日本の食卓からコメがなくなる日
待ったなしと言っていい。日本のコメの話である。昨年末に農水省が発表した資料を見て「30年先、コメが食べられなくなるのでは」という危機感に襲われた。そしてそれはまったくオーバーな話ではない。
人口減を凌駕する主食用米の需要量の激減
深刻なのは、主食用となるコメの需要量減に歯止めがかからないどころか、加速したことだ。例えば1996年には主食用米として944万トンの需要があったのに、たった23年後の2019年には22%減の735万トンにまで落ち込んだ。
グラフを細かく見ると、この数年は年1%以上、10万トンずつ下降している。人口減や高齢化の影響はあるにしても、下降曲線に踊り場がなくなった。底が抜けたと言っていい状態だ。
業界の一部からは「生産量はそこまで減っていない」「需給バランスはそれなりに取れている」という声も聞こえてくる。
だが近年、どの生産地に行っても高齢化などで廃業した小規模コメ農家の田んぼを、現役の農家が引き受けているという話を聞く。「経営継承事業」制度などを利用した都会からの新規就農者もいるが、いずれにしても離農のペースに就農が追いついていない。
農林業センサスによれば、2005~2010年の5年間で農業経営体数は2009から1679に減り(-16.4%)、2010~2015年には1377に減った(-18.0%)。10年で31.5%も農業経営体が減少している。
農地面積ではどうか。まず経営耕地総面積はこんな推移だ。
2005年369万ha
2010年363万ha
2015年345万ha
田んぼに絞るとこう。
2005年208万ha
2010年204万ha
2015年195万ha
農林業センサス
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003278788
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003156123
2010年から2015年の5年間で落ち込みが大きい。しかも、この10年の水稲作付面積を見ると2009年の164万haに対して、10年が経過した後の2019年は158万ha。さほど減っていないように見えるが、ことはそう単純ではない。内訳がまったく違う。
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