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なぜEUは中国と投資協定を結んだか:国家資本主義を国際条約で取り込み、圧力をかける戦略だ

今井佐緒里欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者
12月30日、投資協定でビデオ会議を開く習近平とEU首脳の4人。(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

ブレグジットのせいで報告が遅れてしまったが、昨年末の2020年12月30日水曜日、欧州連合(EU)は、国際的にとても大きな転換点となる協定を結んだ。

中国との投資協定の合意である。7年間も協議をしてきて、やっと合意に至った。

日本では「EUが中国に擦り寄っている」という報道が見られるが、事実はまったくの逆だろう。トランプ大統領のアメリカに傷めつけられた中国が、国の姿勢を変えるのにつながる大幅な妥協をして、EUに擦り寄ったのだ。

EUの最終目的は、中国に不公正な競争を終わらせることである。そのために「条約」という枠組みが必要だと考えた。条約は国際法であり、中国を国際法の枠組みの中に入れて、集団的圧力をかけようとしているのだと思う。

内容には、知的財産権の尊重をより保証し、技術の強制移転を禁止し、中国国有企業への補助金の透明性を高めなければならないというものが含まれる予定という。

条約ならば、従う法的義務が生じる。もしこれが条約として実現すれば、日本企業にとっても大きな恩恵となりうる。今まで努力して素晴らしいものを生み出した日本人や日本企業は、どれほど中国の国際ルールの無視ぶりに泣かされて、悔しい思いをし、煮え湯を飲まされてきたことか。ぜひEUに頑張ってもらいたい。

EUは、ブレグジット交渉でも見られたように、「公正な競争条件」に大変厳しい目を持っている。これは27カ国で単一市場をもっているEUのDNAと言える。

トランプ大統領が、アメリカという世界最大の力と圧力で相手を追い込み屈服させ譲歩を引き出す手法をとったのなら、EUは条約という法的枠組みに相手を取り込んで集団で圧力をかけるやり方を取る。結果論だが、欧と米の良いコラボが実現して、中国の妥協と変化が引き出せたと筆者は思う。

そして今回の協定は、もうすぐ政権が変わるアメリカに対し、欧州のメッセージを届けることが重要なので、合意を急いだものと思われる。

国際法と集団的圧力

中国でビジネスを成功させながら、中国による自国企業への投資や買収を制限することはできない。それがグローバル化である。

それに、外国でビジネスを展開したり工場をもったりすれば、技術の移転はやむを得ない部分はある。

しかし中国の問題は、共産党一党独裁政治のもと、国家資本主義という思想で、国家統制でビジネスを行ってくることだ。中国を相手にする国は「平等でもなく公正でもないフィールド」で勝負することを強いられるのだ。

このことを、日本人はとっくの昔に知っていた。しかし日本一国ではどうすることもできなかった。日本は数々の優秀な技術をもっていたのに、巨大中国の国家資本主義を前に、精一杯の抵抗と防御で臨むしかなかった。

そして中国を前にした日本の没落を「これも時代の変化か」と自分たちを納得させようとしていた(ただし、東アジア地域包括的経済連携協定(RCEP)の実現の努力は実った。大きな成果だ)。

一方欧州は、27カ国が集まったEUという大きな力で、中国の制度そのものに挑戦しようとしているのだ。

やっと中国のリスクに気付き始める

欧州が中国の理不尽さに気付き始めたのは、日本よりかなり遅かった。

筆者の観察では、西欧のレベルで気付き始めたのは2010年代後半で、ドイツのほうは経済の側面から、一拍遅れたフランスは政治や軍事の側面から気付いたという印象をもっている。

経済大国ドイツは、欧州では中国の最も重要な貿易相手国である。

2019年の両国間の貿易量は2060億ユーロに達し、ドイツ企業が中国に輸出したのは960億ユーロで、中国からドイツへは1100億ユーロ相当の商品が販売された。

これらの貿易は、中国とEUの貿易総額の約3分の1を占めている。中国市場への依存度が非常に高い機械、自動車、電気工学、化学品など「メイド・イン・ドイツ」に欠かせない産業が主要である。

ドイツは中国市場のダイナミズムの恩恵を受け続けることを望んでいるとしても、今はそれをいかなる代償を払ってでもというのは拒否していると、フランス「ル・モンド」紙は報告している

リーマンショック危機による2009年の停滞の後、中国の注文によってドイツは目覚ましい経済回復を遂げた。2010年代初頭の陶酔感の後は、堅調な成長を遂げたのだが、ベルリンの北京に対する不信感は徐々に定着してきた。

2010年代の半ば以降、ドイツの財界や政界は、予想に反して、貿易の拡大、対中直接投資、それに伴う技術移転が、中国経済の開放性を高めることもなければ、企業にとってより公平な条件に到達することもないことに、やっと気付いたのだ。

狙われるドイツのハイテク企業

それどころか2015年、北京は「メイド・イン・チャイナ2025」戦略を採用し、航空・宇宙、高速鉄道、電気的移動度など、重要な鍵と考えられる10の産業分野で、技術的なリーダーシップと自律性を確保すべきだとした。

これらの分野では、巨額の国家支出に後押しされた中国のイノベーションは、最終的には海外からの輸入品に取って代わるに違いないと思い始めた。

その後数年の間にドイツは、ドイツのハイテク企業に対して、権力に近い中国のグループの貪欲さがどんどん高まっていくことに対して、懸念をもつようになった

2016年から、ドイツのロボットの真珠であるKuka社が、中国のMideaグループに徐々に乗っ取られたことは、最初の衝撃だった。

2018年、ドイツの象徴的な自動車グループであるダイムラーの資本に中国のGeelyが参入したことの驚きは、もう一つの警鐘となった。

ドイツの経団連「BDI」の方針転換

2019年の初め、ドイツの経団連であるドイツ産業連盟(BDI)は、ポジション・ペーパーを発表した。これは大きな転換点となるものだった。「ドイツと欧州経済は、中国を貿易パートナー国としてだけでなく、『制度上の競争相手』としても考えなければならない」と示したのだ。

このペーパーは、ドイツが中国との関係において、ある意味「うぶ」であった時期は終わったと認めているという。

この中で、中国が提起した挑戦への対応は、ヨーロッパのものでなければならないことを説得しようとしている。BDIの見解では、EUは、米国や中国に対して「より団結して」「より自信をもって」いることを示し、「野心的な産業政策」によって「競争力を強化」することを示さねばならず、そのことはインフラと主要テクノロジーへの公的投資に基づいていなくてはならないというのだ。

一つの加盟国が何か新たな政策や方針をもったら、それを27カ国のEUレベルのものにしようとする努力は、欧州では日常的に行われている政治である(さらに、EUは内容によっては、EU標準を国際標準にしようとする努力が続く)。今回のドイツ経済界の要望も、同じ路線上にあった。

そしてEUレベルでの政策へ昇格

ヨーロッパ人(英国を除く)の対中投資額は約1500億ユーロ、逆は約1130億ユーロである。

EUは合意について、欧州と中国は「非対称的」と判断された関係の「相互のバランスを取り戻すのに役立つだろう」と述べている。

非対称的というのは、EUの単一市場は中国企業に大きく開かれているのに、アジアの巨人中国は、国内の巨大企業を促進して、外国人投資家にはセクター全体を閉じているという意味である。

この条約は、中国の起業家にとって「平等で公正な競争の場を大幅に改善する」と、EUの声明は述べている。また同様に、知的財産権の尊重をより保証し、技術の強制移転を禁止し、中国国有企業への補助金の透明性を高めなければならないとしているのは、前述のとおりだ。

一方で、国営新華社通信によると、習近平国家主席は、この合意は「開放性の高さを促進するという中国の決意を示している」ものである。特にヨーロッパ人に「より強力な制度的保証」と「協力のためのより良い見通し」を与えるものだという。AFP通信が報じた

これは中国側の妥協ともいえるだろう。

メルケル首相のイニシアチブ

ドイツは2020年後半は「EU議長国」だった。議長国とは、27カ国の加盟国が半年ずつ、輪番制で担当するものだ。前後の2カ国と共に3カ国で協力しながら、目標の達成を目指す(ちなみに前はクロアチア、後はポルトガルだ)。

加盟国の中には様々な意見があったが、なんとかメルケル首相は合意に間に合わせることができた。前述の「ル・モンド」の報道によると、メルケル首相はこの機会が唯一のものであることを知っていたという。

彼女は引退が間近だし、議長国は14年に1回しかまわってこないのだ。ドイツが議長国であることで、メルケル首相には、議長国に与えられる必要な推進力と権限が与えられた(EU加盟国の首脳にとっては、自分が政権にある間に議長国がまわってくるだけでラッキーで、大きな政策を立て手柄を立てるチャンスとなる)。

一方では、1月20日ワシントンでバイデン大統領に政権が移行すれば、彼女には操縦の余地が減ることがわかっていた。

新型コロナウイルスの大流行により、ドイツは特に健康と技術の分野で、北京とワシントンの睨み合いの中で、欧州の「主権」を緊急に強化する必要があると感じていたという。

新年のスピーチを12月30日に録画した際のメルケル首相
新年のスピーチを12月30日に録画した際のメルケル首相写真:代表撮影/ロイター/アフロ

東西統合したドイツの痛みと転換

ドイツにとってこの転換は、対中国という以上のものがあった。

前述の「ル・モンド」の記事では、「ドイツ連邦は、伝統的に自由主義的であり、それゆえに『産業政策』という概念には敵対的であったのに、これは大きな転換点である」と述べている。

どういう意味だろうか。

世界経済の大恐慌からナチスによる国家統制の時代を経て、ドイツは冷戦で二分割された。共産主義による国家統制経済であった東ブロックは、ベルリンの壁崩壊によって終わりを告げ、冷戦は終了した。そして勝利した西ドイツは、東ドイツを吸収することで様々な困難を味わってきた。

だからこそ彼らは、西側の「自由主義」を守り続け、「産業政策」という東側の共産主義のような、政治が経済を力でコントロールするような政策を、懸命に否定してきた。否定どころか、敵であるかのように考えて、今まで歩み続けたきたのだろう。それを、中国という相手を前に「政治の力と統制がないと、自由経済を守れない」と悟って、方向転換を決意したーーという意味ではないだろうか。

このような歴史は、ドイツの「うぶさ」の原因の一つかもしれない。でも、この痛みは、結局東側に占領されることもなければ、隣国に共産主義国家をもったこともないフランスや他の西側の国々には、わかりにくいところがあるのかもしれない。

そしてここに、旧共産圏だった東欧を含む27加盟国が、最終的にこの中国との投資協定に同意した理解の鍵があるように感じる。

そしてドイツはーーこれが現代のドイツ政策の最大の特徴かもしれないがーードイツだけの政策ではなく、欧州の政策という形に落とし込もうとするのだ。

他の加盟国もみんな行っていることではあるが、特にドイツで顕著だと思う。これは第二次大戦で隣国を占領した経験をもち、彼らからの厳しい視線が消えてはいないドイツの処世術でもあるだろう。EUをドイツの帝国のように見る人々は、この事実と、連合(Union)という概念そのものを、理解していないのだと思う。

アメリカ新政権へのメッセージ

ドイツ経団連のペーパーによって議論が開かれて、その後2019年3月12日には、欧州委員会が発表したポジション・ペーパーで、中国は「制度上のライバル」「戦略的な競争相手」という概念が取り上げられた。

中EU投資協定は、このペーパーの勧告を具体化したものである。

最終的な批准までには多くのステップが残されている。

法的・技術的に最終的な文書を完成させねばならず、それには何ヶ月もかかる可能性がある。さらに、欧州議会での批准が必要だ。

しかし、内容よりもタイミングや方法論のほうが重要であるとみなされたようだ。これは、ワシントンへのメッセージでもある。4年間のトランプ主義でやけどを負った欧州は、中国との厳しい対立に引きずられるつもりも、自分たちの価値観を捨てたりするつもりもないということを、告げているのである。

「この条約は、欧州が投資問題で結束し、グローバル・ルールの採用において強力なプレーヤーとなるための重要な一歩である。EUは、社会基準の問題で中国を譲歩させる最初のグローバルプレーヤーである」と、ドイツの経団連「BDI」のヨアヒム・ラング事務局長は、両者の合意のあった日に自身のLinkedInのアカウントで述べた。

そして、ドイツ自動車工業会(VDA)のヒルデガルト・ミュラー会長も合意に歓迎の意を示したという

強制労働問題でフランスの条件

EUレベルで同意がなされるにあたって、問題となったのは、新疆ウイグル自治区での強制労働の問題である。

特に欧州議会は、この問題を重要視している。

専門家やNGOは、共産党政権が中国西部の新疆ウイグル自治区の「再教育収容所」で100万人以上の少数派ウィグル人のイスラム教徒に強制労働を行わせたことを非難している。米国の調査によると、少なくとも57万人のウィグル人が強制的な綿花プログラムに参加しているという。

なんと中国は、国際労働機関(ILO)の基本条約の批准をしていない(基本条約は最優先条約ともいい8つある。ちなみに驚くべきことに、日本もこのうち2つは批准していない)。

中国は「強制労働を禁止を含む国際労働機関(ILO)の基本条約の批准に向かうことを約束する」とEUの声明で述べることになった。ただし、声明なので拘束力はない。

このような措置がとられた経緯についてだが、ドイツがイニシアチブをとったこの協定に、フランスは条件をつけて同意したことがある。そのうちの一つが、この強制労働の問題だった(その他にも「持続可能な発展」についてパリ協定の約束を守ること等)。

フランスのリーステール貿易・魅力担当大臣は、「ル・モンド」紙でのインタビューで、「我々は、ILOの基本条約、特に強制労働の廃止に関する条約の承認については、中国とまだ十分な約束が得られていません」「ベルギー、ルクセンブルク、オランダなど、複数の加盟国がフランスの要望を共有しました」と語っている。

フランスのリーステール貿易・魅力担当大臣
フランスのリーステール貿易・魅力担当大臣写真:代表撮影/ロイター/アフロ

しかし、これだけでは欧州議会の議員を安心させるには足りなかった。

昨年2020年12月中旬、欧州議会で、中国でウィグル、カザフ、キルギスの少数民族が強制労働をされていることを非難する決議を採択した。このようにして、声明はつくられていった。

フランスの欧州議会議員Raphaël Glucksmannは、北京からの「具体的で検証可能な約束」を取り付けることを求めた。「ウイグルの奴隷を搾取する工場に、外部の者はだれも入って目撃することができません。だから言葉だけなんです」と語った。

フランスは、来年2022年に、EU議長国を担当する。その際に、中国との関係がどのように発展したかを「把握する」予定であるという。

何もかも一度に正すのは無理である。まずは中国を同じ土俵に引っ張り入れて定着させたのち、労働者の問題で中国に圧力をかけていってほしい。

アメリカとの今後の関係

日本では、アメリカ側の視点の報道ばかりが目につく。

日本にとってはアメリカが最も重要な同盟国なので、アメリカの反応や姿勢を知ることはとても重要である。しかし、いくらアメリカの立場からのニュースや分析を読んでも、日本政府の政策の意図が正確にわからないのと同じように、EUの意図はわからない(イギリスも同様である。もう加盟国ではない)。

バイデン新政権を担う人の中には、強制労働の問題がないがしろになっていると前面に押し出して論陣を張り、EUへの懸念を表明する人がいるが、焦点は二つだと思う。

一つは、EUに先手を打たれたので、焦っているのかどうか。もう一つは、トランプ大統領のようにバイデン新政権は、中国に対しては強力な力と圧力でもって対処する政策をしたがっているのかどうかである。

後者についてだが、国際関係に限らず人間の集まりでは、ルールに従わないで良いとこ取りする人には、元々二つの方法がある。トランプ氏のように、相手を力で追い込み屈服させ譲歩を引き出す方法、もう一つは今回のEUのように、相手を自分たちの土俵に取り込む方法だ。どちらも長所短所がある。

ただ、筆者の意見を言うならば、今後、対中で欧と米の間に方法論の違いで対立が生じたとしても、それほど欧米関係は心配していない。この点で欧と米の関係が複雑化し、日本の対中政策への影響が必至になることは、まずないだろうと思う。

そもそも、トランプ大統領が中国を激しく痛めつけてくれたおかげで、中国は妥協してEUに擦り寄ってきて、7年もかかった投資協定の実現に至ったのだ。大きく見れば、米と欧の二大巨頭の民主主義陣営は、二つの方法を駆使してうまくやったと言えると思う。

中国は何年も前から米と欧を引き離すのに必死ではある(よく状況を把握していると関心する。日本は鈍いのに)。今回の投資協定の合意も、アメリカの厳しい攻撃を受けて、EUに擦り寄るというだけではなく、そういう戦略の一部である可能性が高い。

しかし、日本がアメリカとの関係がどんなに冷え込んでも、アメリカを捨てて中国を選択することなど決してないように、欧と米も、共産党一党独裁国家の中国のために決別することなど決して断じてありえないだろう。軍事や経済の問題以上に、価値観の決定的違いである。そのことを中国は理解していないようである。

それにバイデン新大統領は、集団戦略が得意な左派の人間だし、オバマ政権で副大統領をつとめた時代に、欧州外交は経験がある。トランプ氏に痛めつけられた後の欧州に理解を示して、両者のパートナーシップの再構築に努力する可能性が高いのではないか。

オバマ政権時代の欧州の首脳は、もうほとんど全員が交代している。しかし引退間近のメルケル首相だけは、当時のバイデン副大統領と交流があり、この中国との協定を説明して橋渡しをしてから引退できる。そのことも、合意を急いだ理由かもしれない。

長い目で見れば、欧と米は、EUが強くなるにつれて、少しずつ分離していき、ライバル関係の度合いが強くなっている。

しかし、バイデン氏の経歴と思想性、年齢から考えて、向こう4年間で欧米両者の関係に劇的な変化があるとは、あまり予測していない。日本もこの点で影響をこうむることは、おそらくないと思う。楽観的すぎるだろうか。

日本にはチャンスがあるが・・・

冒頭に書いたように、EUは、ブレグジット交渉でも見られたように、「公正な競争条件」に大変厳しい目を持っている。これは27カ国で単一市場をもっているEUのDNAと言える。

条約が実現すれば、中国は従いたくないなら、国際法違反を犯す以外に方法がなくなるのだ。そのようなことをしたら世界の注目と非難を浴び、中国への投資を減速させる。中国経済は低迷し、習近平独裁を揺さぶり、政治が不安定となり、人々の不満の暴発を招くかもしれない。

もしも日本がたった一カ国ではなく、EUのような集団体制をもっていたのなら・・・と想像せずにはいられない。この近隣諸国の状況では、夢物語なのが悲しい。

もし中国をめぐって欧と米の意見が対立する場面が生じたら、G7等を利用して、アジア先進国・民主主義国代表として、日本が仲介役になるくらいになってほしいものだ。日本の国際的場面での存在意義も深まるだろう。でも、欧と米の関係に疎い日本には難しいだろうか。

欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者

フランス・パリ在住。追求するテーマは異文明の出会い、平等と自由。EU、国際社会や地政学、文化、各国社会等をテーマに執筆。ソルボンヌ(Paris 3)大学院国際関係・欧州研究学院修士号取得。駐日EU代表部公式ウェブマガジン「EU MAG」執筆。元大使のインタビュー記事も担当(〜18年)。編著「ニッポンの評判 世界17カ国レポート」新潮社、欧州の章編著「世界で広がる脱原発」宝島社、他。Association de Presse France-Japon会員。仏の某省機関の仕事を行う(2015年〜)。出版社の編集者出身。 早稲田大学卒。ご連絡 saorit2010あっとhotmail.fr

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