赤ちゃんとの外出、怖がらないで!外で昼寝ができない時の対策を小児睡眠の専門家が解説
日々、ねんねの相談を受けていると、
「外出すると、昼寝ができないのが怖くて…外にいけません」
「外出しても昼寝のために2時間以内に帰ってくるようにしています」
「お昼寝が気になって1ヶ月以上ほぼスーパー以外出かけられてないです」
という声を聞くことがあります。
夜泣きの仕組みについて学んでいる方ほど、「昼寝があまりできないと夜泣きにつながる」ということを知って、外出しづらくなってしまったというお声をいただきます。
でも実際は、そんなに気にする必要はありません。それどころか反対にそれを気にしていることによって、ねんねに悪影響を及ぼす可能性すらあるのです。
この記事ではお子さんと気にせずお出かけを楽しめるように、乳幼児育児アドバイザーで小児スリープコンサルタントのねんねママ(和氣春花)がお昼寝と外出の考え方について解説します。
お昼寝が足りないと夜泣きする?
そもそも昼寝が足りないと本当に夜泣きにつながるのでしょうか?
答えは、お子さんと月齢次第!
昼寝が足りなくてもスヤスヤぐーぐー夜に眠ってくれる子もいます。特に2歳以降のお子さんだとその傾向は強くなります。
一方で、赤ちゃんと呼ばれるような0〜1歳ごろの月齢のお子さんだと、お昼寝が足りなかったことによって夜泣きをする可能性は比較的高めになります。
ではどのくらい寝ていれば良いのか?その一つの目安がこちらです。
上記はあくまで目安ですが、これと比較して昼寝の時間が極端に少なくなると疲れすぎて脳の状態に影響を及ぼし、眠りの質が下がって夜泣きも起きやすくなることが考えられます。
また、赤ちゃんが元気に起きていられる時間を大幅にすぎてしまっても、大ぐずりや夜泣きが起こりやすくなります。その目安はこちらです。
このような情報を得ると「やっぱり昼寝ができないと大変だから出かけられない!」と思うかもしれませんね。
でも、そんなことはありません。大切なのはリカバリー方法を知っているかどうかです。
昼寝が十分にできなかった日のリカバリー方法
夜泣きにつながる要因としては上記にも記載した通り、疲れすぎて脳の状態に影響を及ぼしてしまうからです。
逆を言えば、その状態になることを防げさえすれば夜泣きは予防できると考えられます。つまり、
・外出先で寝られなかったとしたら帰宅後に小休止を挟む
というのが夜泣き予防法になります。
そうは言っても、あんまり遅い時間に寝かせては就寝時刻に影響するのでは?と思われるかもしれませんが、時々のことなら気にしないでください。
次の日、またいつもと同じ時間に起床すれば大丈夫です。
この考え方がわかっていると、外で寝られなくてもリカバリーできるようになるので、時計ばかり見て「早く寝かせなきゃ!どうしよう夜泣きしちゃう!」と焦ることもなくなります。
実際、私の運営する「寝かしつけ強化クラス」というねんね相談コミュニティを卒業されていく方の言葉にもこういうものがあります。
「外出すると、昼寝ができないのが怖くて…外にいけません」という方に伝えたいのは、「そんなに気にせずに、外に出た方がいいよ!」ということなのです。
赤ちゃんと外出するメリット
外に出て太陽に当たると、セロトニンというホルモンが分泌されます。これは別名「幸せホルモン」と呼ばれるもので、気持ちを明るくしてくれたり、精神を安定させる働きがあります。
さらに人と会話をすると、オキシトシンというこれも幸せホルモンとされるものが分泌され、ストレスを和らげてくれます。
「赤ちゃんと暮らしていて今こんなことが大変なの」
「全然寝てくれなくてしんどくて」
そんな内容でも他の人に話すことで、ストレスが軽減できるのです。
昼寝ができなくなるのが怖いから…といって、ずっと家にひきこもっていてはどんどん自分の思考が内向きになってしまいますよね。
外出できないストレスも溜まり、そのストレスで赤ちゃんに強く当たってしまったりして、自己嫌悪になる…そんなサイクルにもなりかねません。
それを防ぐためにも外へ出て太陽の光を浴び、人と話すことでリフレッシュすることが大切です。
さらに、赤ちゃんにもメリットがあります。
太陽に当たると分泌されるセロトニンというホルモンは、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの材料になります。
日中に外に出かけて日光を浴びて赤ちゃんの体の中でもセロトニンが分泌していれば、それが夜には睡眠ホルモンに変わってスムーズな眠りに導いてくれる効果も期待できるのです。
そんなふうに聞くと、ちょっと出かけてみようかな…という気持ちになってきませんか?
ねんねは1日ごとに評価しなくていい
それでもやっぱり外出先で昼寝できないのが気になる!外に行くと寝られない!という懸念はあると思います。
ぜひ、1日ごとに評価しないことを心がけてみてください。
今日の睡眠はしっかりとれたかどうか、お昼寝は何時間できたか、というのを数字で見ていませんか?
もちろん夜泣きをなくしていくためには時間の管理も大事ですが、やりすぎは禁物です。
例えば
- 今日外出していてお昼寝できなかったら、明日は家で落ち着いて寝られるようにしてあげよう
- 今日明日は外出が続くから、明後日は近所散歩するくらいにして家にいよう
など、そんな感じでOKです。
2-3日でバランスをとっていくイメージを持ってみてください。
細かく気にしすぎず、外に出ることも大事だと覚えていただけると嬉しいです。
こうやってねんね関連の記事を読んで学んでくださっている方は、昼寝のことを気にして外に出られないくらいしっかり管理しようとしているということですよね。
本当に、充分頑張ってます。
お母さんとして、お父さんとして、持っているパワー以上の力を出しながら、頑張っていらっしゃると思います。
だから、普段の自分の取り組みに自信を持ってください!
培ってきたねんね力はそんなことでは乱れません、すぐに戻ります。
むしろ外出に慣れて外で寝られるようになってくれたり、気にせず出かけられるようになったら、楽しく過ごせてラクになりますよ。
だから、昼寝が乱れる!ということは気にしすぎず、「まぁ夕方帰って寝かせればいいや」とか「今日寝られなかったとしても、明日家で過ごせばいいや」などのように、適度に、適当に、肩の力を抜きながら取り組んでみてくださいね!
▼YouTube動画でも詳しくお話しています。