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【京都市西京区】住職のユニーク説法が人気 一年中鈴虫が鳴く寺 歩いて行ける西山松尾谷新緑満喫ツアーを

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)
新緑に覆われる浄住寺 2024年5月2日

 阪急上桂駅から徒歩10分の松尾谷には、苔寺、鈴虫寺、浄住寺、地蔵院と歩いて行ける名刹が4つあります。2024年5月2日に散策すると、いずれも境内や庭園が見事な新緑に覆われています。但し、作庭の名手でもあった高僧、夢窓国師が臨済宗の禅寺として再興し、金閣や銀閣などの庭園の原型になったともいわれる庭園を有することでも知られる西芳寺(苔寺)はネットかはがきによる予約が必要です。

新緑に覆われる西芳寺(苔寺) 2024年5月2日
新緑に覆われる西芳寺(苔寺) 2024年5月2日

 この日、「妙徳山 華厳寺 鈴虫寺」を訪れると、平日ですが、ゴールデンウイーク半ばということもあって、国内外問わず大勢の観光客が参拝に訪れていました。福井、広島、名古屋、栃木、東京など全国各地から来ているようでした。

 参拝の人たちには、まずは書院へ入り、最盛期には3000匹いるという鈴虫の音色を聞きながら、住職や副住職の鈴虫説法を聞いてもらいます。これも、寺院本来のあり方を常々大切にするからこそ、「説法」の時間を設けているといいます。お茶とお菓子が出されるのも、禅宗の教え「茶礼」に基づいた考えなのだそうです。

鈴虫寺掲載許可済み
鈴虫寺掲載許可済み

 そしてこの説法がユニークで面白い! 元々奈良の東大寺と同じ華厳宗から150年前に臨済宗の禅寺になったことや80年前8代目住職が「儚く鳴いている鈴虫の音色を聞いて悟りを開き、1年中鈴虫の鳴く環境を作りたい」と28年かけて研究を重ねた結果に鈴虫寺となったことなどを分かりやすく解説。

桂紹寿住職 鈴虫寺掲載許可済み
桂紹寿住職 鈴虫寺掲載許可済み

 日本で唯一、人気の幸福地蔵さんが草鞋を履いているのは、一度お参りしたらその家まで歩いて出かけてくださるからだそう。「普段からぶすっとしていることは縁をきってまわっているんやで、いつもにこやかに笑顔で過ごしていると幸せが訪れる……」と40分近い説法が終始楽しすぎてあっというまに終わっていました。終わった後に見て回った回遊式の庭園でも新緑が美しい輝きを放っていました。

 鈴虫寺・苔寺道から地蔵院、浄住寺への参道が続いています。境内中が新緑に覆われた浄住寺では、5月6日まで特別拝観が行われています。参道から続く本堂への階段が新緑のトンネルとなっていて、まっすぐ上った先に衣をまとい、前結びの帯を締めた中国風の姿の本尊釈迦牟尼仏坐像が安置されている様はまさに心洗われる幽玄の世界です。

 葉室山浄住寺は、平安時代の弘仁元年 (810)、嵯峨天皇の勅願寺として第3世天台座主・慈覚大師円仁によって開創されたと伝わります。南北朝時代以後、度重なる兵火により荒廃、元禄2年 (1689) に黄檗宗の僧である鉄牛禅師を中興開山として再興され、黄檗宗寺院となり現在に至っています。

 四季折々の風情を醸し出す楓と苔の絨毯、境内を覆う竹林の美しい地蔵院でも、山門を一歩踏み入れると神秘的な世界が広がっていました。もともと、この地は今から800年近く前、内大臣藤原家良が山荘を営んだ処で、南北朝時代の貞治6年(1367年)室町幕府の管領細川頼之が夢窓国師の高弟宗鏡禅師を招請して伽藍が建立されました。これが現在の地蔵院です。

新緑に覆われる竹の寺 地蔵院
新緑に覆われる竹の寺 地蔵院

 本堂内には本尊の地蔵菩薩を中央に夢窓国師・宗鏡禅師・細川頼之公の各木像を安置しています。みなさん、寺院に行ったらただの観光客にならずに仏様に手を合わして参拝してくださいね! ちなみにおもてなしタクシーなどタクシー観光も便利ですよ!

「妙徳山華厳寺鈴虫寺」(外部リンク)京都市西京区松室地家町31 075-381-3830

「葉室山 浄住寺」(外部リンク) 京都市西京区山田開キ町9 075-381-6029

「竹の寺 地蔵院」(外部リンク) 京都市西京区山田北ノ町23番地 075-381-3417

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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