計局の毎週のインフレデータを見ると、すでに現時点でインフレ率は前年比8.3%上昇と、8%を超えている」と指摘しており、エリビラ・ナビウリナ総裁も今年のインフレ率をおよそ8%上昇になるとの見通しを示している。
中銀は7月下旬に、ウクライナなどの地政学的リスクやルーブルの急落の影響でインフレが悪化するリスクが高まっていることから、インフレ期待が高水準で続く可能性があり、今後数年間、インフレ率は高止まりする恐れがあると警告している。
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ソフトバンク、インドネシアのEコマース最大手トコペディアに出資へ
ソフトバンクは22日、傘下のソフトバンク・インターネット・アンド・メディア(SIMI)を通じて、米ベンチャーキャピタルのセコイア・キャピタルなどと共同で、インドネシア最大のイーコマース(電子商取引)サイトの運営会社トコペディアに総額1億ドル(約110億円)を出資することを明らかにした。
この出資に伴って、SIMIとセコイアの両社はトコペディアに取締役を派遣する予定。トコペディアは、個人や企業が無料でオンラインストアを開設することができるEコマースサイトを運営することを目的に、2009年8月17日に創業している。
ソフトバンクは、発表文で、「今回のパートナーシップを通じて、今後さらにアジアナンバーワンのインターネットカンパニーを目指すとともに、グループ内のインターネット企業群とのシナジーを創出することでさらなる事業成長を目指す」としている。(了)