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「今すぐやる」べきことランキング ……第一位はなんだ?

横山信弘経営コラムニスト
今すぐやるべきことは、他人のスケジュールを確保すること(写真:アフロ)

「やるべきこと」の優先順位

何事も「すぐやる習慣」を身に着けると、日頃からストレスがたまらなくて済みます。すぐやるには、あなたがポーター(荷物の運搬などを主業務とするホテル従業員)だとイメージし、やるべきことを台車の上に置いた「荷物」だと考えればよいのです。これを「台車理論」と呼びます。

重そうな荷物を台車に載せ、砂利道の上を押すのは気が進まないでしょう。したがって、荷物を軽くし、滑らかな路面を選び、少しの力をかけて押せば台車は動きます。

「軽い荷物を、軽い気持ちで、軽く押す」

――感じで、やれば「すぐやる」ことはできます。これが「台車理論」の基本です。(※詳しくは「今すぐやる人」に「今すぐなる」のは無理だが、1年後には「今すぐやる人」に変身する方法を参考にしてください)

とはいえ、荷物が複数あるとき、どれを先に運搬すればいいのか優先順位を考えなければなりません。仕事ができる人とできない人の差は、ここに出てきます。なんでもかんでも「すぐやる」ことができれば、うまくいくわけではないですから。ポイントは2つ。運搬する「荷物」と運搬する「場所」です。

第3位は「荷物の中身が劣化するケース」

ランキング形式で紹介しますが、3つしかないので、まず第3位です。3位は「荷物の中身」です。荷物の中身が時間の経過とともに劣化してしまうものであれば、優先順位は高まります。氷であったり、暖かいスープをイメージしてみればわかりやすいでしょう。台車の上に載せた荷物が「氷」であれば、放置しておくととけていってしまいます。暖かいスープであれば冷めていってしまいます。

たとえばある資格をとった友人の話を聞いて「自分も資格取得にチャレンジしよう!」と気持ちを熱くしたり、上司から「今期こそは目標を絶対達成しよう!」と言われ、「わかりました!やります!」と強い気持ちを持った場合です。このように熱い思いをもったとしても、すぐに何らかの行動をとらなければ確実にその熱情は冷めていきます。時間の経過とともに、荷物の状態が劣化するようなものは、はやめに運搬するようにしましょう。

第2位は「目的地が人であるケース」

それよりも優先順位が高いのは、「場所」が人であるケースです。ポーターが部屋や倉庫などに荷物を運搬するのであれば、20分、30分ぐらい遅れても、それほど支障はないかもしれません。しかし運搬する目的地が人であり、その人が荷物の到着を待っているのであれば、すぐさま持っていかなくてはなりません。

先述したように、自分の情熱に火がついた内容であれば、できる限りはやくスタートさせたほうが、その火が消えることはないでしょう。しかしたとえやらなくても自分だけの問題で済みます。ところが、自分がその「やるべきこと」をすぐにやらないと、他の人の作業に支障が出る場合は、優先的に取り掛からなければなりません。チームで仕事をしているとき、お客様に何らかの提案をするときなどがこれにあたります。

第1位は「目的地が移動するケース」

目的地で人が待っているケースなら、最悪の場合、その人から連絡があります。「何をやってるんだ! はやくしろ」「すぐに持ってきて!」という指摘がされるでしょう。ところが、目的地が人であろうが場所であろうが、こちらの動きを待っていないケースならどうでしょうか。

たとえば夕方4時のバスに乗ろうとしている人がいるとします。その人が、ホテルから荷物を届くのを待っているのであれば、たとえ荷物が遅れたとしても待ってくれるでしょう。しかし気付いていないケースなら、待ってくれません。4時にバスが来たら乗ってしまい、ポーターが運搬すべき目的地が移動していってしまいます。

よくあるケースは、他者のスケジュール確保です。たとえばお客様にあるイベントに来てもらおうというケースがあったとします。そのイベントが2ヶ月先なので、声をかけるのはもう少しでも後でいいか、と考える人がいますが、この発想はいけません。今すぐ連絡すればスケジュール確保できるかもしれませんが、1週間後だともうその日のスケジュールは埋まっているかもしれないからです。これは社内の人のスケジュール確保でもそうです。

相手がその事実を把握しているのなら、「いつスケジュールを押さえればいいか教えてくれ」と言ってくれます。しかしそのことに気付いていない人であれば、早め早めに行動しなければなりません。ホテルや飛行機などの予約も同じです。直前になってバタバタしていると期待通りの結果を得られないことが往々にしてあります。

目の前に膨大な「やるべきこと」がある場合、何を「すぐやる」べきなのか、自分なりの物差しを持つことをお勧めします。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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