「子連れ出勤」するときに気を付けるべき「密集ストレス」
「子連れ出勤」は、出勤するまでが大変すぎる!と私は思っています。
職場に保育所を取り入れたり、親以外のスタッフが子どもの面倒を見るといった「子連れ出勤」制度を導入する企業が増えています。とはいえ「子連れ出勤」のメリット・デメリット両方あるわけですから、賛成・反対、いろいろな意見があるのも当然です。しかしそのほとんどが出勤した後、職場での話。見落としてはいけないのは出勤するまでだと私は思います。
職場が近くて徒歩や車で出勤できるのであれば問題ありません。しかし電車で「子連れ出勤」しなければならない人は、想像しただけで「ゲンナリ」するはずです。
特に満員電車は気を付けるべきです。怒りっぽい人でなくとも、何気ないことでイラッとしたり、ムカッとしたりしてしまうもの。「パーソナルスペース」という言葉をご存知ですか? 不快に感じる他人との距離のことをそう呼びます。私は営業コンサルタントですので、この「パーソナルスペース」は強く意識します。お客様との商談をするときに、適切な「距離」というものがあるからです。
知らない人同士が会話をする、もしくは商談をする場合に適切な距離は、「1.2~2メートル」と言われています。ごく親しい人に許される空間は「15センチまで」ですから、正直なところ、満員電車の中はストレスがたまって当然。
満員電車の中ではイライラする、という事実は研究データからも立証されています。「臨戦態勢の戦闘機パイロット」「機動隊の隊員」「電車で会社に通勤する人」の心配数、血圧を測定したところ、電車通勤の人が最も高い数値を示したそうです。混雑している場所では、「闘争」&「逃走」のためのストレスホルモン、アドレナリンが過剰分泌されるからです。
このように「密集ストレス」を感じるような場所・空間では、普通の人でもイライラしやすく、怒りっぽくなるのです。満員電車だけでなく、行楽シーズンの観光地、野球やサッカーなどのスタジアム、コンサート会場などでも同様。人が密集している場所に、まだ幼い子どもを連れていくと、周囲の人に不誠実な態度をとられるリスクがあることを覚えておきましょう。
「子連れ出勤」は、たとえ職場で理解されたとしても、職場にたどり着くまでの道のりにおいて理解されるかどうかは別問題。かといって電車が満員になる前の早朝に移動できるかというと、幼い子どもがいる限り、そう簡単ではありません。職場は、「子連れ出勤」する人の出勤時間帯もかなり柔軟な対応をすべきでしょう。